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北海道新幹線開業

3月26日,北海道新幹線の新青森から新函館北斗区間が開業を果たした。
北海道民が待ち焦がれた瞬間である。
この開業により,東京から新函館北斗までの所要時間が
1時間余り短縮され,約4時間で結ばれた。
新青森と約1時間,仙台と約2時間半で往来が可能になった。
北海道と本州を結ぶ新たな交通網が整備されたことで,
観光やビジネスなど様々な分野での連携・交流の機会が拡大され,
北海道全体の活性化が期待されている。
当社は北海道新幹線の建設に際して,
津軽蓬田トンネルや函館総合車両基地の建設工事に携わってきた。
ここでは開業にあたり,北海道新幹線に関わる工事を紹介していく。

図版:地図

写真:函館総合車両基地内を試験走行するH5系

函館総合車両基地内を試験走行するH5系

改ページ

北海道新幹線開業を迎えて

写真:常務執行役員北海道支店長 木下 勲

常務執行役員
北海道支店長
木下 勲

2016年3月26日,遂に北海道へ新幹線が来ました。2005年に新青森・新函館間が正式に着工以来,11年にわたる工事期間を経て開業の運びとなりました。1973年に整備新幹線として決定されてから,実に43年が経過しております。この間には,私も含めて多くの北海道民は,本当に北海道に新幹線が来るのだろうかと感じていた時期があったと思います。そういう意味では「夢が実現した」という言葉がピッタリと当てはまります。これこそ多くの先人達が,努力を積み重ねてこられた結果であり,特に青函トンネルを造ったこと,しかもそれを新幹線の規格にしたことなど,新幹線に想いを馳せた先人達を我々は決して忘れることなく,感謝しなければならないと感じています。

今回,私どもは本州側で津軽蓬田トンネル,北海道側で函館総合車両基地を担当させていただきました。8年間にわたる工事では色々なことがありましたが,大きなトラブルもなく完成を迎えられたのは,現場に従事した全員が北海道に新幹線を迎えるお手伝いをしているのだという,プライドをもって業務に当たった結果だと思います。これからは,2030年の札幌延伸に向けて新たなステージに入るわけです。現在,当社はニセコ町で昆布トンネルを担当しておりますが,これまで同様にプライドを持ちながら,我々のできる範囲での協力を惜しみなく尽くしていきたいと考えております。

北海道民は今まで,なかなか新幹線に乗ることがありませんでした。大部分の北海道民はどこに行くにも空港から飛行機を使い,周辺を少しだけ移動してまた飛行機で戻ってくるというパターンが多く,新幹線には修学旅行で乗ったきりという人が意外に多いのです。札幌延伸はまだまだ先ですが,新函館北斗駅から新幹線を利用し始めると,多くの方々は新幹線の利便性,快適性に気が付くことになると確信します。

40年前,大学生の時に土木学科の学外実習が必修単位でした。私は当時の国鉄久喜工事事務所で一ヵ月ほど国鉄側の監督員として,東北新幹線の建設に従事した経験があります。事務所の助役さんが「お盆休暇,年末年始の帰省列車の混雑ぶりを見るたびに,一日も早く新幹線を完成させて皆さんが快適に,しかも早く家族に会えるようにするのが使命だ」と言っておられたことが鮮明に思い出されます。

私たちは仕事柄,いつも何らかの形で建設工事に関わっていますが,最後の竣工したときに関わっている人だけではプロジェクトは完成できません。そこに至るまで多くの人々の努力があってこそプロジェクトが完成し,一般市民の方々に喜ばれるのだということを肝に銘じて,これからも前進していきたいと思います。

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