特集:多様化するNATM![]() 本来自然なアーチ状となったトンネルは,地山が安定していると,自らを支える力を持っているので潰れない。NATMは,このようにトンネル周囲の地山が,トンネル自らを支えるという支保機能を利用した掘削技術である。主に山岳部の道路トンネルや鉄道トンネルで使われる。 しかし,表面から亀裂や湧水が発生したり,地質にムラがあると,支えきれず崩壊してしまう。このため工事では,表面を吹付けコンクリートで固め,ロックボルトを打ち込み,より深いところまでトンネルを一体化させる必要がある。さらに地山の安定度に応じて,トンネルの外周に沿って鋼製の型枠(支保工)などを取り付けたりもする。 工事で使用する機械は,主に切羽を掘削する掘削機やずり搬出のためのダンプトラックなど汎用重機を使用する。高額のシールドマシンを必要とするシールド工法などよりも,費用がかからずコストを抑えることができる。 |
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●様々な条件下で活躍するNATM トンネルをつくる技術には幾つかのメニューがある。その中でもNATMは,硬い地盤を掘る山岳工法に含まれていた。今日では,高度な技術を用いることにより,地盤の軟らかい都市直下や,超大断面の空洞,複雑な断面形状など様々な条件下で展開されている。 |
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■低土被りの都市トンネル 新神戸トンネル工事 補助工法の採用により都市部でも適用が可能となる ![]() |
■地下深部の超大空間 神流川地下発電所工事 超大断面NATMにより地底500mの地圧を支える ![]() |
■膨張性地山における山岳トンネル 岩手トンネル工事 複雑な地質条件下でトンネルを掘り進める ![]() |
■複雑な断面形状のトンネル 反町駅地下化工事 3連NATMで効率的に地下空間をつくる(写真:3連の中央部から掘削) ![]() |
![]() |NATMの概要 |最小土被り4mの都市トンネル |地底500mの巨大な大空洞 |膨張性地山における山岳トンネル |3連NATMでつくる地下駅 |当社のトンネル技術と地下空間の可能性 |