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橋の歴史物語

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  7-1 斜張橋とは
 

かつしかハープ橋

かつしかハープ橋

斜張橋とは、普通2基、時には1基の主塔を建て、その主塔から左右斜めに弦のように何本も斜めにケーブルを引き、それに橋桁をつるして支える形式の橋です。 横浜ベイブリッジ(1989年)などにより、都市のランドマークとして高い評価を受けています。首都高速道路荒川線の「かつしかハープ橋」は、S字形にカーブした大小2本の塔によって支えられた世界的にも珍しい斜張橋です。(1987年完成)

 
 
 
  7-2 近代的な斜張橋の歴史
 

歴史的には1920年代にイギリスのツィード川とフランスのザール川に相次いで架けられたのが最初ですが、十分な構造解析が行われていなかったためか、二橋とも落橋してしまい、普及しませんでした。 しかし、ある程度以上の中央径間をとると経済的で見た目にも優美なため、第二次大戦後、初めはドイツのライン川に多く架けられ、世界中に広まりました。日本でも、東京の首都高速道路の小松川橋(1970年)や、大阪南港地区のかもめ橋(1975年 240m)などが比較的早い時期にかかっています。 本四連絡橋では、瀬戸大橋の中の櫃石島橋と岩黒橋が、最初はトラス橋で計画されたのですが、景観とコストの面から途中で斜張橋に変更されました。 尾道・今治ルートには、世界一の多々羅大橋をはじめ、生口橋の斜張橋があります。

 
 
 
  7-3 世界の主な斜張橋
 

マラカイボ湖橋(Lake Maracaobo Bridge)(ヴェネズエラ) 1962年完成、径間数135、主塔の高さ 92.5m 主径間 235m×5、幅員14.2m。 この橋は、パンアメリカン道路の一環として、マラカイボ湖の北の入り江、9kmを渡る橋として計画されました。ヴェネズエラ政府による国際コンペに12チームが参加し、ただ一つ斜張橋を提案したイタリアチームが当選しました。長い連続桁橋のアプローチに続く5径間からなる連続斜張橋は、地域のランドマークとして高く評価され、その後の長大斜張橋の端緒となった記念碑的な橋です。

 
 
 
  7-4 ユニークな斜張橋
 

ガンター橋

ガンター橋

スイスのイタリア国境の町ブリグへいくシンプロン道路に架かるガンター橋(Ganter Bridge)は、PC斜張橋でありながら、ケーブルをコンクリートで覆うことによって、すばらしい外観の橋となっています。スイスの橋梁技師、クリスチアン・メンの設計。中央径間はメインが174m、サブが127mでカーブしているのが特徴です。橋脚の高さは、なんと150m。そのデザインにおいて20世紀の傑作といえます。 完成は1974年です。

 
 
 
  7-5 アレックス・フレーザー橋(カナダ)
  (Alex Fraser Bridge)
 

アレックス・フレーザー橋

アレックス・フレーザー橋

カナダのバンクーバーに1986年完成したこの橋(旧名 Annacis Bridge)は、中央径間465m、主塔はH型で高さ154m。橋桁はプレストレスト・コンクリート製でその厚さはわずか、2.2m、ケーブルは9mごとに取り付けられ、橋桁を支えています。斜張橋の形式は、セミファンタイプです。主塔から橋桁を左右に延ばしていくカンチレバー方式で建設されています。 その中央径間の長さ、橋桁にプレストレスト・コンクリートを導入した鋼・コンクリートの複合形式の採用などにおいて、現代の長大斜張橋の先駆的な橋といえます。

 
 
 
  7-6 クイーン・エリザベス2世橋(イギリス)
  (The Queen Elizabeth II Bridge)
 

この橋は、トーマス川のダートフォードとスロックを結ぶ4車線の自動車専用橋で、中央径間は450m、高速道路環状線M25の南回り線として、4車線とも南方向の1方向の車線となっています。なお、北回り線は、2本のトンネルです。 主塔の高さは、237m。この橋が架かる水路は、豪華客船クイーン・エリザベス号通行の可能性もあるということで、橋桁を57.5m以上高く持ち上げる必要がありました。そのため、橋脚は橋桁までが鉄筋コンクリート製で、その上から鋼製となっており、スマートな斜張橋の特徴が生かせなくなっているのが少し残念です。1991年完成、セミファンタイプ。わずか数ヶ月間ですが、ヨーロッパで1番の斜張橋となっています。

 
 
 
  7-7 スカルンスンド橋(ノルウェイ)
  (Skarnsundet Bridge)
 

中央径間465mのアレックス・フレーザー橋の世界一の座は、1991年に二つの橋の完成によって奪われることになります。一つは日本の生口橋(span=490m)、もう一つはノルウェーのスカルンスンド橋(span=530m)です。この橋は、スカルンスンド湾口のフェリーの代わりに建設された2車線の橋です。そのためか、橋は非常にほっそりとして、桁幅はわずか13mです。コンクリート箱桁、主塔はA型でコンクリート製、高さは152m、ファンタイプです。

 
 
 
  7-8 フレッドハートマン橋(ベイタウン橋)
  (Fred Hartman Bridge)
(アメリカ)
 

この橋は、1994年、トンネルの代替えとして、アメリカ・テキサスのホーストン近郊に建設された橋で、中央径間は380mと短いのですが、車線は8レーン。4レーンずつの2つの橋桁が1つの橋を共有した形になっています。橋桁の幅は47mと、世界一の橋荷重を支えるシドニー・ハーバー・ブリッジに匹敵する広さです。主塔はプレストレスト・コンクリートでダイアモンド型が2つセットになった形をしています。2つの橋桁は、それぞれの主塔からの2面、合計4面の支持ケーブルによって支えられています。ハリケーンがよくくるので、強風対策は十分に施しています。1日20万台の車が通行可能です。斜張橋が支える橋荷重では世界一の橋です。

世界一の斜張橋のリストのうつりかわりをグラフにしてみました。

最長斜張橋の移り変り

最長斜張橋の移り変り

 
 
 
  7-9 世界一の座をめぐって
 

横浜ベイブリッジ

横浜ベイブリッジ

ノルマンディー橋

ノルマンディー橋

最近の斜張橋の発展を辿ってみると、1988年、櫃石島橋・岩黒橋ができたときは、中央径間420mの両橋は世界第4位でした。その翌年の1989年横浜ベイブリッジが完成して、世界第2位となり、1991年には生口橋が世界第1位になります。さらに1995年フランスのノルマンディー橋が中央径間858mで首位の座につきます。その後、1999年中央径間890mの多々羅大橋(橋長1480m、中央径間890mのファン形斜張橋)が世界のトップになります。 しかし、2000年9月、中国の香港で世界一の斜張橋「ストーンカッター橋」の建設計画が発表されます。中央径間は1018m。この橋は2003年に着工、2007年の完成予定となっています。

 
 
 
  7-10 世界の主な斜張橋
  世界の主な斜張橋のリストをつくってみました。  
 
 

 

※このコンテンツは、2001年に開催されたインターネット博覧会出展時のアーカイブです。

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