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津軽蓬田トンネル

津軽蓬田トンネルは,新青森駅と青函トンネル間に建設された。シールド外径11.3m,延長は6,190m。北海道新幹線本州側の新設区間で最も長いトンネルだ。

写真:完成した津軽蓬田トンネル

完成した津軽蓬田トンネル

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特徴は,シールド工法とNATMの利点を併せ持つトンネル施工法SENS(センス)を採用したことだ。地形的に土被りが小さく地下水位が高い上に,地質は未固結な砂が主体であるため土砂崩壊や流砂による切羽の不安定化が予想された。そこで安全性・経済性・施工性に優れた工法として採用されたのがSENSだった。SENSでは,密閉型シールドマシンで切羽の安定を図りながら掘進を行い,並行してマシンのテール部で一次覆工となる場所打ちコンクリートを打設していく。これを一次支保材として地山を保持しながらトンネルを構築。一次覆工の安定を計測して確認した後,漏水処理工と二次覆工を施工してトンネルを完成させる。NATMの倍以上のスピードで施工が可能で,セグメントが不要となるためシールド工法よりコスト低減を図ることができる。しかし,場所打ちコンクリートのため高度な施工管理が要求される。当社JVは掘進機構や内型枠などの改善を行い,長距離・高速施工を実現させた。

2009年11月から掘進を開始し,工事は順調に進んだ。しかし2011年3月11日に東日本大震災が起きたことで資機材の調達や電力事情が悪化し,掘削の一時停止を余儀なくされた。その後掘削が再開されると,現場はさらなる掘進速度の向上を図り,最高月進367.5mを記録。工事は無事竣工した。SENSでは国内初となる地上発進・地上到達も成功させている。

写真:地上発進前のマシン

地上発進前のマシン

写真:地上到達状況

地上到達状況

【工事概要】
北海道新幹線、津軽蓬田トンネル

場所:
青森県東津軽郡蓬田村
発注者:
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
設計者:
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
規模:
SENS シールド外径11.3m,延長6,190m
工期:
2008年2月~2015年2月

(東北支店JV施工)

図版:地図

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