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プレスリリース

[2020/09/24]

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人、モノ、建設機械、環境等の現場情報を一元管理し、
建設現場の高度な「見える化」を実現

 鹿島(社長:押味至一)は、人、モノ、建設機械の位置や稼働状況を、気象、交通情報などの環境情報と併せて一元管理できる統合管理システム「Field Browser®」(フィールドブラウザ)を開発しました。
 本システムは、これまで個別に導入し、運用してきた各種「見える化」システムのデータを連携・集約することで、1つの管理画面で運用できるようにしたものです。
 現在、新名神高速道路 枚方工事(大阪府枚方市)をはじめ6現場に導入しており、工事事務所に取り付けた大型モニターに本システムを常時表示、カメラ映像と併せて遠隔から臨場感を持った現場管理を実現しています。今後、各種システムを横断的に集計・分析する機能の強化など、生産性と安全性の向上に寄与するための更なる機能向上を図ります。

Field Browserの現場運用状況(枚方工事事務所)

Field Browserの現場運用状況(枚方工事事務所)

開発の背景

 当社は、現場管理の生産性および安全性の更なる向上を目指し、現場の状況・状態の変化に応じたタイムリーでスピーディーな意思決定を実現するため、「現場の見える化」に関する様々な取り組みを実施しています。建設現場を見える化する第一歩は、人や建設機械の位置、作業状態を把握することであり、その要素技術はある程度確立されています。特に、近年のICTの進歩により、大容量クラウド、高速データ通信、安価なICT機器が実現し、建設現場におけるICTの活用が身近になりました。これにより、様々なシステムが現場に導入されていますが、各システムは個別管理が必要で、効率的に運用されているとは言い難い状況でした。また、各システムで取得したデータも、個々のサーバに分散して保管されていました。今後は、こうした個々の作業情報に関するデータを集約・分析し、次の計画を最適化するために有効活用することも求められています。

本システムの特長

 「Field Browser」は、個々のサービスを提供する事業者のシステムと連携し、地図上に現場図面を重ね合わせ、人、モノ、建設機械などのリアルタイムの位置情報を、気象、交通情報と併せて一元表示します。

データ一元化のイメージ

データ一元化のイメージ

 連携する個々のシステムに応じて、以下に示す情報の見える化と利活用ができます。
  • 人と建設機械・車両等の位置情報が、所属や職種・機械種別ごとに表示され、計画どおりの場所、人員、機械配置で作業が行われているかを現地に行かずとも把握可能。
  • 定点カメラ映像と位置情報をリンクさせることで、現場のより正確な状況把握が可能。
  • 人物についてはリアルタイムのバイタル情報が表示されるため、体調不良者の即時発見、対処が可能。
  • 建設機械、車両については、現在の稼働/非稼働状態に加え、蓄積された過去の稼働時間から稼働率を集計し、最適配置や手配の検討に活用。
  • 気象情報については、降雨や落雷を含むリアルタイムの天候に加え、72時間先の予報を確認できることで、対策・作業計画の見直し等の事前検討が可能。

Field Browserの操作・機能

Field Browserの操作・機能

現場での適用と効果

 本システムを運用している枚方工事事務所は、各種見える化に関する取り組みのモデル現場として、様々な技術ならびにシステムを導入し、試行中です。スマートオフィスとして、事務所にはどの席からも見える位置に大画面モニターを設置し、本システムや現場に設置した定点カメラの映像を常時表示することで、高度な見える化管理を行っています。今、どこで、誰が、どのような作業を行っているのかを、現場から離れた事務所、さらには支店・本社でも常時把握できるため、迅速かつ的確な指示命令が可能です。また、現場では移動時間や作業待ちが無くなることで、現地立ち会い等の現場管理業務の効率化も図られており、支店・本社では遠隔パトロール等での状況把握にも役立ちます。

大阪 枚方工事の現場状況を東京の本社でリアルタイムに確認

大阪 枚方工事の現場状況を東京の本社でリアルタイムに確認

今後の展開

 品質を確保しつつ、安全性と生産性を向上させるためには、IoTを積極的に活用した新たな現場管理を確立していく必要があり、建設現場の見える化はその重要な柱の一つです。鹿島は、本システムをその中心に位置付け、各種システムを横断的に集計・分析する機能の強化に加え、すでに現場で活用している資機材の現場内での位置情報や稼働状況をリアルタイムに把握するシステム「K-Field」(ケイフィールド)や、今後導入を予定している作業員用スマートフォンとの連携も視野に入れ、現場管理の標準システムとして積極的な展開を図っていきます。

工事概要

工事名  : 新名神高速道路 枚方工事
工事場所  : 大阪府枚方市南船橋2丁目~西船橋2丁目
発注者  : 西日本高速道路株式会社関西支社
施工者  : 鹿島建設株式会社
工事諸元  : 延長:1,140m、地中連壁工:約28,000m2、擁壁工:U型擁壁 約170m、
   橋台:2基、橋脚:18基、換気所:1基、回転立坑:1基
工期  : 2018年9月~2024年6月


(参考)
資機材の管理・運用を効率化するシステム「KENLOGI」・「K-Field」を開発 別ウィンドウが開きます
(2019年3月6日プレスリリース)

プレスリリースに記載された内容(価格、仕様、サービス内容等)は、発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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