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特集 進化を続ける海外事業

当社は,アメリカ,アジア,ヨーロッパ,オセアニアで,現地法人を通じて,建設・開発事業を展開し,
工場,オフィス,物流,学校,病院,集合住宅,ホテル,文化・スポーツ,リゾートなど
多岐にわたる施設を手掛けてきた。
各地域で,さらなる成長を遂げるための事業基盤である“プラットフォーム”は,
それぞれの市場に合わせながら進化を続けている。
今月は,新たな市場でのプラットフォーム構築を例に,当社の海外事業の強みの源泉を探っていく。

写真:進化を続ける海外事業イメージ

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より厚みのある海外ネットワークへ

写真:専務執行役員 海外事業本部長 越島啓介

専務執行役員 海外事業本部長
越島啓介

当社の海外事業における建設・開発事業は半世紀以上の歴史を持ち,昨年度の売上規模は約4,000億円となっています。これらの事業を展開しているのは,主に海外現地法人です。その数は100社を超え,18の国と地域で活躍しています。各現地法人は,それぞれの市場に合わせた事業活動を展開する事業基盤“プラットフォーム”です。アジアでは,当社社員が現地でゼロから事業を興し,ローカルスタッフの育成を通じて地位を高めてきた基盤があり,アメリカでは当社が長年育ててきた事業に加え,企業買収(M&A)によりプラットフォームを拡大してきました。

将来にわたり海外で利益を確保していくためには,既存事業の深耕・拡大とともに,新たな市場を開拓していくことが必要です。建設・開発事業は,国・地域に根付いた産業であり,市場によっては,M&Aにより現地の企業や人材を活用してプラットフォームを拡大することも有効と考えています。この時,肝要なのは,プラットフォームの構築は“信頼づくり”だという信念です。単に投資という思考では,成果を得ることはできません。それは,プラットフォームには,収益を得るための仕組み“ビジネスモデル”と,それを実現する“人と組織”が欠かせない存在だからです。仕事に対する思いを共有でき,互いに協力して仕事を成し遂げる仲間でなければならないのです。

この信念のもと,オーストラリアの建設・開発市場に進出するため,2015年に集合住宅の建設・開発事業に強みを持つ企業を,今年5月には医療・福祉施設,教育・研究・文化施設,生産施設などを得意とする企業をM&Aにより当社グループの一員としました。これにより,同国の建設・開発市場におけるオールラウンダーとして活躍できる基盤が整いました。今後は,両社の経営資源の統合などによるシナジー効果を生み出していく考えです。また2016年には,ベトナムの不動産開発会社との合弁会社を設立して同市場に参入し,建設事業においても今年5月に同国の大手建設会社との業務提携を結んでいます。

今後,海外事業を展開するうえで,重要となる視点は,構築した基盤が協業を通して,シナジーを高めていくことです。これまでは地域やプロジェクト毎に独立して活動を行っていることも多く,一部地域で開発と建設の協業により成果を挙げてきましたが,それは各基盤が点線で結ばれた程度と捉えています。よりグローバルに地域を越えた連携を加速させるとともに,技術研究所とエンジニアリング事業本部のシンガポールオフィスとも協力しながら,顧客ニーズに合致した技術とサービスを提供できる基盤整備にも力を注ぎます。これにより,築き上げてきたプラットフォームは,より厚みのあるグローバルなネットワークへと成長し,安定した収益源として進化を続けていくのです。

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