軟弱地盤を改良して人工島を
−海底地盤の改良から換気立坑の構築まで −

 東京湾の海底地盤は非常にゆるい。しかも,川崎人工島付近の水深は約28mもある。 ここに直径約200mの人工島を作るため,まず海底地盤を改良する工事を行った。
 つぎに行うのは鋼製護岸工事。ジャケットをクレーン船で次々に設置し,外側と内側の二重に鋼製護岸を構築した。
 完了すると地中連続壁の施工へと続く。まず,外側と内側のジャケットの間に鋼管矢板を2重に打ちこみ,その間を砂質系混合土で埋戻して人工地盤を作る。 内側ジャケットを撤去した後, 海底面をさらに掘削する。掘削完了後,立坑の本体構造物を構築した。
 当社では,川崎人工島を構築するこれら一連の工事のうち,西側を担当した。

川崎人工島西工事
場所川崎市川崎区浮島沖合5km
発注者東京湾横断道路
設計東京湾横断道路
規模地中連続壁−壁厚2.8m,深さ119m,内径98m,コンクリート量102,000m2
内部掘削−358,026,
本体−鉄筋コンクリート241,306,底板厚6.0m,側壁厚6.0〜2.5m,隔壁厚4.0〜3.0m,スラブ厚1.2〜0.3m(工事数量は全量)
工期1991年3月〜1997年3月
施工鹿島 東京支店JV
川崎人工島換気塔工事
場所川崎市川崎区浮島沖合5km
発注者東京湾横断道路
設計東京湾横断道路
規模大塔−高さ90m,鉄骨1,627t,
小塔−高さ75m,鉄骨1,373t
工期1996年3月〜1997年12月
施工鹿島 東京支店JV


東京湾アクアライン”断面図
“東京湾アクアライン”は,神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ全長15.1kmの自動車専用有料道路である。 9.4kmのトンネル,2箇所の人工島,4.4kmの橋で構成される。 大型船舶で混雑し,水深も深い川崎側はトンネルで,水深が浅く船舶も小型で比較的少ない木更津側は橋になっている。


鋼製護岸工事
陸上で組立てられたジャケットを最大4、100tを吊ることのできるクレーン船で設置,リング状にジョイントしていく


露出した東京湾の海底面を,重機でさらに41.7m掘削する


地中連続壁の掘削完了後,最大重量2,200tの大型鉄筋プレハブブロックを設置し,コンクリートを打設。シールドトンネルの発進口や,換気立坑の本体構造物を作った


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