話題の竣工プロジェクト:

日本最大級の街が東京湾岸に誕生
晴海アイランド トリトンスクエア

トリトンスクエアロゴ トリトンスクエアのネーミングの由来は,ギリシア神話の海の神である「トリトン」からきている。また「トリ(Tri)」は,数字の3を意味し,街の「職・遊・住」の3つの機能と,街のシンボルタワーとなる3本の超高層ビル「トリプルタワー」をイメージしている。

 東京湾のウォーターフロントに誕生した新しい街――今年4月にオープンした晴海アイランド トリトンスクエアは,東京駅から3km,銀座から2kmのロケーションにある,いま東京で最も話題となっているスポットだ。東京ドームの約8倍の敷地に,最先端のオフィスビルや流行のショップ,レストラン,高層住宅など,「職・遊・住」のそれぞれの機能を満たした施設がまとまりをもって配置されている。

 この街で一際目を引くのがトリプルタワーと呼ばれる3棟のオフィスビルだ。33階のZ棟,39階のY棟,44階のX棟。高さの異なるこれらのビルは,一体的にデザインされており,東京湾岸の新たなランドマークとなっている。
 トリプルタワーのエントランスからタワーを見上げる。そびえたつ2棟の最上部のあたりでブリッジが渡る。このブリッジは一見通路のように見えるが,地震が発生した際に重要な働きをする。ブリッジは地震時にビルの揺れに追随,伸縮し,揺れを抑える制震装置となっているのだ。揺れが大きいときにブリッジは最大2.4m伸びるという。この装置,超高層ビルへの適用は世界でも例がなく,地震はもとより強風によるビルの揺れも抑え,安全で快適なオフィス空間の実現に貢献している。
 エントランスからエスカレーターを上がるとグランドロビーに着いた。各棟へはここからアプローチする。上部にはホールがあり,左手に進んでいくと華やかなショップ&レストラン街へと入った。
 ここは「トリトン通り」と呼ばれ,有名シェフの料理が堪能できるレストラン,流行の洋服が揃うブティックなど,60のショップが軒を並べる。どのショップも,お洒落な女性たちが欲しくなるようなグッズで一杯だ。南欧風に統一された街並みの中で,それぞれのショップは,カラフルな内装や個性豊かなファサードをつくり,見ているだけでも楽しい。
 そのままショップから屋外へ出ると,あたりは一面のテラスとなっていた。テラスにはデイゴなどの赤をアクセントにした花々が咲き,真っ青な海をイメージした水空間が広がっていた。このテラスは一年を通じて花々が咲き乱れ,都会に居ながら四季を感じることができるという。

 都会の中にも憩いの場として,潤いのある空間を与えてくれるトリトンスクエア。開発の歴史は,1987年の「晴海一丁目地区開発協議会」の発足に遡る。再開発組合と都市基盤整備公団による,1つの計画を2事業者が行うという試みは,日本でも初めてだった。それから14年余。日本で最大規模の再開発事業による複合都市が,この晴海の地に完成した。

トリプルタワー
トリプルタワーを構成するオフィスタワーのX(左),Y(奥),Z(右)
連結制震装置
タワー間を結ぶ連結制震装置
地図
工事概要(オフィスタワーY)
名称:晴海一丁目地区第一種市街地再開発事業(西工区)第2工区施設建築物新築工事
場所:東京都中央区晴海1-8-11
事業主:晴海一丁目地区市街地再開発組合
設計:日建設計・久米設計・山下設計JV
規模:S造一部SRC造,地下4階,地上39階,延べ床面積120,295m2
工期:1996年9月〜2001年3月

※当社は,上の工事の他,オフィスタワーX,第一生命ホール,コーナーパークエリアの工事に参画している。

トリプルタワーのエントランス
グランドロビーへと通じるトリプルタワーのエントランス

グランドロビー 第一生命ホール
グランドロビー。
上部には第一生命ホールがある
第一生命ホール。
全767席のコンサートホール

テラス空間
一年を通じて花々を楽しむことができるテラス空間

トリトン通り トリトン通り
2層吹き抜けで,明るい日差しが降り注ぐ「トリトン通り」