コラム

落ちた橋―「テイ橋」

イギリスのスコットランド、1878年(フォース鉄道橋の12年前)に「旧テイ橋」は完成しました。全長3,200m、当時としては極めて巨大な建造物です。しかし翌年12月28日午後7時過ぎ、定刻どおりにやってきた列車が、橋の中ほどで忽然と姿を消したのです。信号員の目に映ったのは、中央部が数百m崩れ落ちた橋の姿でした。政府の事故調査委員会によって、「強風に対して十分な強度ではなかった・パイプは素人同然の業者が製造・原料をけちり、ヒビ割れにはススとロウを詰めてごまかしていた」などが判明。設計者のトマス・バウチは、テイ橋の落橋とともにすべてを失い、報告書提出から4ヶ月後に亡くなりました。しかしこの事故は、後世に大きな教訓を残し、長大橋の歴史の転換点となったのです。

画像落ちた橋―「テイ橋」