関西支店 河原茂生
白亜の白鷺城が姿を見せた。2009年10月に始まった姫路城大天守保存修理も、今は素屋根をはずし、クレーンをおろし、構台を解体し、それぞれが任務を終えていく。
写真の撮影スポットは、毎朝私が最初に目にする現場の風景である。「今日も安全に作業ができるようにお願いします」と、ここで一礼し作業員を見つめ、朝礼にのぞむ。
今日は、最後の難関である構台のユニット梁の撤去。ボルトをはずし、鉄骨を吊り上げる瞬間を写真におさめた。「よし、安全に撤去できているぞ!」。あとは祈る思いで作業を見つめる。風はそんなに吹いていないのに、社旗がなびき、がやけに輝いて見えた。
3月27日、姫路城は一般公開を迎える。昭和の大修理、平成の保存修理を担当した鹿島は、これからも姫路城を見守り続けていく。