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KAJIMAダイジェスト

Category1:大学病院 絶え間なく進化する医療現場

高度先端医療への対応,先進的医学教育・研究の推進――
大学病院に課せられている使命は大きい。
当社は,設計・施工・運営マネジメントと多方面から,成長を続ける大学病院をサポートしている。

埼玉医科大学国際医療センター

写真:日高キャンパス全景。手前に建つ国際医療センターは,基軸となるメディカルモールに各センターがプラグインする

日高キャンパス全景。手前に建つ国際医療センターは,基軸となるメディカルモールに各センターがプラグインする

埼玉医科大学国際医療センター

場所:
埼玉県日高市
発注者:
学校法人埼玉医科大学
設計
伊藤喜三郎建築研究所・鹿島建設・竹中工務店・高砂熱学工業・東光電気工事設計共同体
規模:
RC造一部SRC造 6F
延べ66,644m2

2007年1月竣工(関東支店JV施工)

サステナブルな病院を創るマスタープランの提案

2007年,埼玉医科大学日高キャンパス(埼玉県日高市)内にオープンした国際医療センターは,「包括的がん」「心臓病」「救命救急」の3つの機能に特化した,新しいタイプの急性期病院である。「COE(Center Of Excellence):卓越した専門医療の拠点」をコンセプトに,当社建築設計本部を含む5社設計共同企業体でマスタープランを創り上げた。

日高キャンパスには,既存の教育・研究施設などが点在するため,医療センターの整備とともに,キャンパス全体の成長と変化に対応できるグランドデザインが要求された。

東西に伸びる敷地全体を貫く基軸ゾーンを設定し,医療センターゾーンと大学ゾーンに東西を二分化。中央に厚生棟を設置することで,全体のコミュニティ形成に配慮した。

医療センターは,がん・心臓・救命救急ごとに,外来・病棟機能を有する完結型の独立した建物を形成し,基軸ゾーンにプラグインする形態をとった。新センター増設などの施設拡張も,新たにプラグインしていくことで対応が可能になる。基軸ゾーンには手術部門や高機能な診断治療室など,各センター横断で使用できる機能を集約することで,最先端医療機器の増強と各センターの融合性を高めた。

図:国際医療センター平面図

国際医療センター平面図

図:日高キャンパス配置図

日高キャンパス配置図

改ページ

帝京大学医学部附属病院

写真:帝京大学医学部附属病院

帝京大学医学部附属病院

場所:
東京都板橋区
発注者:
学校法人帝京大学
設計・監理:
石本・山下共同企業体
規模:
RC造(免震構造)
B2,19F,PH1F
延べ111,948m2

2008年11月竣工(東京建築支店施工)

施工の合理化と病院用CAFM

2009年5月,帝京大学板橋キャンパス(東京都板橋区)敷地内に開院した。RC造,地上19階,地下2階,延床面積約11万2,000m2,病床数1,154床を有する日本最大級の大学病院である。救命救急センター,ER,総合周産期母子医療センターなどを擁し,救急・急性期病院として地域医療に貢献している。免震構造を採用,屋上にヘリポートを設置するなど,災害拠点病院としての機能も果すほか, 同大学医学部・薬学部・医療技術学部学生の実習現場にもなっており,医師育成の役割も担う。

当社は,施工において徹底したPC(プレキャスト・コンクリート)化を提案し,約3ヵ月の工期短縮を実現。病院の開業準備期間の拡大に貢献した。

また,病院内で使用する医療機器・什器・備品などを当社が総合図へ落とし込む作業の際,当社独自の「病院用CAFM(キ ャフム)」を導入。施設整備との整合確認を含め有効に活用し,迅速かつ質の高い総合図を病院側に渡すことができた。このCAFMは計画段階から導入することで,調達時の医療機器選定,配置シミュレーション,移転計画の立案などが行えるため,無駄のない投資と効率的な計画実施の可能性を秘めている。また,機器の仕様確認,定期点検,修繕,棚卸しなどのデータを所在位置と連動させ,運営の管理・サポートすることも可能となる。

図:当社開発「病院用CAFM」イメージ。病院内で使用する医療機器・什器・備品の情報をデータベース化し,図面と連動させ一元管理する

当社開発「病院用CAFM」イメージ。病院内で使用する医療機器・什器・備品の情報をデータベース化し,図面と連動させ一元管理する

写真:PC化は,柱・梁・床などのコンクリート部材を工場生産し,現場で地組みして施工する。工期短縮に加え,品質が安定し,作業の安全性も向上する

PC化は,柱・梁・床などのコンクリート部材を工場生産し,現場で地組みして施工する。工期短縮に加え,品質が安定し,作業の安全性も向上する

PERSON 筑波大学附属病院再開発 PFI だからできるプロジェクトマネジメント

現在再開発が進行中の筑波大学附属病院は,わが国初の国立大学附属病院PFIです。民間企業の資金や経営・技術的能力を投入して,施設の整備から維持管理,病院運営支援などを行います。鹿島は,施設整備業務(設計・施工)と事業全体を調整する統括マネジメント業務を担当しています。

営業本部から,事業主体のSPC(特別目的会社)「つくばネクストパートナーズ」へ出向し,経営企画部長補佐として事業全体のスケジュール管理,大学側との懸案事項の調整・管理などを行っています。医師・看護師・患者などエンドユーザーが多い病院PFIは非常に難しい事業ですが,それだけにマネジメント業務には,やり甲斐を感じています。

特に,提案書作成時から事業に関わってきた人間として,提案内容が確実に遂行されているか,提案が本当に附属病院のためになっているのかどうかを管理・検証することが,私の最大任務だと思っています。

今,新棟は基礎工事を行っていますが,事業全体としても,運営業務が本格的に始まる平成25年1月までの間は,約20年に及ぶ事業期間の重要な土台作りのフェーズです。ここでしっかりと事業の基礎を構築し,円滑な業務運営に繋げていきたいと思います。

写真:つくばネクストパートナーズ経営企画部長補佐(出向)杉本竜之進

つくばネクストパートナーズ
経営企画部長補佐(出向)
杉本竜之進

図:筑波大学附属病院再開発に係る施設整備等事業

筑波大学附属病院再開発に係る施設整備等事業

場所:
茨城県つくば市
発注者:
国立大学法人筑波大学
事業主体:
株式会社つくばネクストパートナーズ
事業内容:
病院の新棟(規模:RC造 B1,12F,PH1F
延べ45,986m2)設計・建設,既存棟改修,
維持管理, 病院運営支援業務等
事業方式:
BTO方式,一部RO方式
事業期間:
2009年2月~2032年3月末
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