鹿島(社長:中村満義)は、(株)立花マテリアル(本社:大阪府豊中市、社長:石井三郎)と共同で、このたび長距離のシールドトンネルにおけるパイプライン配管工事に適した中詰材料並びにその施工方法「アワモル工法」を開発しました。従来、シールドトンネル内のパイプライン配管工事では、シールド工法でトンネルを構築し内部に各種配管を敷設した後、トンネルとガス管の間の空間にエアモルタルやセメントベントナイトを中詰材料として充填することが行われています。
近年、シールドトンネルの長距離化が進み、これまで困難であった数km〜十数kmにおよぶトンネルが立坑なしで構築できるようになりました。しかしながら、エアモルタルやセメントベントナイトといった従来の中詰材料を長距離トンネルに適用すると、長距離圧送により性状の安定が得られないという課題がありました(実績値として、2km程度)。
そこで、数km以上の長距離圧送が可能な中詰材料並びにその施工方法「アワモル工法」を開発しました。本工法は、新たに開発した材料分離抵抗性に優れたベースモルタルと、所定の透気性を確保するために、エアモルタル中に連続する気泡を生成するための起泡剤を用いています。これらを別々に圧送し、打設箇所近傍において所定の割合で適切に混合することにより、長距離圧送性や透気性、充填性に優れ、安定した密度や強度を達成したことに大きな特徴があります。
施工については特殊な混合装置を開発することにより、小型化と注入の自動制御を実現し、狭小トンネルにおいても高品質かつ安定した「アワモル」の製造を可能にしました。
これらの技術により、従来では施工できなかった長距離施工が可能になり、設備数や段取りえが省略できるため、工事全体として、コストダウンや、工期短縮が可能です。
以上の性能は、圧送実験、実物大の充填実験、温度シミュレーション解析等により、確認をしています。
本工法は、東京ガス発注の長距離シールドトンネル内パイプライン工事に適用を開始しており、施工上も品質管理上も良好な結果を得ています。
今後、当社では、長距離のシールドトンネルを用いたパイプライン配管工事の中詰材料、施工技術として本工法を積極的に提案していく考えです。また、様々な強度、流動性の設定が可能であることから、埋め戻し材、盛土材等への積極的な展開も計画しています。
工事名 | 中央幹線建設工事(配管工事) | |
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発注者 | 東京ガス(株) | |
元請け | 日鉄パイプライン(株) | |
施工者 | 鹿島 | |
施工期間 | 2007年6月〜2008年8月(予定) | |
シールド用途 | ガス導管 | |
シールド内配管延長 | 約23.1km | |
最大圧送距離 | 5.7km |
実物大の充填実験
実施工の様子
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