鹿島(社長:中村 満義)は、下水管の劣化状態を予測し、補修時期や補修方法の選定、ライフサイクルコストの算定などを簡単に行なうことができる「下水道ネットワーク維持管理マネジメントシステム」を開発しました。
国内の下水道ネットワークは、高度成長期から急激に整備が進められ、現在の総延長は15,000kmを超えており、大都市では、2010年頃に設計耐用年数(約50年)を超過した下水管は約10,000kmになると言われています。
しかし、これまで下水管の劣化状態を正確に把握することは困難であったため、補修は耐用年数を元に行なっていましたが、下水環境によっては、耐用年数前に補修が必要になることも多くなっています。
本システムは、地理情報システム(GIS)を利用したもので、下水道ネットワークの地図情報(※)と自治体が行なう下水道調査のデータ(流量、硫化物濃度など)から、汚水から発生する硫化水素による下水管の劣化を正確に予測することができます。この予測結果により、設計耐用年数に加えて、劣化状態や年間予算などを考慮にいれた補修工法の選定やライフサイクルコストの算出、集計が可能になります。
今後、当社では、本システムを利用して、全国の自治体などに下水道の維持補修計画などを積極的に提案していく考えです。将来的には、技術提案型入札やインフラ施設のPFIなどにも活用していく方針です。
下水道ネットワークの地図情報(※)
平成13年3月に政府のIT戦略本部にて決定された「e-Japan重点計画」を具体化するため、本年2月に地理情報システム(GIS)関係省庁連絡会議で決定された「GISアクションプログラム2002-2005」によれば、下水道ネットワークについてもGISデータ化が積極的に進められます。