鹿島(社長:中村満義)と不動建設(社長:高橋昭夫)は、建築基礎工事で使用する地盤改良工法として、既存建物の解体で発生するコンクリートガラと流動化処理土を混合した流動化処理工法
(注)「アドヴァンソイル工法」を開発し、都内の建設現場で適用しました。また、本年3月に日本建築センターの建設技術審査証明を取得しています。
本工法は、新築建物の基礎下に骨材を混合した流動化処理土を埋め戻し、基礎地盤を構築する地盤改良工法で、特に建物をスクラップアンドビルドで建設する際、既存の地下外壁、基礎スラブ等の躯体を残す場合に大きなコストメリットが得られる工法です。
今回適用した現場では、基礎下の充填埋め戻しに流動化処理土の採用を検討した際、環境配慮やコスト低減を図るために解体コンクリートガラの再生利用を考えました。流動化処理土にコンクリートガラを骨材として混入する検討を進めた結果、流動化処理土だけの場合と同等以上の性状確認ができました。
本工法を実施適用した現場では、ラップルコンクリートや従来の単体流動化処理土を用いた場合に比べ、コスト及びCO2排出量を大幅に削減できました。実施現場のように既存地下躯体を存置する場合にコスト、環境の両面において有効な工法であります。
今後は、日本建築センターの建設技術審査証明を取得したことを機に解体を伴う現場で積極的に採用していく考えです。また、引き続いて本工法で使用する製造プラントを縮小化する開発を行ない、小規模現場での採用を可能にしたいと考えています。
注)流動化処理工法
建設発生土に水と固化材を混合して流動化処理土を製造し、構造物の支持地盤に打設する
地盤改良工法のこと。