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社長メッセージ

多様化し、変化し続ける社会の中で 代表取締役社長 中村 満義

良いものを使い継ぐ

米国発で世界中に広がった金融不安は、実体経済にも甚大な影響を及ぼしました。一部指標に明るい兆しは見えるものの、低迷する世界経済の回復の行方は不透明なままです。改めて実体経済の重みを再認識するとともに、「ものづくり」を通じて、時を越える価値を提供する建設産業の役割に思いを馳せています。

経済社会が発展段階から緩やかな成熟段階に入った今、社会資本整備の目標はストック型社会の対応に比重を移しつつあります。良いものをつくるという原点を大切にしながら、良いものを末永く使い続けることを視野に入れた「ものづくり」です。

都市、地域、地球の持続可能性にどう責任を果たしていくか。安全と安心、社会の活力、暮らし、自然環境…。多様化し、変化し続ける社会の中で、建設産業の環境経営とCSRへの誠実な取組みが一段と重要性を増していることを実感します。

低炭素社会の構築へ

私たちは、多種多様な生き物からの恵みがなければ生きていけません。生物多様性の問題は、さまざまな生物の保全保護を通して、私たちがほかのいのちと共生しながら、どのように生きのびるかという問題でもあるのです。

思えば産業革命以来、エネルギーやものをつくり出すのに、あまりに石油や石炭を使い過ぎました。炭素に依存しない経済社会に転換するカギ、それはやはりイノベーションにあると思っています。

当社は2009年度を初年度とする中期環境目標で、施工段階の温室効果ガス排出量を2020年度に1990年度比で50%削減する目標値を設定しました。今、次世代の先駆的な研究・技術開発の拠点にすべく技術研究所の再構築を進めていますが、地道な研究活動の積み重ねが目標値達成に、さらには低炭素社会の構築に貢献してくれるものと信じています。

魅力ある建設産業を目指して

私たちは「魅力ある建設産業」の実現を目指しています。若者たちがこぞってきたくなる、そのような産業です。それには、各企業が適正な利潤を確保できる健全で生産的な市場ルールの確立が必要です。そのためにも企業経営の透明性、コンプライアンスやCSRの徹底は欠かせません。積極的な情報発信によって、未来への展望を明らかにする必要性を強く感じています。

当社が、持続可能な社会の形成に向けての自負と責任を「100年をつくる会社」と表現しているのも、自らの事業活動が次世代の評価に耐え得るか、という視点を大切にしたいと考えるからです。そのためにも、常に社会から信頼され、信用される企業でなければならないのです。

当社は昨年、連結子会社で不適切な取引が判明し、連結業績に損失が発生しました。関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを深く反省し、おわび申し上げます。これからも役員・社員の一人ひとりが自らの行動を律し、鹿島グループ全体で積極的な内部統制の整備・運用に取り組んでまいります。

170年の歴史を未来に

当社は今年創業170年を迎えました。創業者鹿島岩吉が天保年間に江戸中橋正木町に店舗を構えて以来、役員・社員が総力を結集して、それぞれの時代を切り拓いてきました。

この長い歴史の中を貫いて流れるのが、「全社一体となって,科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り,社業の発展を通じて社会に貢献する」という当社の「経営理念」です。良き人づくり・会社づくりを通じて常に「現代の我々よりも完全な、より幸福な世代を育て上げよう」という願いが込められています。

先人はこれを「家訓」として、社会からの信用を勝ち得ることに努力を払ってきました。それが鹿島のCSRの基本であり、伝統や社風やブランドをつくり上げてきた原動力だと思っています。

社会の中で生きる

企業は社会の中で生かされている、そうした思いを一層強くしています。私たちは社会の期待や要請に誠実に応え、信頼の絆を深めていかなければなりません。

内部統制の整備・運用、ワーク・ライフ・バランスの推進、次世代の人材育成と技術の伝承、安全文化、社会貢献、地域社会とのコミュニケーション、資源の循環、生物多様性保全のための解析・設計・施工技術の展開…。この報告書に記されたCSR活動や取組みを、私たちはグループ会社ともども、さらに精力的に実践してまいります。一層のご理解とご支援、忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げます。


2009年7月

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