[2004/2/20]


低コスト・短工期!! 
低層建物用「NEOカラム構法」を開発

★鉄骨造よりも安く、鉄筋コンクリート造よりも早い!
★決め手は既製杭の工場でプレキャスト柱を製作

背景NEOカラム構法の概要についてNEOカラム構法の狙いと特徴
NEOカラム構法の製作、施工手順他構法との比較今後の展望


 鹿島(社長;梅田貞夫)は、このほど、鉄骨造に代わる高品質、低コスト、短工期の低層建築物(店舗、工場、倉庫、駐車場等)用の構法として、「NEOカラム構法」を開発しました。柱部材を既製杭の製造ラインを利用して中空薄肉プレストレストプレキャスト柱を製作し、現場で鉄骨梁と接合することで、鉄骨造よりも安く、鉄筋コンクリートよりも早い、競争力のある架構技術を開発したものです。
 「NEOカラム構法」は、2003年9月に(財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明書を取得、当社はこの構法を低層建物用の有力な架構技術として積極的に採用していく方針です。

本構法を用いた現場の様子と仕上状況

本構法を用いた現場の様子(左)と仕上状況(右)

背景


 従来、低層の生産施設や商業施設は、鉄骨造で造られることがほとんどですが、鉄骨造は短工期でもコストが高い、鉄筋コンクリート造はコストは安いけれども工期がかかるなど、それぞれ課題がありました。また、これまでも柱をプレキャストRC柱に、梁に鉄骨を用いる複合構法はいくつかありましたが、プレキャスト柱を製作するのにコストがかかる等の欠点がありました。そこで、鉄筋コンクリート造並みの低コスト、かつ鉄骨造並みの短工期で、しかも柱継手なしの高品質な低層建築物を実現する構法として開発したのが、この「NEOカラム構法」です。

NEOカラム構法の概要について


 この度実用化したNEOカラム構法はプレストレストプレキャストRC柱を既製杭を製作する工場で製作する点が最大の特長で、1本の柱で15m(地上4階建て程度)までの低層建物に適用するのは日本で初めてのことです。また、NEOカラム構法の柱部材(NEOカラム)は、遠心成形という手法を用いて製作されており、「薄肉」で「中空」なのが特徴で、柱の重量を従来のプレキャスト柱の60%程度に低減でき、建物に対する地震力を減少することができます。
 さらに、本構法は鉄骨造と同等の短工期、現場打ちRC造と同等の低コストを実現し、鉄骨造と比較すると、約10%のコストダウンを実現するなどの特長があります(構法の特長の詳細については次項を参照してください)。
 なお、本構法は2003年4月に完成した地上4階建ての鹿島福島営業所(事務所棟、寮棟)に本格採用し、その後2件の生産施設、商業施設に適用されました。

NEOカラム

NEOカラム概要


NEOカラム構法の狙いと特徴

1. 低コスト

  • 既製杭(遠心成形PHC杭)の製造ラインをそのまま利用し、柱部材を製造することにより、効率化と低コスト化を図ることができます。
  • 中空断面のため、柱の重量を通常のプレキャスト柱の約60%に軽減出来るので、建方重機や基礎等の軽減が図れます。
  • 鉄骨と違い耐火被覆が不要となるためコストダウンと工期短縮が図れます。

2. 短工期

  • NEOカラムは杭の製造ラインを利用した工場生産であり、すべて標準化された部材のため設計仕様の決定と同時に製造でき、蒸気養生を行い出荷まで2-3日という短期間で出荷が可能です。
  • NEOカラムは継手無しの単材なので、極めて短期間で建て方が完了します。

3. 高品質

  • NEOカラムは高強度コンクリートを用い、かつPC鋼棒及び異形鉄筋を用いたプレストレスト構造であるため、クラックが発生しにくく、高耐久・高強度な柱となります。
  • 鋼製型枠を用いて遠心成形にて製造するため部材の表面も平滑で、補修や下地処理工程なしに直接素地に塗装仕上げが可能となります。

4. 建物の軽量化による地震力の低減

  • 中空断面であるため、一般のプレキャスト柱に比べ約40%も重量が軽く、建物に対する地震力も低減できます。

5. 適用範囲・施工の合理化

  • NEOカラムは継手無しの1本ものとし、運搬可能な15m以下としているので、広大な平面の建物(店舗、倉庫、駐車場、事務所等)に採用できます。
  • NEOカラムは円形断面と角形断面の2タイプ、柱脚は露出タイプ、埋込みタイプがあり固定度に応じて、固定、半固定、ピンと使い分けが可能です。

NEOカラム構法の製作、施工手順



 NEOカラム構法の製作及び施工手順は、以下の写真に示すように

(1)既製杭の鋼製型枠に鉄筋と接合部鋼管をセット後、
(2)既製杭の製造方法と同様に遠心成形を行い、蒸気養生後、脱型します。
(3)の写真は現場に搬入した状況です。この現場では鉄骨梁との接合は、現場で溶接しましたが、現場搬入時に鉄骨梁との接合部(ブラケット)を工場で付けて置き、現場ではボルト接合だけにする場合もあります。
(4)は柱脚部の写真で、この現場では柱脚を露出型にしていますが、埋め込み型もあります。
(5)の写真は鉄骨梁との接合部、(6)は建て方状況、(7)は仕上げ後の状況です。

NEOカラムの鋼製型枠 (1)NEOカラムの鋼製型枠 遠心成形の状況 (2)遠心成形の状況
現場搬入状況 (3)現場搬入状況 柱脚部(露出型の場合) (4)柱脚部(露出型の場合)
鉄骨梁の接合部 (5)鉄骨梁の接合部 建て方状況 (6)建て方状況
竣工時(丸柱と角柱)
(7)竣工時(丸柱と角柱)


他構法との比較



 NEOカラム構法は工期とコストを同時に考慮する場合、他構法と較べてバランスが取れていますがNEOカラム構法の適用範囲は低層に限られています。

(適用範囲)

  • 柱長さは運搬可能な15m以下
  • 断面形状
    円形柱の場合:300〜1,000φ 
    角形柱の場合:500×500〜800×800mm

他構法との比較


今後の展望



 今後、当社では、低コストと短工期を同時に求められる店舗や工場、駐車場、倉庫などの低層建物における有力な架構技術としてこのNEOカラム構法を積極的に提案、採用していく方針です。また、このNEOカラム構法は、鹿島の設計・施工の工事および他社設計で施工は鹿島という工事を対象としています。(財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明書を取得したことにより本構法の評価もより確かなものとなり、今後更なる普及・促進を図ることとしています。



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