- マルチエポキシケーブル斜材システムの採用
本橋の斜材には架設時の安全性と施工の合理化に配慮し、「工場製作型」のマルチエポキシケーブル斜材システムを、日本で初めて採用しました。
このマルチエポキシケーブル斜材は、PC鋼材を束ねる工程を工場で行うため、品質が安定するほか、防食性にも優れており、現場でのグラウト作業も不要になることから信頼度の高い製品です。
工場から搬入された斜材をクレーンとウインチを併用して架設を行うため、斜材架設用の大掛かりな総足場が不要となり、高所作業が少なくなるため、鉄道営業線上空においても安全に施工することができました。このシステムを採用することで、現場製作型斜材システムを採用した場合に比べ斜材工の大幅な省力化を可能としました。
斜張橋の施工管理技術を導入し精度よく橋体を構築
橋の建設では通常、施工の進捗に伴い橋の自重で橋がたわむ事を予想し、構造物を予め高めに製作する上越し管理を行います。本橋は中央支間200mという長大エクストラドーズド橋であるため、通常行われている管理の他に、施工中における斜材の日射による温度差や橋体温度等の影響を考慮した上越し(あげこし)管理を行いました。本工事では斜張橋施工時に用いる計測システムを設置し、荷重や温度による橋体挙動を適宜把握するなど、徹底した管理のもと精度の高い橋体を構築しました。