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鹿島の人づくり・技術の伝承

鹿島は、建設業の「ものづくり」を支えるのは、鹿島や協力会社の社員一人ひとりの力だと考えて、人材育成に力を入れています。

鹿島の技術者育成

時代を超え、世代を超えて受け継がれる建物や土木構造物をつくるには「技術」が不可欠です。技術には企業として新たに開発する技術と、現場でものをつくる技術の2つがあります。

後者について鹿島は現場におけるものづくりのプロセスと、知識と経験が融合して培われてきた鹿島技術者のマインドを、集合教育と現場での実務教育を組み合わせた体系的な教育プログラムで、若い世代にも受け継いでいます。

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土木部門の取組み

2008年度から土木系社員のさらなるポテンシャルアップと企業体質の強化を狙いとした全社版新教育をスタートし、「やる気のあるものに機会を」という競争文化の確立を目指しています。研修の事前課題に必然性を持たせ、班別演習・実習・発表に重きを置いたカリキュラムとしています。また、6年次以降の研修は公募制としており互いに切磋琢磨する競争文化を創造しています。

ベテラン社員が持っている技術を次世代へ継承していくために、研修講師の公募制も進めています。その結果、講師となった社員にとっても、自分自身の知識・能力を高めるという機会になっています。

段階ごとの取組み

教育プログラム

現場・設計・管理部門間のジョブローテーションに加えて、OJT・研修・資格取得を組み合わせることで、5年次までに基礎力を、10年次までに応用力を養成し、その後は管理能力を高める三段階の教育体系としています。

(1) 導入期(1~5年次):基礎技術力養成

  • 「新入社員研修(土木技術実践研修)」:
    富士教育訓練センターで2週間、測量、CAD、作業計画~足場・鉄筋・型枠組立~写真管理を一連で実習します。班別での実習や他社も含めた共同生活を通し社会人としての自覚が生まれます。
  • 新入社員研修の写真
    測量の実践研修(土木部門)
  • 「演習中心(土質・コンクリート)基礎教育」:
    コンクリート、土質の基本を習得するための研修で、班別での演習を中心としたカリキュラムとなっています。
  • グループワーキングの写真「設計・施工計画・見積総合研修」:
    5年次の総まとめの研修です。この研修は座学が一切なく、すべて班別演習での討議・発表により進めていきます。工事出件から設計・計画~技術提案~見積り~入札を模擬的に行い班毎に勝敗を競い、より実践に即した内容となっています。

(2) 導入期(6~10年次):応用力養成

  • 「土木技術研修」:
    土質・コンクリートのトラブル事例について、それぞれの体験をもとに班別討議・発表します。応用力や対応力を養うためのプログラムとなっています。
  • 「工種別技術研修(基礎)」:
    ダム、トンネル、臨海、橋梁、都市、鉄道、シールド、造成という土木の8工種に特化した研修を設けており、幅広い知識を身につけるため、希望するプログラムを自由に選択できる制度となっています。

(3) 自立期(11~20年次):管理能力養成

  • 「工種別技術研修(上級)」:
    導入期プログラムの上級者向けとなっています。
  • 「コンクリート中級研修」:
    コンクリートの材料・配合に特化した研修。班別での配合計算、コンクリート試験練り、プラント視察、コンクリートに関する技術提案の演習を通し、中堅社員の技術力向上を目指しています。
  • 「営業研修」:
    ケーススタディや班別討議を通し、普段施工や設計に携わっている社員の営業マインド・営業センス向上を目的にしています。
  • 「次期所長育成(技術伝承フォーラム)」:
    次期所長となる社員を対象にした研修で公募・選抜制をとっています。知識ではなく、先輩の経験から伝える研修です。

※その他、「支店設計通信教育」「e-ラーニング」「Web学習」も整備されており、研修の事前学習及びいつでも自己学習ができる環境になっています。

受け取ったバトンを確実に次世代に(東京土木支店 小塚山トンネルJV工事事務所 副所長 和田明久)

「技術伝承フォーラム」を受講しましたが、現場運営から企業者対応、安全管理、トラブル対応など、今後リーダーとして直面したその時に何をすべきかについて、多くの先輩方から心構えを失敗談も交え、熱く語っていただきました。

講師の方々の熱い指導に「これからの鹿島を頼むぞ」との想いと魂を肌で感じ、鹿島の技術力は社員の人づくりであると実感した瞬間でもあり、先輩の世代から次の世代への架け橋として、バトンを受け渡された瞬間であったと思います。バトンは確かに受け取りました。そして次の世代に必ず引き継ぎます。

次世代を担う学生への魅力発信

鹿島では、未来の土木技術者を目指す人々に対して、「鹿島かわら版」を作成し大学の工学部などの掲示板を通じて情報発信を行っています。身近な新入社員の様子や話題の工事・技術について記事に取り上げ、鹿島や当社で働くことのイメージを持ってもらう機会と考えています。進路や就職の一助になるよう、これからも創意工夫を続けていきます。

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建築部門の取組み

建築施工部門では、入社5年間を重点育成期間とし、施工に関する基本技術を修得させ、自律した技術者に育成することを目標としています。

段階ごとの取組み

新入社員時

(1) 導入教育:4月
現場の用語や建物を造る過程などを講義や映像で紹介し、建築現場の基本を学びます。その後、「富士教育訓練センター」にて1週間、レベル・トランシットの扱い、墨出し、鉄筋・型枠の組立て、足場の現物確認などを班行動で行い、現場で実際に行われている作業について実体験する機会にしています。この経験を踏まえて、鉄筋コンクリートや足場計画など現場で実際に鹿島社員が行う仕事の一端を体験します。その他に、鉄筋加工工場の見学や、安全、法令、品質管理などについて学びます。

(2) OJT

1ヶ月の導入教育後、現場に赴任。現場では教育担当者が任命され、新入社員の指導を行います。OJTでの実施項目をチェックリスト化し、経験をつみ重ねます。

建築施工系社員における重点育成期間の教育の写真

(3) 施工実務教育
OJTと平行して、5~10月の毎週1度本社に集まり、新入社員施工実務集合教育(通称:夜学)を実施します。社内各部署のベテラン社員またはOBが講師となり「施工実務に係る基礎技術と取組み姿勢」の修得を目的としています。

(4) 早期戦力化教育
11月からは入社後半年間のOJTと座学による研修を経て、月1回、実務に直結した演習型教育を実施します。主に、実際に現場で必要となる施工計画の立案や、仮設物の構造計算および施工図の作成などを行っています。

(5) 基礎確認教育
1年次の締めくくりとして、1ヶ月をかけ、技術・施工図・見積教育を演習形式で行い、ここまでで躯体に関する基礎技術の修得を目指します。

3年次 基礎実務教育

モデル建物で、施工計画を立案する5日間の演習形式の教育。グループ演習で発表し、ベテラン講師から細かい指導を受け、現場での業務に直結するようにしています。

重点育成期間における研修の写真

重点育成期間における研修

4年次 施工技術教育

主として仕上げ関連のうち重点工種を選定し、その基礎技術を修得、整理するプログラムとなっています。

5年次 実務教育

自分が工事課長になったつもりで、設計図の読み込み、施工計画、コスト管理、VE提案などの演習を、5日間で行い、ベテラン講師から厳しい指導を受け、技術者としての独り立ちを促します。

6年次以降

6年次以降はOJTがメインですが、支店毎に、技術、マネジメントに関する様々な教育を用意しています。現場所長になるときには、「所長マネジメント教育」を全員が受けます。
また、このような集合教育とは別に、海外・技術研究所・本支店管理部門などのローテーションを実施し、技術力、マネジメント能力の向上を図っています。

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「ものづくり原点教育」を受けて(東京建築支店
 (仮称)丸の内一丁目計画工事事務所 小林英之)

今回の研修では、施工のプロセスで決して妥協をせず、高い完成度の建物を施主に引き渡すという「施工管理者の使命」を学びました。また、協力会社の仕事を実際に経験して、どこがチェックポイントかをつかむことが、施工管理では重要であることを知るとともに、協力会社への尊敬の念を強く抱きました。また、新入社員研修を通して同期と過ごした時間はかけがえのない絆になると思います。今回の経験を決して忘れず、細やかな気配りができる現場マンを目指したいです。

新入社員教育を行って(建築管理本部 建築企画部 人事・教育グループ (当時) 課長 藤尾聡一朗)

富士教育訓練センターでは、墨出しから鉄筋・型枠・コンクリート試験といった作業の実体験を通じて、施工管理のポイント・歩掛り・専門用語を体得してもらいました。この実習により、“技能者の視点を考慮した施工管理”や“協力会社にとって仕事がしやすい環境づくり”がいかに重要であるかを認識できたこと、副次効果として、コミュニケーションの基本となる「あいさつ」の大切さ、共同生活の中で社会人としての規律の重要さに気づいたことは、有意義だったと思います。

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協力会社とともに取り組むものづくり

鹿島が造る構造物の品質や施工の安全を支えているのは協力会社にほかならず、現場の真の強みは、協力会社のレベルの高さ、層の厚みにあると言えます。

鹿島は、外部機関や独自の制度を活用した協力会社の評価・管理を行い、適正な施工能力のある協力会社を選定し、ともに発展していくことを念頭に工事発注を行っています。また、主要な協力会社に対する計画発注や技術者・技能者の確保・育成の支援も行っており、協力会社の施工能力の向上などにも努めています。

協力会社組織

鹿島には、鹿島事業協同組合と鹿栄会の2つの協力会社組織が存在します。各々の設立目的や事業内容は異なりますが、鹿島と一体となって品質や安全の確保など施工力向上に努めています。

鹿島事業協同組合

中小企業等協同組合法に基づき、協力会社約950社で構成されています。相互扶助の精神を基本に、労働災害の被災者の補償・救済・技術者の養成・施工水準の向上などを図るため、共済・経営技術指導・情報提供・教育訓練・福利厚生・共同購買斡旋の各種事業を展開しています。

鹿栄会

協力会社会員約4,700社と鹿島会員(鹿島の関係役員および社員)で構成される組織です。災害防止活動を主な事業内容とし、鹿島と協力会社が一体となって活動することで、工事の円滑化に貢献しています。

改善事例発表会の開催

鹿島の各現場および協力会社における業務改善活動を通じ、施工水準の向上ならびに企業体質の革新を図ることを目的として、1981年以降、毎年開催しています。鹿島・鹿島事業協同組合・鹿栄会の共催で、全国発表会では各地の予選会で選ばれたグループが発表し、各部門の最優秀事例には社長賞が授与されます。

改善事例発表会の写真

協力会社の技術者・技能者の表彰「E賞」

無事故・無災害での施工、他職種との連携に努力、優れた特殊技能を活用、コスト削減に尽力など、工事に貢献した協力会社の優秀技術・技能者(Excellent Engineer&Professional)に授与される賞。円滑な施工、生産性や利益向上を図る目的でつくられ、鹿島から協力会社への感謝の気持ちを伝える機会であり、協力会社の技術・技能者のモチベーション向上にもつながっています。

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