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concept 三島信用金庫本店 新旧の融合

写真:エントランスホール。奥は1・2階の営業室

エントランスホール。奥は1・2階の営業室

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三島信用金庫の100周年事業として,全面的に建て替えられた新本店営業部は,「さんしんギャラリー善」を新設して,今年1月にオープンした。

顧客との打合せを重ね,設定したコンセプトは「新旧の融合」。旧本店のクラシカルな要素を復元し,これに融合させるかたちで,モダンな要素を用いて,両者が互いを引き立てる関係となることを意図した。建物をつくりこむにあたり,以下の3点にコンセプトを反映した。

1点目は建物外観。旧本店は,1936年に竣工して以来,地域の方々に親しまれてきた。そこで,1~3階と塔屋は,旧本店の面影を色濃く残すこととした。4階ギャラリーと敷地北側に配置した階段室は,ミニマルなガラスの直方体として,石造りの復元部分に並置する構成とした。

2点目はインテリア。2層吹抜けのエントランスホールは,格間天井,木の腰壁などを基調として,当時の重厚な空間を復元した。4階の「さんしんギャラリー善」では,絵画,彫刻,工芸,版画などの個展が行われる。そこで,室内は多様な展示物の背景となるよう,シンプルな白い空間とした。

写真:南東側外観。旧本店の面影を色濃く残した新本店の上にガラスの直方体をしたギャラリーを新設

南東側外観。旧本店の面影を色濃く残した新本店の上にガラスの直方体をしたギャラリーを新設

3点目は街並みへの演出。新・旧部分を照らして始まるライトアップは,時間の経過と共に3段階に変化する。最終段階は,復元した3層部分のみを照らしあげる。本建物が三島のランドマークとして,街に時を告げる役割を果すことを期待した。

今回実現させた新旧の融合が,三島信用金庫の発展と共に,末長く生き続けてくれることを願っている。

(沢田 宏・廣松 太)

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写真:東側夜景

東側夜景

写真:4階。さんしんギャラリー善

4階。さんしんギャラリー善

三島信用金庫本店(静岡県三島市)

新本店として2011年1月12日オープン。創立100周年事業として,アートギャラリーが開設された。

発注者:三島信用金庫
設計:当社横浜支店建築設計部
規模:B1,4F,PH1F
延べ1,873m2
(横浜支店JV施工)

新本店コンセプト図

新本店コンセプト図

旧本店(1936年〜2009年)

旧本店(1936年〜2009年)

写真:沢田 宏(さわだ・ひろし)

沢田 宏(さわだ・ひろし)

横浜支店建築設計部
副部長(設備設計)
主な作品:

  • ららぽーと横浜SC
  • 明電舎沼津新本館
  • 小野測器本社

写真:廣松 太(ひろまつ・ふとし)

廣松 太(ひろまつ・ふとし)

横浜支店建築設計部
設計長(建築設計)
主な作品:

  • 虎屋総合研究所
  • リエトコート武蔵小杉

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