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Chapter 3:世界へ展開する技術基盤

技術研究所シンガポールオフィス(KaTRIS)と
エンジニアリング事業本部シンガポールオフィスを開設してから約4年が経った。
そして今,顧客ニーズに合致した技術やサービスを提供できるプラットフォームとして機能し始めている。
両部署を率いる2人に話を聞いた。

「技術の鹿島」を世界へ発信

写真:執行役員 技術研究所 所長 福田孝晴

執行役員
技術研究所 所長
福田孝晴

シンガポールは,世界の技術情報が集まる都市であり,レベルの高い研究機関が数多くあることから,KaTRISの活動拠点としました。開設当初は,技術動向や現地ニーズの把握に加え,当社が高い技術開発力を持つ企業だと認知してもらうことを重視し,有力な大学教授や政府系研究機関との交流を通じて,土木・建築の垣根を越えた強い人的ネットワークづくりを進めてきました。具体的には,シンガポール国立大学,ナンヤン工科大学などとの共同セミナーやワークショップを共催,当社が保有する生産性向上技術や環境関連技術をはじめとする技術力のPRとともに,共同研究も積極的に推進中です。

一方,KOAをはじめとする東南アジアの現地法人に対する技術支援にも力を入れています。シンガポール国立大学デザイン環境学部の新校舎は,同国初の建物単体でのNetZEBを目指していることから,環境技術に関する専門家の知見を活かし,新築工事受注につなげています。また,ジュロンレイクガーデン国際デザインコンペでは,水質浄化や植物工場の技術を提案し,当社グループの最優秀賞獲得の一翼を担いました。

今後,当社グループの技術マーケティングの基盤として,「技術の鹿島」を世界へ発信するとともに,海外市場においても顧客ニーズに応えられる技術力とソリューション力を併せ持つ高度なコンサルティング組織へと成長させ,東南アジアを中心に積極的に活動を展開していきます。

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“Value”を追求して仕事を作り込む

写真:常務執行役員 エンジリアリング事業本部長 丸亀秀弥

常務執行役員
エンジリアリング事業本部長
丸亀秀弥

ターゲットとする市場で優位性を保持していくには,当社ならではの付加価値“Value”を持ったサービスを提供する必要があります。エンジニアリング事業であれば,製造プロセスにおける物流解析や医薬品製造のバリデーション,IE(インダストリアル・エンジニアリング)などが挙げられます。ここで大切なのは,Valueをフィーにする仕事の作り込みです。これまで培ってきた技術は,保有しているだけでは利益を生み出すことはできません。顧客が真に求めるものを理解し,当社が保有する技術を価値あるサービスとして提供していくことが必要になるのです。これは万国共通です。

シンガポールの拠点では,これまで築いてきた当社グループの豊富な実績,そして「信頼」という人的ネットワークを礎に,東南アジアでの仕事の作り込みを行ってきました。生産計画の上流段階におけるコンサルティング業務などでフィービジネスを展開しています。また,KA傘下となったCockram社は,中国での医薬品工場や研究所のプロジェクトも手掛けていることから,生産設備の調達や据付などでの連携について検討を開始しています。今後は,当社グループの現地法人ネットワークに,技術という当社が持つ豊富なリソースを重ね合わせ,さらに付加価値の高いサービスをグローバルマーケットに提供していきたいと考えています。

※バリデーション
医薬品などを製造する工程や方法がレギュレーションに適合しているかどうかを検証し,文書化する作業。製品の品質保証に直結する重要な業務であり,ハード・ソフト面から細部にわたり検証が行われる

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