特集:KAJIMAメイドのマンション

chapter2
ITパワー&顧客志向
6,480通りのセレクトプランを提供する「オーナーメイド」マンション

パークスクエア[ネオス]横浜
所在地:横浜市鶴見区尻手3-3
事業主:住友不動産,鹿島
設計・施工:鹿島
規模:RC造,地上14階,374戸
延床面積:38,497m2
竣工予定:2002年6月
商品企画力の証明

天井高3.5メートルという 常識破りの発想力
 東京駅から19分,JR南武線・尻手駅より徒歩6分のところに,現在施工中の「パークスクエア[ネオス]横浜」がある。
 交通の便に恵まれているとは言うものの,工業地域という立地は必ずしも100点満点とは言えない。にも関わらず,このマンションはユーザーの大きな共感を得て,総住戸数374戸のうち第二期までの179戸は即日完売という人気を呼んでいる。立地条件をカバーするだけの商品企画力があるということだ。
 現地のモデルルームを訪れて,まず驚くのがその天井の高さである。天井高は約3.5m。通常のマンションの場合,天井高は高くても2.5m程度だから,空間のヴォリュームは約1.5倍ある。単に効率性や利便性のみを追求せずに住まいの快適性を最重要視する商品企画である。この高天井タイプは,1,2階の住戸用に企画されたもので,窓からの視界に周辺の既存建物が入ってしまうことをカバーすることが主な目的だったが,見事にユーザーの心をとらえ,高層階よりもむしろ1,2階の方に人気が集まるという,マンション販売では珍しい逆転現象を引き起こしたのである。

天井高3.5mのモデルルームのリビングから
天井高3.5mのモデルルームのリビングからDEN(書斎)をみる。欄間の高さ,DEN上部のロフトなどは,「3.5mならでは」となっている

ゆとりあるライフスタイルを 実現する共用施設とサービス
ライブラリーラウンジ ホテルライクな共用施設のひとつライブラリーラウンジ。本のコーディネートは,当社のグループ会社・八重洲ブックセンターと提携して行う

 エントランスホール正面には2層吹抜けのガラス張りの壁面,その向こうには緑あふれる庭園が伸びやかに広がる。ホテルのロビーを思わせるこのエントランスホールの周辺には,多様な共用施設が用意されている。そのどれもが,これから住まおうとする人々に,ゆとりあるライフスタイルを提案するものである。
 例えば,様々な分野の専門書を収蔵する「ライブラリーラウンジ」でゆったりと蔵書に目を通したり,コーヒーブレイクが楽しめる「カフェラウンジ」で広々とした庭を眺めながら午後のひと時を過ごすのもいい。日用品や調味料などを購入できるミニコンビニ「フレンドリーショップ」があるから,ちょっとした買い忘れはマンションから出ることなく用が足りる。さらに「キッズスタジオ」と呼ばれる保育施設では,保育備品や保育遊具を完備し保母も常駐する――こうした共用施設やサービスの充実は,大規模集合住宅だからこそ,そこに住む人々の快適性や利便性を第一義に考えるからこそ生まれた企画である。


オーダーメイドの満足感を大型マンションで実現する
 こうした類を見ないユニークな企画が,ユーザーから大きな支持を得ているわけだが,このマンションで顧客満足度を大きくアップさせているのが,間取りをはじめとした選択肢の多さである。
 通常の大規模集合住宅では,各戸の間取りは水回りを中心としてほとんど固定されており,間取り変更の選択肢があっても2,3種類程度というのが実情であった。間取りの選択肢が増加すると,ユーザーの間取り決定までに時間がかかり,販売効率が低下するために選択肢を限定せざるを得なかったのだ。そうした固定観念を覆したのが,当社の建築設計エンジニアリング本部が開発した間取り選択システム「フィットプランセレクトシステム(略称:FIT)」である。
 FITでは,コンピュータによってすべての間取りやカラーセレクトをデータ管理することによって,豊富なデザインバリエーションの中からユーザーのライフスタイルや価値観に合致した間取りを,ユーザー自らがゲーム感覚で楽しみながら迅速に選択することを可能にした。間取りの選択肢は1タイプで10種類以上。カラーセレクトなども含めると,選択肢の数は6,480通りにものぼる。現在特許出願中のこのシステムは,マンション購入者であるエンドユーザーだけでなく,他のデベロッパーなどからも注目を集めている。
 そして,FITによってキャッチしたユーザーの多様なニーズへの対応を可能にしているのが,当社の技術力であることは言うまでもない。間取りの自由度の高さも,当社の誇る最新の壁式免震構造により太い柱や梁が不要になったことで実現できたのである。企画力,設計力,IT力も含めた当社の総合的な技術力が,顧客満足というベクトルに向かって結集した成果と言えるだろう。

オーダーメイドで自分の家をつくり上げていく感覚
パソコンの前に座って,キッチンのタイプやリビングの広さなど,好みに合わせて次々と選択していくだけ。間取りを選択するというよりも,オーダーメイドで自分の家をつくり上げていく感覚

これが噂の「フィットプランセレクトシステム (FIT)」大公開!
SELECT 1
フレームプランを選択する
価格,専有面積,採光条件,階数などの条件を決める
フレームプランを選択する
 
SELECT 2
基本の間取りを選択する
1LDKから4LDKまで部屋数の選択は思いのまま
基本の間取りを選択する
 
SELECT 3
ベーススタイルを選択する
クローズドキッチン,対面カウンター 型キッチン,ビューキッチンの3つのキッチンスタイルから好みに応じて選択できる
ベーススタイルを選択する
 
SELECT 4
詳細なニーズを選択する
「ホームパーティーが開ける広いリビングが欲しい」「書斎コーナーももてるゆとりある主寝室が欲しい」「独立性が高い和室が必要」「納戸やシューズインクロークなどの収納が欲しい」……といった,希望に添って間取りを絞り込んでいく
詳細なニーズを選択する
 
SELECT 5
カラーを選択する
フローリング,畳,ドア,キッチンなどのカラーをセレクトする

SELECT 6
決定!
さらにこだわりのオプション仕様を決めて,ユーザーのニーズにぴったりあったオーダーメイド感覚の住戸が選択される
決定!


岩屋ウインドファーム全景
環境共生&健康志向
緑豊かな自然の中で とことん「健康」を追求した街

パークアリーナ
所在地:神奈川県藤沢市川名字森久181-18
事業主:伊藤忠商事,鹿島
設計:鹿島/施工:鹿島JV
規模: SRC造,地下1階地上14階(2棟)/RC造, 地上4階(6棟),734戸
延床面積:89,876m2
竣工予定:2004年3月

パークアリーナ
藤沢駅から徒歩12分の敷地は,三方を緑に囲まれ,
湘南海岸まで約3kmという自然豊かなロケーション

自然+温泉+健康が企画の3本柱
 湘南地区を代表する広さ16.2haの「新林公園」は,公園と呼ぶにはあまりに広大である。その森の懐に抱かれるような環境の中に,「パークアリーナ」はある。
 まるで「森の中に住まう」ような環境を最大限に活かすべく定めたコンセプトは,「健康志向」。企画の柱は自然,天然温泉,健康サポートの3つにおかれた。2階建ての温泉棟スパアリーナには,敷地内に湧き出る天然温泉を中心にして,温水プール,ジャグジーを設置。天井がガラス張りの15mの温水プールで自然光を浴びながら泳ぎ,ジャグジーや浴場でのんびりと心と体を癒す――ここでは,そうした生活を,緑豊かな広大な自然の中で送ることができるのだ。

健康な人が健康で住まい続けるために
 自然環境の素晴らしさは前述の通りで,南に広がる新林公園に加え,東には保存緑地,西には湘南の海と富士山を望むというロケーションである。周辺の環境に溶け込むように,敷地内にも豊富に緑が配されている。
 健康(メディカルサポート)については,藤沢駅前にも総合病院を有する医療法人・康心会と提携し,スパアリーナに常駐する看護婦などによる医療相談のほか,年1回の健康診断も受けられる。小さな子どもを抱える主婦や高齢者には心強いサービスである。
 シックハウス症候群対策として,壁面のクロス接着剤をノンホルムアルデヒド仕様にしたり,フローリング材や水回りカウンターを抗菌仕様にするなど衛生面への配慮も怠りない。メーターモジュールの広い廊下や段差の少ないバリアフリーを標準仕様として,目の肥えたユーザーにさりげなくアピールする。
 自然との共生,湘南永住を目指すこのマンションは,健康を志向するユーザーの心をとらえ,第一期は好評のうちに販売を終了した。都心部の超高層マンションに人気が集中する中で,健康への配慮と公園や温泉といった周囲の自然環境を見事に「商品企画」へと取り込んだのである。

スパアリーナの施設
スパアリーナの施設
(上からプール,ジャグジー, そして温泉の浴室)。
利用料は大人200円,子ども100円。 時間内であれば自由に利用できる
メディカルサポートサービス
メディカルサポートサービス
医療法人・康心会との提携により, パークアリーナという「街」に住む人々の健康を見守っていく

岩屋ウインドファーム全景

自然環境&住環境成熟志向
「自然」と「住まい」の環境を育みながら成長し続ける街

ガーデンプラザ新検見川
インディヴィア

所在地:千葉市花見川区瑞穂2-1-1
事業主・設計・施工:鹿島
規模:RC造,地上10階(2棟), 145戸
延床面積:17,432m2(インディヴィア街区の2棟のみ)
竣工予定:2002年3月
ガーデンプラザ新検見川インディヴィア 自然が育まれる広大な敷地内のビオトープ。緑があふれるだけでなく,共用施設も充実しており,テニスコート・ゴルフレンジといったスポーツ施設から,パーティールーム,キッズコーナー,そしてラウンジ,図書室,和室などを備える「プラザハウス」,木工・陶芸・彫金などが楽しめる「ハンズコテージ」等々,多彩な施設群が生活を彩る
2住戸1基エレベーター・両面バルコニー概念図

住まいの豊かさを求めて
 38万m2の面開発,計画総戸数1,031戸の大型マンション「ガーデンプラザ新検見川」。周辺の戸建て住宅地も含めた宅地開発として,区画整理から企画・設計・施工だけでなく,第一期では販売も含めて,当社が千葉市の所有地で一貫して手掛けた「純正鹿島マンション」ともいうべきプロジェクトである。
 第一期販売が始まった1995年は,バブル経済崩壊直後でマンション需要が冷え込んでいたころである。市場では,一戸当たりの専有面積を狭くして値段を下げるマンションが目立っていた。
 ところが当社が設定した第一期の平均専有面積は,当時としては珍しい80m2以上。「価格や市況よりも,家族が住みやすい当社ならではのマンションを売り出そう」という担当者たちの意気込みに満ちた企画であった。これがユーザーのニーズを捉えたのか,現在までに約700戸が引き渡しを終了し,販売分はほぼ完売という好調ぶりである。

街とともに成長する商品企画
 ガーデンプラザ新検見川の基本理念は,「環境との共生と住環境の充実」。緑と川と川沿いの桜並木といった周辺環境に溶け込むように,広大な敷地内には,自然をありのままに再現したビオトープ,雨水を再利用した小川,地域に生息している樹木の植栽,駐車場にも緑化ブロックを用いるなど細かな心配りがなされた。
 住環境については右上の図のように,2住戸に1基のエレベータを配置することで,プライバシーを重視した戸建て感覚のマンションとなり,両面バルコニーをもつ贅沢なシステムが実現した。6年経った今でもまったく色褪せることのない画期的な企画である。
 そして現在販売中の「インディヴィア」は,基本理念を踏まえながら,住む人の側に立った発想で,間取りから仕様までグレードアップを続けている。平均専有面積は90m2以上に広がり,1住戸2面以上あるバルコニーを最大限に活かしてバリエーション豊かなテラスプランを提供している。アウターリビングとして利用できる広々とした「リビングテラス」,玄関の正面採光を可能にした「ウェルカムテラス」,キッチン・パストレイの先に設けられたテーブルも出せるワイドな「ブランチテラス」など,自然に向かって解き放たれた光あふれる住居の数々は,自然環境・住環境の素晴らしさを実感させてくれる。
 土台となる基本理念を踏襲しつつ,豊富な蓄積を活かして,時代のニーズをつねに先取りしながら成長を続けているのである。


豊富なテラスバリエーション
インドアとアウトドアが一体になった,豊富なテラスバリエーション。一戸建ての開放感が味わえる

豊富なテラスバリエーション
スイッチシステム
リビングと和室の配置を選択できる「スイッチシステム」は,リビングと和室の位置(「中和室型」/「前和室」)がユーザーの最も関心を寄せる間取りのポイントであるという,経験的なデータをヒントに生まれた商品企画


Chapter1 マンションにおけるKAJIMAブランドのパワー
|Chapter2 商品企画力の証明 〜3つのMade in KAJIMA〜
Chapter3 つくり手の想い、ユーザーの声