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concept 東京リサーチパーク新研究棟 棚田状の中庭が育む研究者のコミュニケーション

写真:4.5mの高低差を棚田状にデザインした中庭は,コミュニケーションを育む格好の舞台となる

4.5mの高低差を棚田状にデザインした中庭は,コミュニケーションを育む格好の舞台となる photo: URBAN ARTS/解良信介

2008年10月に協和発酵工業とキリンファーマが合併。既存研究所敷地内で研究活動を継続しながら段階的に建物を解体し,新生“協和発酵キリン”の新たなシンボルとして,最先端の医薬品創薬研究の拠点を整備するプロジェクトである。

周辺は住宅地のため,研究機能の実現に加え,地域環境への配慮と,研究員の発想を刺激する快適性の創出という2つのテーマの融合を試みた。

既存建物をかわして敷地のほぼ中央に建物を配置,外周部に既存樹の森をはじめとする豊かな緑地を配した。敷地内の高低差を利用し地下階を設け,建物ボリュームを極力抑えている。特に住宅地に近い北側は2階建てとした。

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研究機能とサポート機能を分棟構成とし,明快なゾーニングを行い,両者をガラスのエントランスで繋いで,建物の中心に棚田状の中庭を創り出した。近隣に配慮し,建物外周は開口の少ないソリッドな外観とする一方で,中庭に面して回廊を巡らし,連続する大きな開口を設けている。

研究棟は,広く整形なフロアに階段・エレベータを配した4つの吹抜けを設けた。積層する実験室を効率良く利用できるよう,動線の最短化を図ると共に,周囲に打合せコーナーやパントリー,掲示板,備品庫などの共用スペースを集約し,行き交う研究員に偶発的なコミュニケーションを促す場としている。

突き抜けるような青空の下,中庭で最初の催しが行われた。積極的に利用されており,創薬を目指す研究者達が真剣に意見交換する姿が見られた。

(城内 淳・佐々木 歩)

写真:階段とエレベータを配した研究棟の吹抜け

階段とエレベータを配した研究棟の吹抜け

写真:エントランスのガラス庇と緑のオープンスペース

エントランスのガラス庇と緑の
オープンスペース

写真:リサーチパークの名に相応しく緑の中に佇む新研究棟

リサーチパークの名に相応しく緑の中に佇む新研究棟

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東京リサーチパーク新研究棟(東京都町田市)

次世代の創薬技術の研究に取り組む協和発酵キリンの中核研究施設として, 2010年8月オープンした。

発注者:協和発酵キリン
設計:当社建築設計本部
規模:RC造一部S造 B1,3F,PH1F 延べ18,854m2
(横浜支店施工)

図:東京リサーチパーク新研究棟(東京都町田市)

写真:城内 淳(きうち・じゅん)

城内 淳(きうち・じゅん)

建築設計本部 チーフ
主な作品:

  • 中外製薬工業
    藤枝固形剤棟
  • 化血研 QL棟
  • 大分キヤノン大分事業所

写真:佐々木 歩(ささき・あゆむ)

佐々木 歩(ささき・あゆむ)

建築設計本部 チーフ
主な作品:

  • 中外製薬工業
    藤枝固形剤棟
  • 中外製薬
    第二製剤治験薬棟
  • 化血研 QL棟
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