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プレスリリース

[2019/04/23]

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中低層建物用TMD「D3SKY®-c」を既存ビルの制震改修工事に初適用

~竣工後40年超を経過したSRC造建物の耐震性をD3SKY-c 1台で大幅に向上~

 鹿島(社長:押味至一)は、2019年1月に中低層建物向けに開発したコンパクトで低コスト型の制震装置TMD「D3SKY-c(ディースカイシー)」を、「福岡フジランドビル」(福岡市博多区)の制震改修工事に初適用し、このたび改修工事が完了しました。

※TMD:Tuned Mass Damper 建物に設置した錘の揺れによって、地震の振動を抑制する制震装置

屋上に設置したD3SKY-c

屋上に設置したD3SKY-c


改修後の福岡フジランドビル

改修後の福岡フジランドビル

 D3SKY-cは、超高層建物用に開発した超大型TMD「D3SKY」に改良を加え、これまで十分なソリューションが準備されていなかった中低層建物向けの制震技術として開発した、コンパクトで低コスト型の制震装置です。コンクリート製の錘、専用開発の積層ゴムと高機能オイルダンパで構成され、風揺れから大地震まで様々な種類の揺れを効果的に低減します。
 今回、このD3SKY-cを既存中低層ビルの制震改修工事に初めて適用し、従来にない合理的な制震改修を実現しました。

適用の背景

 今回改修工事を行った福岡フジランドビルは、1975年に完成したSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の事務所ビルです。耐震診断の結果を受け耐震補強を検討していましたが、居室内にブレース等の補強材を設置する従来型の耐震補強方法では、建物の使い勝手が大きく損なわれる懸念がありました。
 そこで鹿島は、屋上設置型のTMDにより大地震時の揺れを1台の装置で効率的に制御することを提案し、D3SKY-cが採用されました。
 

制震改修による効果と特長

 今回の制震改修による効果と特長は以下の通りです。

  1. 震度6相当の大地震に対する揺れを25%程度低減し、後揺れ時間も大幅に短縮
  2. 制震装置の設置は屋上での工事となり、その他に必要な増打ち壁の補強も、制震効果に伴う補強量の減少により建物外部からの工事が可能となるため、建物内部の工事が不要となり、工事中のテナントへの影響を最小限にとどめた「居ながら®」施工を実現
  3. 建物内部の使い勝手や眺望を阻害しない改修を実現
  4. 従来型の耐震改修と比較して大きなコストメリット

制震装置の設置位置

今後の展開

 D3SKY-cは、現在東京都内で施工中の新築ビル2件、ならびに既存改修1件への採用が既に決定しており、その他にも複数案件で適用を検討中です。
 鹿島は今後、建物の耐震安全性だけでなく居住性や安心感の向上に向け、新築・既存改修を問わず、市街地中心部や繁華街に位置する30~60mの中低層建物に、D3SKY-cを積極的に提案してまいります。


物件概要

建物名  : 福岡フジランドビル
所在地  : 福岡市博多区中洲中島町2-3
建物用途  : 事務所
延床面積  : 12,365m2
構造  : SRC造 地上13階、地下1階、塔屋3階
軒高  : 45.0m
設計・監理  : 鹿島建設株式会社(新築、改修とも)
施工  : 鹿島建設株式会社(新築、改修とも)
竣工年月  : (新築)1975年3月 (改修)2019年3月


(参考)
中低層建物用のコンパクトで低コスト型のTMD「D3SKY®-c」を開発 別ウィンドウが開きます(2019年1月24日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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