[2007/09/27]

柱・梁が一切ない究極のフラット住戸を実現

地上14階建「加賀レジデンス」で壁式免震構造「HIスマートウォール」実用化

  • 柱・梁・袖壁など一切出っ張りのない究極のフラット住戸の実現
  • 開口部全てが窓! 天井高いっぱいの2.5mフルハイトサッシュ
  • 「壁式免震構造」に超高層で実績のある「コアウォール」を組み合わせ

 鹿島(社長:中村 満義)は、自社開発物件であり、設計・施工を担当している東京都板橋区の分譲マンション「加賀レジデンス」にて、住戸内に柱・梁の全く出ない究極のボックス型住戸を実現しました。これは、壁式免震構造に超高層マンションで数多くの実績のあるコアウォールを組み合わせた「HIスマートウォール*」により実現したものです。
 加賀レジデンスでは、「HIスマートウォール」によりサッシュ周りに柱や梁の一切出ないフル開口を実現しました。バルコニーに面した開口部のほぼ全面が窓となる「フルハイトサッシュ」を全ての住戸で実現しています。壁と床だけで構成された住戸内には柱・梁はもちろん袖壁なども一切なく、間取りや室内の家具レイアウトも柱・梁に制約されることなく、水周りの位置や将来の間取りの変更についても自由度を確保しています。

* HIスマートウォール:High Isolation スマートウォール(特許出願中)

加賀レジデンス完成予想CG
加賀レジデンス完成予想CG

 加賀レジデンスは、東京都板橋区で鹿島が企画・設計・施工を一貫して行う分譲マンションです。地区計画による45mの高さ制限があること、計画地の地盤が良好で免震に適していること等から、14階建て相当の壁式免震構造が検討されました。
 壁式構造とは、壁と床で建物を支える構造ですが、従来の壁式構造では、5階建て程度が限界とされていました。しかし、壁式構造を免震化することにより、地震力を低減することができるため、壁式構造を高層化(10数階程度)することが可能となります。しかし、従来の壁式構造で板状のマンションでは、袖壁や間仕切り壁などがどうしても住戸内に出てしまい、間取りが制限されていました。
 計画地は三角形の角地であることから、建物形状も様々な形が検討された結果、「人」の形のように見えるY字型を採用しています。建物形状が3方向のYの字型になっていることから、それぞれの住戸間の戸境壁(270mm厚)が直交する形となり、建物全体の各方向にバランスよく壁が配置されています。これにより柱・梁を設けることなく、建物の各方向の剛性を確保することが可能となりました。更に、建物中央部にコアウォール(600mm厚)を設けることにより、建物の耐力を高めています。このコアウォールは、鹿島が誇る「スーパーRCフレーム構法」をはじめとする超高層RCマンション建設の豊富な実績で培った技術を応用しています。この新しい壁式免震構造を、「HIスマートウォール」と名づけました。

現地周辺CG
現地周辺CG (三角地に立つY字型建物)

平面図
平面図

 壁式構造と免震構造のメリットを最大限に活用した「HIスマートウォール」により、加賀レジデンスでは、壁と床だけでつくられたストラクチャーが、スレンダーで均整の取れた建築美を生み出しています。その最大の恩恵が、天井高2.5m、スパン7m超の開口部全てが窓面になっている「フルハイトサッシュ」。開口部周りに、柱や梁が全くない、かつてない開放感を実現しています。
 住戸内は、壁と床だけで構成された完全なボックス型の空間です。室内には柱や梁はもちろん、従来の壁式構造には残っていた開口部側の袖壁や垂れ壁もありません。プランの自由度が広げられ、居住性を大きく高めることができます。柱・梁の出っ張りが一切なくコーナーいっぱいまで活用できるフラットな室内は、それぞれの家族に応じた様々なプランを選択でき家具をレイアウトしやすくしています。

加賀レジデンスのフルハイトサッシュ
加賀レジデンスのフルハイトサッシュ(モデルルーム)
床から天井高いっぱいまでのサッシュが実現している

一般的な工法による柱・梁のある開口部平面図
一般的な工法による柱・梁のある開口部

加賀レジデンス概要

建築主 鹿島・中央商事
建設地 東京都板橋区加賀2丁目
設計・施工 鹿島
用途 集合住宅
敷地面積 8,396m²
延床面積 30,959m²
構造 壁式鉄筋コンクリート構造(免震構造)
階数 地上14階
総戸数 246戸
免震装置 鉛プラグ入り積層ゴム 54基
弾性すべり支承 9基
工期 2007年1月〜2008年8月(予定)

 この「HIスマートウォール」は、スーパーRCフレーム構法で柱・梁のない超高層フリープランマンションを実現した鹿島が、中高層マンション向けに開発した新たなスタンダードです。この工法は、建物形状が2方向以上(L字型、T字型)の場合に適しています。また、免震構法であることから、地盤がよく、搭状比(建物高さと幅の比)3程度の建物に向いていると考えています。
 鹿島は、今後も住む人に安全で、快適であると共に、柱・梁のない住空間の実現に挑戦していきます。

加賀レジデンス

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