現場から:

雨期でも走れる国道に

--中央アフリカ国道3号線舗装工事



 当社は現在、中央アフリカ共和国において日本政府のODAにより、国道3号線の舗装工事を行っている。施工しているのは、首都のバンギから北西約220kmにあるヤロケを始点に、ボッサンテレまでの69km区間である。既に当社は、ボッサンベレ〜ヤロケ間の66kmの舗装工事を完成させており、現在施工中の工事は、この第2期工事にあたるものである。本年5月の完成に向けて工事は大詰めを迎えている。


▲中央アフリカとその周辺国

●中央アフリカという国
 同国は、北緯10度、アフリカ大陸のほぼ中央に位置している。人口は、約300万人、その85%が現地バンツ−系民族である。現場付近の気候は内陸性気候で、季節は、雨期(5月〜10月)と乾期(11月〜4月)に分かれる。乾期には、朝夕は約20度、日中は40度近くまで気温が上がり、一日の温度差は20度にもなる。


●雨期には通行止めになることも
 道路の舗装率は、2%と非常に低い。この国道3号線も元はラテライトとよばれる土が敷かれているだけの道路であった。水分を含むと車がスリップしやすくなるため、雨期になると道路は頻繁に通行止めにされ、物流が麻痺することが多かった。国道3号線は幹線道路として物流のかなめであり、その舗装は、長い間中央アフリカ人の悲願だったのである。

着工前の道路。
雨期のため道がぬかるんでいる。
舗装工事の終わった道路

●作業は朝7時から夕方5時まで
 工事は、現道の線形を改良して舗装するものである。まず切盛土工後、ラテライトで、路床とその上の路盤を作る。次にセメントを散布し、水を加えながら路盤を攪拌して表面を固める。その後、アスファルトと砕石を散布し、転圧を行って仕上げる。この一連の作業を、1サイクル10日ほどで進めてきた。現場は朝7時から夕方5時まで稼働する。従業員は、現地作業員約250人、日本人スタッフ7人(当社社員2人、協力会社5人)で、ほとんどの業務は現地人を中心に進められる。日本人は、マクロでの施工管理や資機材の調達・労務契約などを行うのみとなっている。


▲朝6時30分、日本のラジオ体操の音楽にあわせて体操

<工事概要>
場所 YALOKE, OMBELLA-MPOKO,
REPUBULIQUE CENTRAFICAINE
発注者 中央アフリカ建設省
設計 建設企画コンサルタント
規模 既存道路整備工事
幅員6m、延長69km
工期 1995年3月〜1998年5月
施工 鹿島 海外事業本部

★現場事務所ではホ−ムペ−ジも開設している。 http://www.venus.dti.ne.jp/~tee/