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橋梁技術

PC桁橋

プレストレストコンクリート(PC)橋の基本構造形式

桁を水平に架け渡した最も基本的な橋の形式で、主に単純桁橋、連続桁橋に区分されます。さらに桁の断面形状によって、T桁橋、箱桁橋などに区分されます。

単純桁橋は、桁が単純に橋台または橋脚に支持されている橋で、最もよく見かける橋の構造形式です。連続桁橋は、橋の両端以外の中間でも橋脚で支持されて2径間以上桁が連続している橋で、道路の高架橋等で最も多く採用されている構造形式です。さらに、桁と橋脚を一体化した構造形式をラーメン橋と言います。桁を連続させることにより、単純桁橋と比較して桁端部以外に目地(伸縮装置)がなくなり、自動車の走行性が向上します。

景観に配慮したフィンバック形式PRCラーメン橋
(衣川橋梁改築工事・JR東日本東北本線)

キーワード

フィンバック、景観、PRCラーメン橋、衣川橋梁

衣川橋梁は固定式支保工架設により、フィンバック(魚の背びれ)形式の4径間連続PRC下路ラーメン橋です。

本工事は一関遊水事業の一環で、衣川の堤防改修に伴い、東北本線の既設鉄橋を4m嵩上げする必要性から、国土交通省の委託を受けたJR東日本が別線方式で新設したものです。また、建設地周辺の平泉文化遺産を世界遺産に登録申請していることから、“古都平泉のイメージにふさわしい事業”を目指し、景観に配慮した設計が求められました。景観設計の見直しにより、頂部の高さの低減や定着突起を桁内側に設けるなど周辺環境により調和したデザインとなりました。

主桁には鉄筋やPC鋼材が高密度に配置されているため、コンクリートの打込み対して十分な検討や試験を実施しました。コンクリートの配合は、充填性を確保しつつ材料分離を抑えるため、石灰石微粉末を混合した配合とし、アルカリ骨材反応による劣化対策として骨材すべてに石灰石を使用しました。コンクリートの耐久性向上及び美観向上のため、コンクリート表面に発生する気泡(あばた)対策を事前に検討した上でその効果確認試験を実施しました。また、施工性の確認のため、実物大模型を用いた打設試験を実施し、コンクリート表面の美観を考慮した実際の打込み手順の確認を行い、本橋の施工を行いました。

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図版:主桁断面

主桁断面

図版:支保工施工状況

支保工施工状況

図版:衣川橋梁(完成写真)

衣川橋梁(完成写真)

<概要>

企業者:東日本旅客鉄道

場所:岩手県西磐井郡

工期:2005年3月~2008年7月

構造形式:4径間連続PRC下路ラーメン橋

橋長:162.24m

支間割:32.750m+2@47.500m+32.750m

幅員:11.400m(有効幅員9.10m)

学会論文発表実績

  • 「フィンバック形式下路ラーメン橋・東北本線衣川橋りょう改築工事報告」,コンクリート工学,vol.46,No.2,平成20年2月号,2008年2月
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全断面鉄筋先組みによる短工期張出し架設工法
(かもい大橋)

キーワード

短工期、張出し架設工法、鉄筋先組み、かもい大橋
かもい大橋は、北海道歌志内市に架かる橋長270.0m、曲線半径R=200mのPC3径間連続ラーメン箱桁橋です。本橋は、工期設定に関する問題、下部工引渡しの遅れなどから全体工程を短縮する対策が必要でありました。そこで主桁張出し施工の工期短縮を可能とする『全断面鉄筋先組みによる短工期張出し架設工法』を開発し、実施工に初適用しました。

この工法により、通常では8日かかる1ブロックの施工を5.4日サイクルで施工することが可能となりました。

図版:全断面鉄筋先組みによる張出し架設作業手順

全断面鉄筋先組みによる張出し架設作業手順

図版:先組み鉄筋吊りビーム

先組み鉄筋吊りビーム

図版:先組み鉄筋組立て状況

先組み鉄筋組立て状況

図版:かもい大橋(完成写真)

かもい大橋(完成写真)

<概要>

企業者:北海道石狩支庁

場所:北海道歌志内市

工期:2003年10月~2005年3月

構造形式:PC3径間連続ラーメン箱桁橋

橋長:270.04m

支間割:69.0m+130.0m+69.0m

幅員:12.9m(車道8.5m 歩道3.5m)

学会論文発表実績

  • 「外ケーブルを併用したPC曲線箱桁橋の施工 ─かもい大橋新設(上部工)工事」,プレストレストコンクリート,2005年9月号,2005年9月
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補助桁併用張出し架設工法を用いた橋梁架設
(はまゆう大橋)

平成16年度土木学会田中賞(作品賞) 平成15年度プレストレストコンクリート技術協会賞(施工技術部門)

キーワード

補助桁併用張出し架設工法、後ラーメン化、VE提案、はまゆう大橋

はまゆう大橋有料道路の『はまゆう大橋』は、2004年4月~10月開催の『しずおか国際園芸博覧会・パシフィックフローラ2004(愛称:浜名湖花博)』の交通アクセス整備の一環として整備された、浜名湖を横断架橋する9径間連続PC箱桁橋です。

架橋位置は、豊かな自然が保たれ浜名湖でも優良な漁場であり、本橋の工事は、環境に十分留意して行う必要がありました。そこで、湖面を使用しないことから自然環境にやさしい施工法として新たに開発した工法の『補助桁併用張出し架設工法』を鹿島よりVE提案し採用されました。補助桁併用張出し架設工法には次の特徴があります。①補助桁に仮設構台の役割を受け持たせるため、桁下空間(湖面)を利用せずに施工できます。②架設桁(補助桁)と移動作業車(ワーゲン)の汎用機材を組合せるため、機材の調達が容易です。③複数橋脚同時に施工できるため、施工期間を短縮できます。

また本橋では、施工中は上下部工間に可動支承を設置して主桁完成時(径間連結時)各橋脚に生じているクリープ、乾燥収縮等による水平力を解放させた後、上下部工を剛結してラーメン構造とする構造としました。このように上下部工の剛結時期を遅らせることにより、橋脚に作用する不静定力を減少させることが可能となり、固定支間長が長く短橋脚の連続ラーメン構造の成立が可能となりました。

図版:補助桁併用張出し架設工法

補助桁併用張出し架設工法

図版:後ラーメン化工法概略図

後ラーメン化工法概略図
柱頭部拡大図:上下部工の剛結前(左)後(右)

図版:はまゆう大橋(完成写真)

はまゆう大橋(完成写真)

<概要>

企業者:静岡県浜松土木事務所・静岡県道路公社

場所:静岡県浜松市

工期:2002年9月~2004年1月

構造形式:PC9径間連続ラーメン橋

橋長:790m

支間割:61.3m+7@95m+61.3m

幅員:11.5m(車道2車線8m+歩道3.5m)

学会論文発表実績

  • 「補助桁併用張出し架設工法特集(その1)はまゆう大橋頭上の"桁"で資財搬入 ─鹿島建設の補助桁併用張出し架設工法 見所は環境施工と後ラーメン」,橋梁&都市project,2003年12月
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フリーワイズワーゲンを用いた張出し施工
(中央自動車道長野線・岡谷高架橋)

昭和61年度土木学会田中賞(作品賞) 昭和61年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

フリーワイズワーゲン、張出し架設工法、拡幅・分岐、岡谷高架橋

岡谷高架橋は、中央自動車道西宮線から長野線への分岐点となる岡谷ジャンクション部に建設された橋長593mのプレストレストコンクリート5径間連続ラーメン箱桁橋であり、地上約60mの高さで岡谷市街地、天竜川及びJR東日本中央本線を横断しています。

本橋は、PC連続桁としては我が国最大規模を有し、ジャンクションランプ橋との接続部では、橋桁が途中で拡幅・分岐するという複雑な構造となっています。そこで張出し施工にはフリーワイズワーゲンが採用されました。このワーゲンは、橋桁が途中で拡幅・分岐しても、主桁分岐形状に対応して張出し架設ができます。幅員の変化に対して、2本の「横スライドビーム」でメインフレーム下部を連結し、ビーム下部にローラーによる「横移動装置」を装備した車輸を取り付け、主桁間隔が変化してもそれに追随してワーゲンの車輸の位置が自由に変化する機能を持たせています。分岐に対しては、あらかじめ装置の分岐位置に分離可能な「接合部」と「作業足場」を設けてあるため、簡単に装置全体を2つに分離でき、また分離後は独立した2基のワーゲンの機能を発揮できる構造になっています。

高さ50mの橋脚の施工は、セルフクライミングフォーム工法と全足場工が併用されました。

図版:フリーワイズワーゲン

フリーワイズワーゲン

図版:完成した分岐部分

完成した分岐部分

図版:セルフクライミングフォーム工法

セルフクライミングフォーム工法

図版:岡谷高架橋(完成写真)

岡谷高架橋(完成写真)

<概要>

企業者:日本道路公団名古屋建設局

場所:長野県岡谷市

工期:1983年3月~1986年2月

構造形式:PC5径間連続ラーメン3室箱桁橋

橋長:(上り線)593m (下り線)578m

支間割:104m+126m+148m+126m+89m

幅員:標準部18m(全幅21.4m)

学会論文発表実績

  • 「岡谷高架橋の設計と施工」,プレストレストコンクリート,1986年10月

コンクリートアーチ橋

アーチリブにコンクリートを使用した合理的な橋梁構造

近年の設計・施工技術の進歩に伴って、コンクリートアーチ橋の力学的な合理性と景観的な美しさが再認識され、各地で相次いでコンクリートアーチ橋が建設されています。

鹿島は多数のPC橋の実績をもとに、早くからコンクリートアーチ橋の設計・施工に関する研究開発に取り組み、別府明礬橋をはじめ数々のコンクリートアーチ橋の施工を手がけて技術の蓄積を図ってきました。ますます多様化・長大化するコンクリートアーチ橋に対応できる設計・施工支援システムを完備し、企業者各位のご要望にそえるよう、万全の体制を整えています。

合成アーチ巻立工法による長大アーチ橋
(国見大橋)

平成15年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

RC固定アーチ、合成アーチ巻立工法、薄肉角形鋼管

宮崎県西臼杵郡の農道整備事業の一環として1級河川五ヶ瀬川に建設された、橋長320m、アーチスパン181mのRC固定アーチ橋です。アーチリブの架設工法には合成アーチ巻立工法を採用しており、本工法で架設するアーチ橋としてはわが国最長のアーチスパンを有する橋梁です。

合成アーチ巻立工法

薄肉角形鋼管をアーチリブ軸線上に架け渡したのち、鋼管内にコンクリートを充填し剛性の高い鋼とコンクリートの合成構造とし、それを埋込み型の支保工として移動作業車によりアーチリブ躯体をスプリンギング部からクラウン部に向かって、ブロック施工(巻立て施工)する工法です。

工法の特長

  • 従来のメラン工法に比べ、メラン(鋼管)の重量を減じることができ、アーチを架設するために要する仮設備、仮設材(アンカーや斜材等)の規模が小さくなり、工費・工期節減と工事施工条件の緩和になります。
  • 施工初期段階に鋼管でアーチが閉合することで架設時の耐風・耐震安定性に優れています。
  • 移動作業車を前方で支持する構造にできるため作業車の軽量化が図れます。
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図版:鋼管アーチ架設状況

鋼管アーチ架設状況

図版:コンクリートアーチ巻立状況

コンクリートアーチ巻立状況

図版:国見大橋(完成写真)

国見大橋(完成写真)

<概要>

企業者:宮崎県

場所:宮崎県西臼杵郡

工期:2000年3月~2003年11月

構造形式:RC固定アーチ橋

橋長:320m

支間割:アーチ181.0m

幅員:8.250m(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「合成アーチ巻立て工法による国見大橋の施工」,第12回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム,2003年9月
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2径間連続RC固定アーチ橋
(水晶山橋・阪神高速道路神戸線)

キーワード

RC固定アーチ

水晶山橋は、神戸市道阪神高速道路北神戸線のうち、六甲山系のほぼ中央、有馬温泉から数km西側に建設された橋梁です。架橋地点が瀬戸内海国立公園に属することから、ランドマーク的な効果も期待できる2径間連続RC固定アーチ橋が採用されました。本橋は我が国最大のめがねアーチ橋で、従来のRCアーチ橋と比べてアーチリブがスレンダーであること、アーチリブが扁平であることなどの特徴を有しております。このため、アーチリブは細長比が従来のRC固定アーチ橋に比べて大きく、不安定座屈照査を行う必要のある領域に属します。アーチリブを模擬した1/15縮尺模型の耐荷力実験によりひび割れ発生後のモーメント再配分や座屈挙動を調べ、その結果に基づいて大規模地震等に対し、本橋のアーチリブが十分な耐荷力を有することを確認しました。

アーチリブは最大傾斜角38度の傾斜部材で、押さえ型枠により上面が閉塞されるため、流動化コンクリート(現場添加型、流動化後のスランプ12cm)により充填性の向上を図りました。

図版:アーチリブ耐荷力実験状況

アーチリブ耐荷力実験状況

図版:施工状況

施工状況

図版:水晶山橋(完成写真)

水晶山橋(完成写真)

<概要>

企業者:阪神高速道路公団

場所:兵庫県神戸市

工期:1992年4月~1999年3月

構造形式:2径間連続RC固定アーチ橋

橋長:440m

支間割:2@20m+2@160m+30m+2@25.0m

幅員:2@8.5~17.5m

学会論文発表実績

  • 「阪神高速道路北神戸線水晶山橋の建設 ─2径間連続固定アーチ橋」,橋梁と基礎,1999年2月
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日本最大のPC逆ランガーアーチ橋
(池田へそっ湖大橋)

平成11年度土木学会田中賞(作品部門) 平成11年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

PC逆ランガー、バランスドアーチ、バランスドトラスカンチレバー

吉野川池田ダム湖を横断する橋長705m、アーチ支間長200mの国内最大級のバランスドアーチ橋です。4台の移動作業車を用いてトラスを構成しながら、橋脚両側に張出し架設を行うバランスドトラスカンチレバー工法を開発・適用しました。

補剛桁の緊張材には、内ケーブルと外ケーブルを併用しており、外ケーブルには、わが国最大級の容量のエポキシ樹脂塗装したノングラウトタイプのケーブル(27S15.2)を用いています。アーチリブの施工には、新しく開発したアーチリブ用移動作業車を用いています。軸方向鉄筋の継手には施工性及び耐震性を考慮して圧着継手を用いています。鉛直材は、急速施工を図るためSRC構造となっており、トラス構成時は鉄骨構造、その後張出しの進捗に合わせてコンクリートを巻立てる方法としています。仮設用の斜吊材には、総ネジPC鋼棒(SBPD 930/1080、φ36)を使用し、日射による温度の影響を抑えるため、断熱材として発泡ウレタン製のパイプカバーで被覆しています。

図版:バランスドトラスカンチレバー工法

バランスドトラスカンチレバー工法

図版:鉛直材鉄骨架設状況

鉛直材鉄骨架設状況

図版:断熱材で被覆した斜吊材設置状況

断熱材で被覆した斜吊材設置状況

図版:池田へそっ湖大橋(完成写真)

池田へそっ湖大橋(完成写真)

<概要>

企業者:日本道路公団

工事場所:徳島県三好郡

工期:1994年12月~2000年4月

構造形式:PC5径間連続バランスドアーチ橋

橋長:705m

支間割:134.2m+200m+160m+130m+79.2m

幅員:9.0m(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「PC逆ランガーバランスドアーチ橋の施工 ─徳島自動車 池田へそっ湖大橋─」,コンクリート工学,2000年2月号,2000年2月
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21径間RC連続アーチ橋
(南風原高架橋)

平成8年度土木学会田中賞(作品部門) 1998年日本コンクリート工学協会賞(作品賞)

キーワード

連続RC開腹アーチ橋、アーチセントル

世界最大規模の21径間連続RC開腹アーチ橋である南風原高架橋は、那覇空港と沖縄自動車道を結ぶ総延長約20kmに及ぶ那覇空港自動車道整備事業の一環として建設されました。

沖縄はかつて世界的にも類例のない沖縄独特の工法による石造アーチ橋及び城門がありましたが、大部分は戦火やその後の道路整備事業によって破壊あるいは撤去されました。本橋は、最新の技術と工法による石造文化の具現化及び周辺環境との調和が図れる構造として景観検討委員会において連続アーチが選定されました。

本高架橋のアーチ部の施工は、多径間でありアーチリブの形状が統一されていること、橋脚高が高いことなどの条件から、鋼製トラス構造のアーチセントルを使用しました。また、スレンダーな橋脚と連続アーチ構造のため、アーチリブ及び補剛桁施工時には、自重により橋脚、アーチリブに過大な変位及び応力によるひび割れが発生することが思慮されたため、対策として斜材を橋脚間に設置し、緊張力の導入による変位制御を行いながら施工を進める方法を採用しました。

図版:セントル全景図

セントル全景図

図版:セントル縦移動

セントル縦移動

図版:南風原高架橋(完成写真)

南風原高架橋(完成写真)

<概要>

企業者:沖縄開発庁沖縄総合事務所

場所:沖縄県島尻郡

工期:1992年9月~1996年6月

構造形式:21径間連続RC開腹アーチ橋

橋長:828m

支間割:106.5m×8×78m+97.5m(10連)

幅員:有効幅員9.0m(全幅10.74m)

学会論文発表実績

  • 「21径間連続RCア-チ橋の設計と施工 ─那覇空港自動車道・南風原高架橋」,プレストレストコンクリート,1995年9月

エクストラドーズド橋

桁橋と斜張橋の中間的な特徴を有する新しい構造形式

エクストラドーズド橋は、桁橋では桁高の範囲内に配置される外ケーブルを、支点上に主塔を設けて桁高の範囲外まで偏心させた橋梁です。主桁・主塔・斜材より構成され、景観上は斜張橋に似ていますが、構造的には桁橋に近く、斜張橋に比べて主桁の剛性が高く、主塔が低いのが特徴です。

桁橋と斜張橋の中間的な特徴だけでなく、適用支間長でも桁橋と斜張橋の中間をカバーしており、鹿島は早くからエクストラドーズド橋の設計・施工に関する研究開発に取り組むとともに、施工経験を重ねて技術の蓄積を図ってきました。

世界最大支間長の3径間連続エクストラドーズドPC橋
(三戸望郷大橋)

平成16年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

エクストラドーズド橋、張出架設、マルチエポキシケーブル、工場製作ケーブル

三戸望郷大橋は、青森県の農業振興地域である南部町~三戸町~田子町を東西に結ぶ「三戸地区広域営農団地農道整備事業」の一環として建設された橋長400mの3径間連続エクストラドーズドPC橋です。本橋の中央径間は、急峻な山間を流れる1級河川馬淵川と青い森鉄道(旧JR東北本線)及び三戸町道を同時に跨ぐため、中央支間長は200mとなり、2005年竣工時点において、鋼桁を併用しないエクストラドーズドPC橋としては世界最大支間長です。

本橋の斜材には架設時の安全性と施工の合理化に配慮し、「工場製作型」のマルチエポキシケーブル斜材システムを採用しました。斜材はフロボンド細粒エポキシ被覆を施したφ15.2mmのストランドを工場で19本(19S15.2)又は27本(27S15.2)束ね、更に高密度ポリエチレン被覆したマルチエポキシケーブルで、耐久性も優れています。

図版:マルチエポキシケーブル断面

マルチエポキシケーブル断面

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図版:マルチエポキシケーブル斜材の架設状況

マルチエポキシケーブル斜材の架設状況

図版:主塔サドル構造

主塔サドル構造

図版:三戸望郷大橋(完成写真)

三戸望郷大橋(完成写真)

<概要>

企業者:東日本旅客鉄道

場所:青森県三戸郡

工期:2001年7月~2004年11月

構造形式:3径間連続エクストラドーズドPC橋

橋長:400m

支間割:99.25m+200m+99.25m

幅員:10.25m(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「PC構造のエクストラドーズド橋として世界最大級スパンを有する橋梁の施工事例 ─三戸望郷大橋─」,2nd fib Congress National Report,2006年6月
  • 「長大スパンを有するエクストラドーズド橋の計画と施工」, 農業土木学会東北支部第46回研究発表会,2002年11月
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3径間連続複合エクストラドーズド橋
(日本パラオ友好橋)

平成14年度土木学会田中賞(作品部門) 平成14年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

エクストラドーズド橋、PC鋼混合橋、張出架設、鋼桁一括架設、日本パラオ友好橋

ダイビングのメッカとして知られるパラオ共和国は、南太平洋に位置し、紺碧の海に浮かぶ美しい珊瑚礁に囲まれた島々で構成されています。パラオの政治経済の中心を担うコロール島と国際空港、発電所などの重要施設の置かれているバベルダオブ島を結んでいたKB橋が1996年に突然崩壊したため、KB橋と同じ位置に、日本政府からの無償資金協力により新たに建設されたのが本橋です。本橋は3径間連続複合エクストラドーズド橋で、海峡を跨ぐ主径間のおよそ1/3の区間を鋼桁として死荷重を軽減することにより、主塔まわりのアンバランスの改善と端支点の負反力抑制が図られています。

図版:PC桁の張出架設状況

PC桁の張出架設状況

図版:鋼桁大ブロックの吊上げ

鋼桁大ブロックの吊上げ

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図版:日本パラオ友好橋(完成写真)

日本パラオ友好橋(完成写真)

<概要>

企業者:パラオ共和国資源開発省

場所:パラオ共和国コロール・バベルダオブ海峡

工期:1999年11月~2001年12月

構造形式:3径間連続複合エクストラドーズド橋

橋長:412.7m

支間割:82.0m+247.0m+82.0m

幅員:11.5m(車道2車線8.0m+歩道1.2m)

架設工法:両側張出し施工(PC桁) 大ブロック一括架設工法(鋼桁)

学会論文発表実績

  • 「海外工事におけるSMA施工実績 パラオ共和国 日本パラオ友好橋建設工事」,アスファルト合材,2002年7月
  • 「パラオ共和国・日本パラオ友好橋の施工(上) ─3径間連続複合エクストラドーズド橋─」,橋梁と基礎,2001年12月
  • 「パラオ共和国・日本パラオ友好橋の施工(下) ─3径間連続複合エクストラドーズド橋─」,橋梁と基礎,2002年1月

世界初のPC・鋼混合連続エクストラドーズド橋
(トゥインクル(木曽川橋))

平成13年度土木学会田中賞(作品部門) 平成13年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

エクストラドーズド橋、PC鋼混合橋、プレキャストセグメント工法、ショートラインマッチキャスト方式

木曽川橋は、新名神高速道路のうち木曽川を横断する箇所に建設された世界で初めてのPC・鋼混合5径間連続エクストラドーズド橋です。中央支間は275mあり、日本の河川にかかる橋の中で最大級の支間となります。PC・鋼混合構造とは、圧縮に強いコンクリートの特長と、軽量化が可能な鋼の長所を複合させた合理的で経済的な構造です。

本橋のコンクリート桁部は、ショートライン・マッチキャスト方式で製作したプレキャストセグメントを張出し架設しました。鋼桁部は、工場で大ブロックに製作し、架設地点で一括吊り上げ架設工法により施工しました。

図版:ショートライン・マッチキャスト方式によるセグメント製作

ショートライン・マッチキャスト方式によるセグメント製作

図版:エレクションノーズによる張出し架設

エレクションノーズによる張出し架設

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図版:エレクショントラスを用いた側径間部の逆張出し架設

エレクショントラスを用いた側径間部の逆張出し架設

図版:鋼桁の一括吊り上げ架設

鋼桁の一括吊り上げ架設

図版:木曽川橋(完成写真)

木曽川橋(完成写真)

<概要>

企業者:日本道路公団

場所:三重県桑名郡

工期:1997年9月~2001年6月

構造形式:
PC・鋼混合5径間連続エクストラドーズド箱桁橋

橋長:1,145m

支間割:160.0m+3@275.0m+160.0m

幅員:14.0m×2(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「木曽川橋、揖斐川橋の設計・施工 ─複合エクストラドーズド橋─」,プレストレストコンクリート,第41巻2号,
    1999年3月
  • 「木曽川橋・揖斐川橋複合構造接合部の設計と施工」,プレストレストコンクリート,第42巻1号,2000年1月
  • 「木曽川橋・揖斐川橋」橋梁と基礎,2002年8月
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大偏心外ケーブル方式5径間連続PC橋
(士狩大橋)

平成12年度土木学会田中賞(作品部門) 平成12年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

エクストラドーズド橋、施工管理計測、地震観測、仮支柱、自動制御システム

士狩大橋は、十勝平野の南北の交通軸として期待されている帯広広尾自動車道のうち、十勝川を渡る大偏心外ケーブル方式(エクストラドーズド)5径間連続PC箱桁橋です。この構造形式は、高速走行性、経済性、施工性、維持管理、景観性などを考慮して採用されたもので、低い主塔とケーブルのシルエットは背景となる日高山脈の美しい山並みと調和しています。

図版:張出架設状況

張出架設状況

図版:偏向塔定着架台

偏向塔定着架台

図版:大偏心連続外ケーブルの採用

大偏心連続外ケーブルの採用

図版:士狩大橋(完成写真)

士狩大橋(完成写真)

<概要>

企業者:北海道開発局帯広開発建設部

場所:北海道河西郡

工期:1996年10月~2000年2月

構造形式:大偏心外ケーブル方式5径間連続PC箱桁橋

橋長:610.0m

支間割:94.0m+3@140.0m+94.0m

幅員:全幅23.0m~29.8m

学会論文発表実績

  • 「士狩大橋における水平反力分散ゴム支承の後ひずみ調整」,土木学会北海道支部論文報告集(第56号),1999年12月
  • 「士狩大橋における大偏心外ケーブルの施工と計測」,土木学会北海道支部論文報告集(第56号),1999年12月

複合トラス橋

箱桁のウェブを鋼トラスウェブとした新形式の複合構造橋梁

複合トラス橋は、従来のコンクリート箱桁のウェブを鋼トラスウェブとして、上部構造の軽量化と施工の合理化を図る新しい形式の複合構造橋梁です。

鋼トラスとコンクリート床版を接合される格点部は、全体構造に対する安全性と経済性・施工性にも大きな影響を与える重要部位であることから、要求性能を満足する新構造を鹿島が独自に開発しました。

鋼・コンクリート複合トラス橋を鉄道橋に初適用
(山倉川橋梁)

キーワード

複合トラス、格点構造、鉄道橋

本橋梁工事は、新潟県の折居川災害復旧助成事業に伴い、羽越線神山・月岡間の山倉川橋梁を架け替えるもので、この橋梁に鹿島が提案した鋼管トラスウェブPC橋(鋼・コンクリート複合トラス橋)が採用されました。複合トラス橋の鉄道橋への適用は国内では初めてです。

複合トラス橋の格点(コンクリート部材とトラス斜材の接合部)構造については、鉄道橋の列車荷重に対する疲労耐久性及び耐荷力の実証試験を行い、鉄道橋として十分な性能を有することを確認しています。

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図版:山倉川橋梁(完成写真)

山倉川橋梁(完成写真)

図版:鋼管トラス据付状況

鋼管トラス据付状況

<概要>

企業者:東日本旅客鉄道

場所:新潟県北蒲原郡

工期:2002年3月~2005年1月(橋梁を含む全体工期)

構造形式:単径間鋼管トラスウェブPC橋

橋長:53.2m

支間長:51.8m

幅員:6.75m

学会論文発表実績

  • 「JR羽越本線山倉川橋梁の施工 ─鋼・コンクリート複合トラス鉄道橋の施工─」,第21回土木学会関東支部新潟会調査研究発表会,2003年11月

高性能コンクリート橋

超高強度コンクリート、超高強度繊維補強コンクリートを用いて
PC橋の上部構造を軽量化

超高強度コンクリート橋は、従来のコンクリート橋の軽量化を図るため、設計基準強度を120N/ mm2(圧縮強度150N/ mm2)のコンクリートを主桁に適用した橋梁です。

超高強度繊維補強コンクリートは、設計基準強度が180N/mm2と高く、鋼繊維によって高い引張強度を確保でき、鉄筋配置が不要となるため、部材厚さを極限まで薄くした橋梁が実現可能となります。

サクセムとHiFleD橋脚構造を適用したPC歩道橋
(リバーサイド千秋連絡橋)

平成19年度プレストレストコンクリート技術協会賞(技術開発部門)

キーワード

超高強度繊維補強コンクリート、サクセム、制振橋脚、HiFleD

新潟県長岡市の千秋が原地区は、市内を流れる信濃川の河川敷に隣接しており、近年、大型の商業施設が建設され開発計画が進行しています。リバーサイド千秋連絡橋は、同地区において2007年にオープンしたショッピングセンターとシネマコンプレックスの建物間をつなぐ橋長30.5m、有効幅員3.5mの3径間連続プレストレストコンクリート(以下、PC)歩道橋です。本橋には建築限界の課題および耐震性向上を目的として、超高強度繊維補強コンクリート「サクセム」、制震橋脚構造「HiFleD橋脚構造」という2つの新しい技術が適用されています。

図版:セグメント打設(サクセム)

セグメント打設(サクセム)

図版:鋼板ダンパー

鋼板ダンパー

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図版:リバーサイド千秋連絡橋(完成写真)

リバーサイド千秋連絡橋(完成写真)

<概要>

企業者:ユニー

場所:新潟県長岡市

工期:2006年12月~2007年8月

構造形式:3径間連続PCラーメン橋

橋長:30.5m

支間割:2.0m+26.0m+2.0m

幅員:4.1m(全幅員)

学会論文発表実績

  • 「エトリンガイト生成系超高強度繊維補強コンクリートおよび制震ダンパーを用いた歩道橋の設計 ─リバーサイド千秋連絡橋(仮称)─」,プレストレストコンクリート,第49巻第2号,2007年3月
  • 「超高強度繊維補強コンクリートによるポストテンション方式PC橋梁の施工報告」,プレストレストコンクリート,第49巻第6号,2007年11月
  • 「リバーサイド千秋連絡橋(仮称)の設計と施工」,橋梁と基礎,2007年12月号,2007年12月
  • 「超高強度繊維補強コンクリートと制震橋脚構造を使用した歩道橋『リバーサイド千秋連絡橋』」,土木学会誌,Vol.93 No.3,2008年3月

パワークリートを用いた歩道橋
(秋葉原公共デッキ)

平成17年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

低収縮型超高強度コンクリート、パワークリート、アキバブリッジ

秋葉原公共デッキは、2棟の超高層ビルで構成される「秋葉原クロスフィールド」とJR秋葉原駅前広場を繋ぐ歩道橋です。本橋は、秋葉原の開発事業の一環として建設されたものであり、高性能材料を用いた独創的なデザインが採用されました。

接続する各高層ビルの階高制限及び桁下を通る一般道路の建築限界により、通常のPC橋では実現できないスレンダーな構造が求められたため、鹿島が開発したパワークリート(低収縮型超高強度コンクリート)が採用されました。また、主桁断面形状として、箱桁の下床版部分に相当する部分を無くしたπ型の主桁をストラットで支持する構造を採用し、透過性のある桁下空間を実現しました。

図版:透過性のある桁下空間

透過性のある桁下空間

図版:パワークリートの現場打設状況

パワークリートの現場打設状況

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図版:秋葉原公共デッキ(完成写真)

秋葉原公共デッキ(完成写真)

<概要>

企業者:UDXグループ(エヌ・ティ・ティ都市開発、ダイビル、鹿島)

場所:東京都千代田区

工期:2004年5月~2006年1月

構造形式:2径間連続PC桁橋(全外ケーブル方式)

橋長:63.7m

支間割:33.2m+25.9m+3.8m(片持ち部)

幅員:8.0m(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「低収縮型超高強度コンクリート(f’ck=120N/mm2)を用いた歩道橋の計画と設 ─秋葉原歩道橋─」,平成16年度土木学会年次学術講演会,2004年9月
  • 「低収縮型超高強度コンクリートを用いた橋梁上部工の施工 ─秋葉原公共デッキ建設工事─」,コンクリート工学,Vol.43 No.11,2005年11月
  • 「低収縮型超高強度コンクリートを用いた歩道橋の計画と設計 ─秋葉原歩道橋─」,第13回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム,2004年10月
  • 「低収縮型超高強度コンクリートを用いた秋葉原公共デッキの施工」,第14回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム,2005年11月

繊維補強コンクリートを用いた跨道橋
(梅島山下橋)

キーワード

繊維補強コンクリート、ビニロン繊維、跨道橋、斜材付きπ型ラーメン橋

本橋は、新東名高速道路南沢川橋(PC上部工)工事の一部として静岡県静岡市清水吉原地区に建設された跨道橋です。高速道路を跨ぐことから、コンクリートの剥落防止を目的として繊維を混入した繊維補強コンクリートを主桁、垂直材、高欄部分に採用しています。

繊維は耐腐食特性に優れる有機系短繊維に着目し、各種補強効果について検討を行い、ビニロン繊維を使用しました。ビニロン繊維は、他の有機系繊維に比べ高強度・高剛性であるためコンクリートに混入した際の補強効果が大きいことが特長です。また、通常の繊維補強コンクリートに使われる鋼繊維に比べ混ざりやすくかつ軽量であるため、施工の省力化を図ることができます。

図版:ビニロン繊維

ビニロン繊維

図版:実物大試験体

実物大試験体

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図版:梅島山下橋(完成写真)

梅島山下橋(完成写真)

<概要>

企業者:日本道路公団静岡建設局

場所:静岡県静岡市

工期:1999年10月~2003年6月

構造形式:PRC斜材付変形π型ラーメン橋

橋長:91.54m

支間割:20.3m+50.8m+20.4m

幅員:4.0m

学会論文発表実績

  • 「剥落防止を目的とした繊維補強コンクリートの実橋への適用性検討」,土木学会第56回年次学術講演,2001年10月

PC斜張橋

コンクリート橋の長大化に理想的な構造形式

PC斜張橋は、耐久性に優れたコンクリートと高張力ケーブルを組み合わせた、コンクリート橋の長大化に理想的な構造形式です。主桁、主塔、斜材ケーブルの多様な組合せにより環境に調和する美観を追及することができ、地域のシンボル的な存在となります。

わが国においても各地で相次いでPC斜張橋が建設され、その支間も長大化しています。鹿島は数々のPC長大橋の実績をもとに、早くからPC斜張橋の設計・施工に関する研究開発に取り組み、多数のPC斜張橋を手がけて技術の蓄積を図ってきました。

国内最長の径間長を有する斜版橋
(第二吾妻川橋梁)

キーワード

鉄道橋、斜版橋、曲線橋、張出し架設

第二吾妻川橋梁は、岩島駅より上流側の約1.0kmの地点から、曲線半径600mの左曲線を描きながら吾妻川を渡河する橋梁です。単径間PRC桁橋と3径間連続PRC斜版橋の2橋で構成され、PC斜版橋の中央スパン167.0mは国内最長となります。

「PRC斜版橋」という構造形式が採用されたのは、鉄道橋には乗客の安全性と快適性の確保が求められることと、吾妻川をまたぐ大スパンを実現することの二つの理由によります。この構造は、長大支間に適した斜張橋に似た形状で、主塔を介してケーブルを斜めに配置して橋桁を吊り上げるとともに、このケーブルを版状のコンクリートで被覆して、主桁の揺れの軽減を図っており、剛性と列車走行性に優れた鉄道橋に適した構造形式となっています。世界的に珍しい独立4本柱の主塔形状は、地域住民の結束を意味し、みんなで力を合わせて支えるイメージを表現しました。また、柱の断面を上下で変化させることで、つり合いと安定感を創出しています。

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図版:全景

全景

図版:施工写真

施工写真

<概要>

企業者:東日本旅客鉄道

場所:群馬県吾妻郡

工期:2005年7月~2010年3月

構造形式:PRC3径間連続斜版橋

橋長:390.0m

支間割:110.4m+167.0m+110.4m

幅員:8.4m(全幅員)

学会論文発表実績

  • 「3径間連続PRC斜版中路箱桁橋の施工」,プレストレストコンクリート,2009年9月
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世界初の波形鋼板ウェブPC斜張橋
(豊田アローズブリッジ)

平成16年度土木学会田中賞(作品部門) 平成16年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)
2006年JCI日本コンクリート工学協会賞(作品賞)

キーワード

斜張橋、複合橋、鋼殻構造、クライミング足場、鋼製定着、超大型移動作業車、矢作川橋

豊田アローズブリッジは、新東名高速道路と東海環状道路の共有区間で、1級河川矢作川を横過する世界で初めての波形鋼板ウェブPC・鋼複合斜張橋です。

本橋の構造的な特徴は、コンクリートと鋼のメリットを最大限活かした複合構造を随所に採用するとともに、耐震設計や耐風設計などの大規模橋梁としての技術的課題に対しても最新の解析技術や様々な構造実験を行うことで、構造安全性・耐久性の確保に加え、経済性との両立も可能としました。また、主塔施工へのクライミング足場の採用や、超大型移動作業車を用いた主桁の張出し架設など、最先端の施工技術を駆使して、短期間で高品質な施工が行われました。

図版:全景

全景

図版:超大型移動作業車による主桁張出し架設

超大型移動作業車による主桁張出し架設

<概要>

企業者:日本道路公団

場所:愛知県豊田市

工期:2001年8月~2005年3月

構造形式:PC4径間連続波形鋼板ウェブPC・鋼複合斜張橋

橋長:820m

支間割:173.4m+235.0m+235.0m+173.4m

幅員:43.8m(全幅員) 40.0m(有効幅員)

主塔高:109.6m(橋脚天端より)

斜材:セミファン型並列一面吊り(16段 工場製作ケーブル)

学会論文発表実績

  • 「矢作川橋の上部構造の設計」,橋梁と基礎,2005年2月
  • 「矢作川橋の下部・基礎構造の設計・施工」,橋梁と基礎,2005年2月
  • 「矢作川橋の上部構造の施工」,橋梁と基礎,2005年2月
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プレキャストセグメント工法によるPC斜張橋
(天建寺橋)

キーワード

PC斜張橋、プレキャストセグメント工法、セミショートラインマッチキャスト方式、レール式運搬車

天建寺橋は、佐賀県と福岡県を結ぶ一般県道西島筑邦線の現天建寺橋の老朽化に伴って計画された、橋長426.0m、中央支間219.0mを有する、3径間連続の長大PC斜張橋です。本橋は、筑後川を中心とした周辺の自然環境と一体となった景観の創造及び一般の方々に親しまれる地域のランドマークを創造するために、3径間連続のPC斜張橋が選定されました。

本橋の施工には、省力化と工期短縮を目的として、3室箱桁断面を有するPC斜張橋としては我国で初めてプレキャストセグメント工法が採用されました。主桁セグメントの製作には、6セグメント分の底版型枠と1セグメント分の側型枠及び内型枠を用意し、6セグメントの製作をマッチキャスト方式で1サイクルとして繰り返す「セミショートラインマッチキャスト工法」を採用しました。本工法の採用により、「ロングラインマッチキャスト工法」よりも製作ヤードや製作設備の規模を小さくでき、「ショートラインマッチキャスト工法」と比較して基準セグメントの移動とセットの回数を減らせることから、セグメント製作工程や製作精度管理の省力化を図ることができました。

図版:製作ヤード全景

製作ヤード全景

  • 外ケーブル及び高強度コンクリートの採用
    主桁に配置されているPC鋼材には、一部外ケーブル方式が採用されており、さらに、設計基準強度σck=60N/mm2の高強度コンクリートを採用することにより、セグメントの軽量化が図られています。

図版:施工写真

施工写真

  • エレクションガーダーによる張出し架設
    主桁セグメントは張出し工法により架設されました。セグメントの架設地点までの運搬には、既設の主桁上に架設されたエレクションガーダー上を走行する桁吊り装置を用いました。各セグメントは、架設地点まで運搬された後、桁吊り装置に保持された状態で、接着剤の塗布、引き寄せ、PC鋼材の緊張等の一連の作業を行い既設のセグメントと一体化されました。

図版:天建寺橋(完成写真)

天建寺橋(完成写真)

<概要>

企業者:佐賀県鳥栖土木事務所

場所:佐賀県三養基郡~福岡県久留米市

工期:1996年7月~1999年3月

構造形式:3径間連続PC斜張橋

橋長:426.0m

支間割:102.7m+219.0m+102.7m

幅員:全幅14.6~17.6m

主塔高さ:56.0m

学会論文発表実績

  • 「プレキャストセグメント工法で施工されるPC斜張橋について ─一般県道西島筑邦線天建寺橋橋梁整備工事─」,プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム(第7回),1997年10月

プレキャストセグメント橋

PC橋梁施工の合理化・省力化

プレキャストセグメント橋は、工場あるいは現場に隣接するヤードで、橋体を橋軸方向あるいは橋軸直角方向に分割して製作したセグメントを架設現場へ搬入し、プレストレスにより一体化する橋梁です。本橋は、セグメント製作と架設あるいは下部工施工との並行作業が可能で工期短縮を図れることや、大幅な機械化・自動化が可能なことから、労働力不足対策・建設コスト低減といった建設市場の要請に対して有効であり、近年採用が増えております。

断面分割型プレキャストセグメント工法を用いたPC箱桁橋
(内牧高架橋)

平成18年度土木学会田中賞(作品部門) 平成18年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

プレキャストセグメント、断面分割、コンクリートストラット

内牧高架橋は、新東名高速道路静岡IC~藤枝岡部IC間の静岡県静岡市葵区内牧に建設された、上下線ともに約1kmの21径間連続PC箱桁橋です。上部構造の特徴は、張出し床版をコンクリート製のストラットで支持した、断面分割型プレキャストセグメント工法をわが国で初めて適用したことにあります。

ストラット付PC箱桁は、等間隔に配置した斜めのストラットで張出し床版を支持する形式です。下床版の幅を狭く出来るため、主桁の断面積が小さくなり、上部構造が軽くなります。その結果、橋脚の断面積や基礎の規模を小さく出来、経済性・耐震性が向上します。断面分割型プレキャストセグメント工法は、主桁断面の一部(コアセグメント)をプレキャストセグメントとして製作し架設した後に、残る部分を場所打ち架設して断面を完成させる工法で、セグメント製作及び架設設備を小規模化することにより、架設費を低減できます。

図版:全景

全景

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図版:コアセグメント架設状況

コアセグメント架設状況

<概要>

企業者:中日本道路高速

場所:静岡県静岡市

工期:2000年10月~2004年1月(その1)
2003年11月~2006年11月(その2)

構造形式:21径間連続PC箱桁橋(上下線とも)

橋長:1048.16m(上り線) 1024.16m(下り線)

支間割:
42.0m+8@53.0m+10@51.5m+39.0m+25.0m(上り線)
28.0m+18@51.5m+41.0m+25.0m(下り線)

幅員:18.05m(全幅員) 16.50m(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「新東名高速道路内牧高架橋の設計・施工」,プレストレストコンクリート,2006年9月

中長支間に対応した変断面構造を有するプレキャストセグメント橋梁
(阿賀のかけはし)

キーワード

プレキャストセグメント、ロングライン、マッチキャスト、バランスドカンチレーバー、スパンバイスパン

「阿賀のかけはし」は新潟市から秋田県河辺市まで続く総延長250kmの日本海東北自動車道の一部を成し、新潟市境の阿賀野川を渡る12径間連続PC橋です。

プレキャストセグメント橋はセグメント形状が類似している等断面構造への採用が一般的です。しかしながら本橋でも設計面・施工面で工夫を加え、プレキャストセグメント工法の利点であるコンクリートの品質向上や急速施工性を損なうことなく、比較的長径間の変断面PC橋への適用を実現しました。

セグメント製作方法はロングラインマッチキャスト方式とし変断面構造への対応および高さ管理を容易にしています。

図版:全景

全景

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図版:セグメントヤード

セグメントヤード

<概要>

企業者:日本道路公団

場所:新潟県新潟市~豊栄市

工期:1998年8月~2002年3月

構造形式:12径間連続PC箱桁橋

橋長:951.0m

支間割:69.2m+69.0m+8@83.5m+71.0m+72.2m

幅員:19.25~10.75m(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「日本海東北自動車道『阿賀のかけはし』の施工」,コンクリート工学,2002年8月

世界初のPC・鋼混合連続エクストラドーズド橋
(トゥインクル(木曽川橋))

平成13年度土木学会田中賞(作品部門) 平成13年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

エクストラドーズド橋、PC鋼混合橋、プレキャストセグメント工法、ショートラインマッチキャスト方式

木曽川橋は、新名神高速道路のうち木曽川を横断する箇所に建設された世界で初めてのPC・鋼混合5径間連続エクストラドーズド橋です。中央支間は275mあり、日本の河川にかかる橋の中で最大級の支間となります。PC・鋼混合構造とは、圧縮に強いコンクリートの特長と、軽量化が可能な鋼の長所を複合させた合理的で経済的な構造です。

本橋のコンクリート桁部は、ショートライン・マッチキャスト方式で製作したプレキャストセグメントを張出し架設しました。鋼桁部は、工場で大ブロックに製作し、架設地点で一括吊り上げ架設工法により施工しました。

図版:ショートライン・マッチキャスト方式によるセグメント製作

ショートライン・マッチキャスト方式によるセグメント製作

図版:エレクションノーズによる張出し架設

エレクションノーズによる張出し架設

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図版:エレクショントラスを用いた側径間部の逆張出し架設

エレクショントラスを用いた側径間部の逆張出し架設

図版:鋼桁の一括吊り上げ架設

鋼桁の一括吊り上げ架設

図版:木曽川橋(完成写真)

木曽川橋(完成写真)

<概要>

企業者:日本道路公団

場所:三重県桑名郡

工期:1997年9月~2001年6月

構造形式:
PC・鋼混合5径間連続エクストラドーズド箱桁橋

橋長:1,145m

支間割:160.0m+3@275.0m+160.0m

幅員:14.0m×2(有効幅員)

学会論文発表実績

  • 「木曽川橋、揖斐川橋の設計・施工 ─複合エクストラドーズド橋─」,プレストレストコンクリート,第41巻2号,
    1999年3月
  • 「木曽川橋・揖斐川橋複合構造接合部の設計と施工」プレストレストコンクリート,第42巻1号,2000年1月
  • 「木曽川橋・揖斐川橋」橋梁と基礎,2002年8月

プレキャストセグメント工法によるPC斜張橋
(天建寺橋)

キーワード

PC斜張橋、プレキャストセグメント工法、セミショートラインマッチキャスト方式、レール式運搬車

天建寺橋は、佐賀県と福岡県を結ぶ一般県道西島筑邦線の現天建寺橋の老朽化に伴って計画された、橋長426.0m、中央支間219.0mを有する、3径間連続の長大PC斜張橋です。本橋は、筑後川を中心とした周辺の自然環境と一体となった景観の創造及び一般の方々に親しまれる地域のランドマークを創造するために、3径間連続のPC斜張橋が選定されました。

本橋の施工には、省力化と工期短縮を目的として、3室箱桁断面を有するPC斜張橋としては我国で初めてプレキャストセグメント工法が採用されました。主桁セグメントの製作には、6セグメント分の底版型枠と1セグメント分の側型枠及び内型枠を用意し、6セグメントの製作をマッチキャスト方式で1サイクルとして繰り返す「セミショートラインマッチキャスト工法」を採用しました。本工法の採用により、「ロングラインマッチキャスト工法」よりも製作ヤードや製作設備の規模を小さくでき、「ショートラインマッチキャスト工法」と比較して基準セグメントの移動とセットの回数を減らせることから、セグメント製作工程や製作精度管理の省力化を図ることができました。

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図版:製作ヤード全景

製作ヤード全景

  • 外ケーブル及び高強度コンクリートの採用
    主桁に配置されているPC鋼材には、一部外ケーブル方式が採用されており、さらに、設計基準強度σck=60N/mm2の高強度コンクリートを採用することにより、セグメントの軽量化が図られています。

図版:施工写真

施工写真

  • エレクションガーダーによる張出し架設
    主桁セグメントは張出し工法により架設されました。セグメントの架設地点までの運搬には、既設の主桁上に架設されたエレクションガーダー上を走行する桁吊り装置を用いました。各セグメントは、架設地点まで運搬された後、桁吊り装置に保持された状態で、接着剤の塗布、引き寄せ、PC鋼材の緊張等の一連の作業を行い既設のセグメントと一体化されました。

図版:天建寺橋(完成写真)

天建寺橋(完成写真)

<概要>

企業者:佐賀県鳥栖土木事務所

場所:佐賀県三養基郡~福岡県久留米市

工期:1996年7月~1999年3月

構造形式:3径間連続PC斜張橋

橋長:426.0m

支間割:102.7m+219.0m+102.7m

幅員:全幅14.6~17.6m

主塔高さ:56.0m

学会論文発表実績

  • 「プレキャストセグメント工法で施工されるPC斜張橋について ─一般県道西島筑邦線天建寺橋橋梁整備工事─」,プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム(第7回),1997年10月

波形鋼板ウェブPC橋

箱桁のウェブに波形鋼板を用いた複合橋梁

波形鋼板ウェブPC橋は、従来のプレストレストコンクリート箱桁の軽量化を図るため、ウェブに波形鋼板を用いた複合橋梁で、施工性・経済性に優れ、鋼・コンクリートの特性を活用したPC橋の新たな構造形式として注目されております。

鹿島では、東海北陸自動車道下田橋において、初めて波形鋼板ウェブ橋を設計しましたが、より高度な設計法を開発して今後の長大化に対応するために、複合非線形解析によるせん断座屈の評価方法を開発しております。

国内最大級の支間と幅員変化を有する波形鋼板ウェブ箱桁橋
(裏高尾橋)

平成23年度プレストレストコンクリート技術協会賞(作品部門)

キーワード

波形鋼板ウェブ、幅員変化、混合桁、高強度PC鋼材、Super-RC構造

首都圏中央連絡自動車道と中央自動車道が交差する八王子ジャンクションと、その南側に位置する高尾山トンネルをつなぐPC・鋼混合4径間連続ラーメン箱桁橋です。本橋の最大支間は下り線中央径間で155mとなっており、波形鋼板ウェブPC箱桁ラーメン橋としては国内最大級の支間を有しているとともに、張出し架設長(上り線102m)は国内最大です。その他として、以下の特徴を有しております。

  • 橋脚への高強度鉄筋(SD685)の採用:橋脚のスリム化を実現し、全体工期の短縮や橋脚基礎の縮小を実現。
  • 高強度PC鋼材の採用:上部工の耐震性確保のため、高速道路橋として初めて高強度PC鋼材を採用。
  • 移動作業車(拡幅タイプ)の採用:メインフレームと上部トラス梁の間に横断方向へスライドする機構を設置。
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図版:PC桁の施工状況(移動作業車[拡幅タイプ]による張出し架設)

PC桁の施工状況
(移動作業車[拡幅タイプ]による張出し架設)

図版:高強度PC鋼材配置概要図(上り線)

高強度PC鋼材配置概要図(上り線)

図版:裏高尾橋(完成写真)

裏高尾橋(完成写真)

<概要>

企業者:中日本高速道路

場所:東京都八王子市

工期:2006年3月~2012年3月

構造形式:PC波形鋼板ウェブ・鋼混合4径間連続箱桁橋

橋長:【上り線】405.5m 【下り線】438.0m

支間割:
【上り線】51.5m+140.5m+140.0m+69.5m
【下り線】67.0m+155.0m+144.0m+68.0m

有効幅員:
【上り線】9.75m~17.723m
【下り線】9.75m~21.055m

学会論文発表実績

  • 「首都圏中央連絡自動車道 裏高尾橋工事における基礎工の施工 ─ニューマチックケーソンおよび大口径深礎─」,橋梁と基礎,2010年9月号,2010年9月
  • 「首都圏中央連絡自動車道裏高尾橋の設計・施工 ─国内最大級の支間と幅員変化を有する波形鋼板ウェブ箱桁橋─」,プレストレストコンクリート,第54巻1号,2012年1月
  • 「首都圏中央連絡自動車道 裏高尾橋の施工」,橋梁と基礎,2012年2月号,2012年2月
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世界初の波形鋼板ウェブPC斜張橋
(豊田アローズブリッジ)

平成16年度土木学会田中賞(田中賞) PC技術協会賞(作品部門) 平成18年度JCI作品賞

キーワード

斜張橋、複合橋、鋼殻構造、クライミング足場、鋼製定着、超大型移動作業車、矢作川橋

豊田アローズブリッジは、新東名高速道路と東海環状道路の共有区間で、1級河川矢作川を横過する世界で初めての波形鋼板ウェブPC・鋼複合斜張橋です。

本橋の構造的な特徴は、コンクリートと鋼のメリットを最大限活かした複合構造を随所に採用するとともに、耐震設計や耐風設計などの大規模橋梁としての技術的課題に対しても最新の解析技術や様々な構造実験を行うことで、構造安全性・耐久性の確保に加え、経済性との両立も可能としました。また、主塔施工へのクライミング足場の採用や、超大型移動作業車を用いた主桁の張出し架設など、最先端の施工技術を駆使して、短期間で高品質な施工が行われました。

図版:全景

全景

図版:超大型移動作業車による主桁張出し架設

超大型移動作業車による主桁張出し架設

<概要>

企業者:日本道路公団

場所:愛知県豊田市

工期:2001年8月~2005年3月

構造形式:PC4径間連続波形鋼板ウェブPC・鋼複合斜張橋

橋長:820m

支間割:173.4m+235.0m+235.0m+173.4m

幅員:43.8m(全幅員) 40.0m(有効幅員)

主塔高:109.6m(橋脚天端より)

斜材:セミファン型並列一面吊り(16段 工場製作ケーブル)

学会論文発表実績

  • 「矢作川橋の上部構造の設計」,橋梁と基礎,2005年2月
  • 「矢作川橋の下部・基礎構造の設計・施工」,橋梁と基礎,2005年2月
  • 「矢作川橋の上部構造の施工」,橋梁と基礎,2005年2月

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