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Spiral UP-4 リニューアルで既存ビルをZEBへ―― 鹿島KIビルの“ショーケース”

当社は,既存ビルのZEBにも着目し,取組みをスタートさせた。この夏,東京・赤坂の「鹿島KIビル」6階・1/2フロア(500m2)を,省エネ仕様に改修。天井材撤去等の準備工事を直前の週末に行い,その後,当社の夏季休暇(9日間)を利用し,“居ながらリニューアル”工事を実施した。休暇明けの8月22日から,新しいオフィス環境で通常業務がスタートしている。

図:エネルギー消費量50%削減とエネルギー削減内訳

当社は,ここを既存オフィスビルにおける省エネ・CO2削減改修工事の標準モデルと位置づけ,一般オフィスと比較してエネルギー消費量50%削減を目標とした実証実験を行っていく。各種装置のメーカー企業や大学(運用検証:千葉大学大学院工学研究科・川瀬貴晴教授)も参加し,積極的な研究開発を繰り広げ,技術のスパイラルアップを目指す。

※このプロジェクトは,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「省エネルギー革新技術開発事業(電力需給緊急対策)」の実証研究として採択され,実施している。

写真:改修後の6階(土木設計本部)

改修後の6階(土木設計本部)

写真:鹿島KIビル

鹿島KIビル/場所:東京都港区/設計:当社建築設計本部,MIDI綜合設計研究所/規模SRC造 B1,9F 延べ29,469m2/1989年竣工

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導入されている要素技術

図:システム全体概要

対流促進型放射空調システム (協力:ダイキン工業)

汎用のビル用マルチエアコンの吹出し口を熱伝達率の高いアルミ製の多孔板で形成(写真)。放射効果と対流効果も併せ持つ空気放射型空調システム。加えて,新開発のヒートポンプデシカントパッケージの採用により,湿度を専用で処理することで省エネを図る。

図:対流促進型放射空調システム

写真:汎用のビル用マルチエアコンの吹出し口を熱伝達率の高いアルミ製の多孔板で形成

人密度検知人感センサによる空調・照明制御システム (共同研究:オムロン)

従来より,きめ細やかな検知範囲と精度により在室人員の密度まで検知できる人感センサを開発。在/不在だけでなく混雑度に応じた調光,消灯,空調制御を行う。

写真:人密度検知人感センサによる空調・照明制御システム

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再生可能エネルギーのスマート電力充放電制御システム (共同研究:日立製作所)

電力需給の安定化のために太陽光発電装置とリチウムイオンバッテリーを導入し,電力の充放電を最適にコントロールする。不安定な自然エネルギーを活用するための技術であり,緊急的な節電に備えるにも有効。

写真:再生可能エネルギーのスマート電力充放電制御システム

アンビエントLED照明システム (協力:パナソニック電工)

人の視野の明るさ感に配慮した『アンビエントLEDグリッド照明』を開発。照明器具に設置された反射板により天井面を照らすことで,空間の明るさ感を確保している。タスク照明との併用により,机上の作業面での照度はしっかりと確保できる。

図:アンビエントLED照明システム

写真:アンビエントLED照明システム

スマートフォンを利用した省エネワークスタイルの検証と最適化

ZEB化改修対象エリアでは,環境測定やスマート端末を用いた行動モニタリング,アンケート手法を利用し,導入技術がワークスタイルや知的生産性に与える影響について検証している。

写真:スマートフォンを利用した省エネワークスタイルの検証と最適化

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エネルギーのリアルタイム見える化システム

省エネシステムと人とをつなぐインターフェースとして,照明や空調,コンセント等のエネルギー消費量の情報を在室者に提供する。省エネ行動を誘発し,さらにどれだけ省エネに結びつくかを検証する。

写真:エネルギーのリアルタイム見える化システム

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