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concept スルガ キャンパス カレッジ 過去と未来をつなぐ接点

写真:「駿東実業銀行館」の一石一木の中庭

「駿東実業銀行館」の一石一木の中庭

駿河銀行大学院「スルガ キャンパス カレッジ(SCC)」は,スルガ銀行創業115周年事業として7年の歳月をかけて,今年4月に企業内カレッジとして開設された。

世に一石を投じる企業でありたいとの理念に基づき,一石一木で構成された中庭を中心に,施設群を内外に広がる波紋として配置。こころ・精神性を修養する場として,施設のあり方を求めた。

「未来を知るためには歴史に学べ」との先人の教えから,要所にはスルガ銀行の歴史を伝える重要な施設を復元。創業の精神・空気を肌で感じ伝承しながら,未来研究の先端機関との融合を図った。

計画はアプローチの環境づくりから始まり,周辺景観・敷地形状を最大限に生かし,外構計画を組み合わせることで,各施設の精神性を高めている。

外部に対してはケヤキ並木と上り庭を道の両面に配し,杉板・漆喰・浮いた瓦屋根で構成された長く力強い壁面により,施設の独自性を表現した。

核となる施設は,一石一木によりまとめられた中庭を囲み,ガラスの渡り廊下で繋がれている。一石の波紋はガラスの空間を抜け,内外へと広がって行く。明治時代の銀行をホワイエとし,林の中に建てられたガラス張りのホール。優しい起り屋根を極限まで細くしたポストで支えた黒船塾,立礼と小間を合わせた新しい構成の茶室,伊豆の山々を借景とする日本庭園など,施主と一体となった試行錯誤を繰り返し,新旧の技術とデザインを追求することで,施主・設計・施工のコンセプトを重ね合わせることができた。

(本田 篤・良永敦子)

写真:創業の精神を伝える「下田黒船塾」と前庭

創業の精神を伝える「下田黒船塾」と前庭

写真:緑に囲まれた「駿河小山講堂」

緑に囲まれた「駿河小山講堂」

写真:長く続くケヤキ並木と上り庭,杉板と漆喰,宙に浮いた瓦屋根

長く続くケヤキ並木と上り庭,杉板と漆喰,宙に浮いた瓦屋根

写真:「駿東実業銀行館」より中庭をのぞむ

「駿東実業銀行館」より中庭をのぞむ

スルガ キャンパス カレッジ
(静岡県長泉町)

スルガ銀行115周年事業として開設した研究・資料施設。
発注者:スルガ銀行/設計:当社横浜支店建築設計部/規模:既存施設の新築・改修 総延べ2,558m2

平面図

写真:本田 篤(ほんだ・あつし)

本田 篤(ほんだ・あつし)

横浜支店建築設計部
次長
主な作品:
知中海セミナーハウス
TBS下田クラブ
クレマチスの丘

写真:良永敦子(よしなが・あつこ) の写真

良永敦子(よしなが・あつこ)

横浜支店建築設計部
設計主査
主な作品:
クレマチスの丘
横濱ディアタワー

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