2011年度グッドデザイン賞を受賞

　鹿島（社長：中村満義)は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の2011年度グッドデザイン賞を5件受賞しました。
　グッドデザイン賞は、日本唯一の総合的デザインプロモーション機関である公益財団法人日本デザイン振興会が決定するものです。グッドデザイン賞創設55年目となる本年度は、3,162件の応募の中から1,112件がグッドデザイン賞を受賞しました。

　鹿島が受賞した作品は以下のとおりです。

「ハイブリッドダブルチューブ架構」～グランドミッドタワーズ大宮（埼玉県さいたま市）
　近鉄不動産、鹿島、小田急不動産が手がける大規模ツインタワーマンションプロジェクト。鹿島が開発した「ハイブリッドダブルチューブ架構」により柱を外周部と内周部に集中させ、2種の梁で結んでいます。周辺地域と調和する細やかなファサードと、採光・通風・眺望に優れ、間取りの自由度の高いSI住宅が誕生しました。

（審査委員の評価）
　ハイブリッドダブルチューブという構造的な新機軸と、通風採光機能を持った中央吹き抜けによる平面計画との組み合わせを評価したい。

「ハイブリッドダブルチューブ架構」～グランドミッドタワーズ大宮

麻布グリーンテラス(東京都港区)
　緑豊かな南麻布に完成した環境型オフィスビル。南面は都会的印象のエアフローウインドウのカーテンウォールで、窓回りの熱負荷と高速道路の騒音を低減しています。また、日影規制による北面の階段状部分は屋上庭園として積極的に活用しました。各階で異なるランドスケープデザインが積層する立体的な緑により、在館者の新たなワークスタイルを実現すると共に、魅力的な都市景観を創出しています。

（審査委員の評価）
　日陰規制の大変厳しい地区の計画である。北側に生まれる段状のテラスを屋上庭園としてオフィスランドスケープに参加させている。建物周囲も歩行者空間や植栽など近隣に配慮したランドスケープが施されている。周辺環境に貢献する建築である。

麻布グリーンテラス

アステラス製薬つくば研究センター5号館(茨城県つくば市)
　アステラス製薬つくば研究センター内に立地する最先端の創薬研究所。庭園に面した柔らかなデザインのオフィスエリアと機能的な実験エリアを、明るい吹き抜け空間で繋いでいます。あらゆる場所で研究者のコミュニケーションを誘発し、想像力を活性化するようなデザインを目指すと共に、環境配慮技術を多く採用。災害にも強い施設を実現しています。

（審査委員の評価）
　白を基調としながら光が柔らかに廻り、静かで密度ある時間が過ごせる研究所が想像され評価された。最先端の研究をするために、技術はデザインにより調和されてよい環境になる。

アステラス製薬つくば研究センター5号館

三島信用金庫本店(静岡県三島市)
　三島信用金庫百周年記念事業として老朽化の進んだ旧本店（昭和11年竣工）のイメージを踏襲し、新本店を計画しました。多様化するサービスに対応できるよう銀行部分の床面積・階数を増やしましたが、旧本店が持つ建築様式を再現して「街の記憶」の継承を目指しました。また、4階部分には「さんしんギャラリー善」を創設し、美術作品を中心に展示を行い市民に無料開放されています。

（審査委員の評価）
　コンバージョンや保存に多額の資金が必要としたためか、建築物自体を継続して使用しているわけではないが、記憶を残そうという試みは評価できる。市民に公開するスペースを設け地域社会に貢献しようとする姿勢は素晴らしい。

三島信用金庫本店

三越銀座店　(東京都中央区)
　昭和43年に竣工した三越銀座店の隣接地を活用した増築及び既存本館の改修計画。都市再生特区により地域貢献を行いながら既存本館と新館を一体化させ、伝統と革新の街に相応しい建物を目指しました。売り場面積を従来の約1.8倍に拡大し、集客を増やしています。また、銀座を訪れる人々が集える空間を配し、街の回遊性を高める効果も発揮しています。

（審査委員の評価）
　かつて百貨店は夢の箱であった。人々の豊かな生活、未来の希望を体現できる場所として存在していたが、いまや購買の方法は多様化し、都内に多くの大規模商業エリアが開発された。この三越銀座店増築改修計画は新しい百貨店の在り方を示している。広くなった空間は売り場だけではなくリアルなコミュニケーションの場として、テラスなどを来店者に開放し、それが街全体を活性化させ、回遊性を高める計画であることが評価された。

三越銀座店

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