鹿島(社長:中村満義)は、金属のように変形する高靱性繊維補強セメント複合材料Kajima/ECC*(以下,K/ECC)を2000年に開発し、これまで、土木分野において、高耐久補修材料としてトンネルの吹き付けなどに適用してきましたが、このほど、建築構造物における設計法及び施工法を確立し、実構造物の梁部材として2件の超高層RC集合住宅に適用しました。
K/ECCは、モルタルに極細の高強度繊維を分散させた材料で、モルタルの200倍という引張変形性能を有しています。K/ECCを用いた部材は、大きな変形を受けても高いエネルギー吸収能力を発揮できることから、繰り返し大きな地震を受けても損傷せず、まるで制震装置のような働きをすることができます。
近年、研究が進んでいる高靱性繊維補強セメント複合材料ですが、建築構造物の部材として適用するのは、世界で初めてです。
*ECC;Engineered Cementitous Composite