KAJIMAエコプラザ


KAJIMA ECO PLAZA

土地取引に必要な土壌汚染調査
今国会で審議中の「土壌汚染対策法案」。
今後,この法案が成立すれば,土地取引の際に土壌汚染調査が必要となるケースが増えるであろうと,各方面から注目されています。
今月のエコプラザでは土壌汚染調査について紹介いたします。

 従来の土壌汚染調査といえば,事故などで地下水が汚染されてしまった時や,ISO14001の取組みとして企業が自主的に調査することがほとんどでした。しかしながら,最近では東京都などの取組みに見られるように,条例によって調査が必要となるケースが規定されるようになってきています。たとえば,鉛やトリクロロエチレンなど,環境に対して有害な物質を使っていた工場を廃止する,あるいは3,000m2以上の土地で開発行為を行うような場合には,土壌汚染調査が義務付けられています。
 一般にこの調査は次の3つのステップを追って行われます。まず,第一段階であるフェーズ1調査は対象となる土地を過去数十年にも遡り古地図や地歴を調査し,現地へ足を運び,関係者にヒアリングするなどして得られた情報をもとに,土壌汚染の可能性を評価します。次段階のフェーズ2調査は,土壌を地表面からサンプリングして分析を行います。その際,分析結果を基準値(たとえば,土壌環境基準)と比較,汚染の可能性がある場合には更に次のステップへ進むことになります。フェーズ3調査は,ボーリング装置などを利用して深さ方向でも土壌サンプルを採取・分析し,汚染の範囲を絞り込みます。最適な浄化対策計画は,これらのステップを通して立案されます。
 今日では,フェーズ1調査が土地の売買や証券化,あるいは資産管理のために実施されることが多くなっています。また,この調査を実施するための国際標準規格とも言えるISO14015が昨年成立しており,今後ますますこの調査の重要性が高まってくると考えられます。当社では,関連会社の(株)イー・アール・エスにおいて,フェーズ1調査に必要な地歴情報をすでに東京都内においてデータベース化するなど(下図参照),短期間に低コストで環境リスクを簡易に診断するサービスを展開し,土壌汚染対策についてソフトからハードまで幅広い技術を提供しています。
土壌汚染調査3つのステップ
土壌汚染調査3つのステップ

工場管理者ヒアリング及び現地調査
工場管理者ヒアリング及び現地調査
1935年頃 1994年頃
(クリックすると拡大されます)
土地利用履歴情報システム
[資料提供:(株)イー・アール・エス]
左(1935年頃)右(1994年頃)で土地利用が変化している様子が検索できる