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東日本大震災における鹿島の取組み

JR仙石線 復旧工事

JR仙石線を内陸側に移設して復旧

宮城県仙台市と石巻市を結ぶJR仙石線。沿岸部を走る仙石線は津波により大きな被害を受けました。特に被害の大きかった陸前大塚駅~陸前小野駅間は、東松島市の復興まちづくりと一体となった復旧計画が策定され、東名(とうな)と野蒜(のびる)の二つの駅を含む約3.5kmの区間を内陸側にルートを移設して復旧することになりました。

鹿島では、このうち、新・東名駅を含む仙台側の約1.3kmの区間を担当し、4つの高架橋(合計約385m)の新設と切土・盛土工等を行いました。2015年5月、工事は無事完成し、仙石線全線で運行が再開されました。

図版:イメージ

工事概要

JR仙石線東名工区

発注者
東日本旅客鉄道 東北工事事務所
施工者
鹿島
工事概要
土工(盛土・切土)約17,000m3、入り江埋立約1,300m2、高架橋4橋(80m+100m+100m+105m)新設、
排水工約3,000m
工期
2013年3月~2015年5月
改ページ

完了のご報告

震災から4年、JR仙石線が全線で運行再開

東日本大震災の津波の影響で不通となっていたJR仙石線の陸前大塚~陸前小野間の運行が、2015年5月30日に再開され、仙石線の全線で運行が開始されました。当日は運行再開を祝う様々なイベントが行われ、運行再開を待ちわびていた多くの住民の方や関係者が参加しました。

図版:完成した高架橋を通過する仙石線の列車

完成した高架橋を通過する仙石線の列車

鹿島は、内陸側に移設された新しい東名駅を含む1.3kmの区間を担当し、4つの高架橋や盛土等の施工を2年2ヶ月にわたって行いました。工事を統括した神品英夫所長は工事担当者を代表して「周辺住民の皆さんには、工事に対してご理解とご協力をいただいたことに感謝しています。現場従事者一同、早期復旧を願う住民の皆さんの期待に応えられるよう目標に向かって頑張りました」と語っています。

JR仙石線が全線復旧し、併せて仙石東北ラインが新たに開業したことで、仙台~石巻間の人の流れも活発になり、周辺の復興まちづくりのスピードもますます上がることが期待されます。

図版:上空からの様子。手前に完成した高架橋と周辺の復興工事の様子が見える(2015年5月)

上空からの様子。手前に完成した高架橋と周辺の復興工事の様子が見える(2015年5月)

図版:開通を祝うイベントで披露された野蒜小学校の児童による太鼓の演奏

開通を祝うイベントで披露された野蒜小学校の児童による太鼓の演奏

図版:式典の看板

式典の看板

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復興まちづくりと一体となって行われる鉄道復旧事業

工事が行われているのは「奥松島」と呼ばれる島が点在する日本有数の景勝地へ向かう半島の付け根にあたる部分です。JR仙石線は、この付け根部分を横断するように走っていましたが、津波の被害により現在も高城町駅〜陸前小野駅間が運休となっています。この運休区間のうち、陸前大塚駅~陸前小野駅間は従来の仙石線のルートを内陸側に移設して復旧されることになりました。内陸側に移設する区間は約3.5km。その中で東名駅と野蒜駅の2つの駅は東松島市が推進している高台のまちづくり地区の中に移設します。東名駅は約600m、野蒜駅は約500mこれまでの駅よりも内陸側に移設することになりました。

図版:仙石線移設計画の概要

仙石線移設計画の概要

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高台の造成エリアへアプローチする4つの橋

鹿島が施工を担当しているのは移設する3.5kmの区間のうち、新・東名駅を含む1.3kmの区間です。新・東名駅が設けられる高台の造成エリアは22mの標高となるため、陸前大塚駅を出てから上り勾配でアプローチし、4つの橋梁につながっていきます。

2014年11月

2014年7月には高架橋の上部工がほぼ完了し、線路の敷設も順次行われました。盛土部、造成部もほぼ完了し、新・東名駅の建築工事も急ピッチで進んでいます。

図版:高台へとアプローチする高架橋

高台へとアプローチする高架橋

図版:盛土部と接続する高架橋

盛土部と接続する高架橋

図版:盛土部

盛土部

図版:建設が進む新・東名駅のホームと造成部

建設が進む新・東名駅のホームと造成部

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2014年1月

4つの橋梁の下部工として、15基の橋脚の工事が進んでいます。

図版:A1橋台

A1橋台

図版:橋脚が並ぶ

橋脚が並ぶ

図版:全景

全景

図版:完成予想パース(高架橋)

完成予想パース(高架橋)

Column 東名駅で「レール締結式」が挙行

2014年12月14日、東名駅において、JR仙石線陸前大塚駅~陸前小野駅間(延長6.4km)の復旧工事の完了に伴う「レール締結式」が行われました。津波で流された仙石線のレールが、震災後、約3年9か月の月日を経て再びつながりました。現在も列車の運行が休止されている高城町駅~陸前小野駅間は、復旧工事を2015年6月までに終え、全線で運行が再開される予定です。

図版:工事関係者によるレール締結の模様

工事関係者によるレール締結の模様

図版:テープカットの様子

テープカットの様子

図版:ほぼ完成した東名駅舎とつながったレール

ほぼ完成した東名駅舎とつながったレール

図版:雪化粧した高架橋

雪化粧した高架橋

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