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都市インフラ

土留め掘削工の情報化施工「MARK-Ⅲ」システム

情報化施工により、安全かつ合理的な土留め掘削工を実現

地下掘削工事における土留め工やその周辺地盤の挙動は複雑であるため、工事を安全、経済的、かつ正確に進めるためには、情報化施工の実施が重要です。情報化施工とは、計画段階の設計条件に基づく予測(長期予測)に対し、施工途中の第“n”ステップで得られた各種計測結果を踏まえ、次の第“n+1”ステップの予測(短期予測)を見直し、工事完了の最終ステップの予測精度を順次向上させていく手法です。

MARK-Ⅲシステムは、施工途中段階で得られる計測データから、地盤のパラメータを算定する(現状解析)と共に、工事完了までの各施工段階の土留め壁の断面力、変位および支保工の応力を予測する(予測解析)ことで、情報化施工を実現するシステムであり、これにより合理的かつ安全に掘削工事を進めることができます。

平成21年度土木学会技術賞

図版:情報化施工の概念

情報化施工の概念

キーワード

土留め壁、情報化施工、計測管理、逆解析

MARK-Ⅲシステムによる情報化施工の実施フロー

MARK-Ⅲシステムを用いた情報化施工の実施フローを右に示します。

本システムは、現場での掘削工事の各掘削ステップで得られた各種計測データに基づき、MARK-Ⅲシステムで現状解析(逆解析)を行い、次ステップ以降の土留めの挙動を的確に予測し、施工へフィードバックするものです。

なお、MARK-Ⅲシステムにおける「現状解析」および「予測解析」の内容は、それぞれ以下の通りです。

図版:MARK-Ⅲシステムを用いた情報化施工の実施フロー

MARK-Ⅲシステムを用いた情報化施工の実施フロー

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  1. (1)現状解析土留め壁の変位計測データや切梁軸力データを基に、主働土圧、受働土圧、地盤のバネ、静止土圧の4つの地盤パラメータを変動させ、弾塑性解析を繰り返すことにより、計測変位と実測変位の誤差が最小となるパラメータの組み合わせを選定します。
  2. (2)予測解析「現状解析」で求めたパラメータを用いて、工事完了までの各施工段階における土留め壁の断面力、変位、および支保工反力を予測します。

特長・メリットココがポイント

安全・合理的な施工が可能

「予測解析」の結果、予測値が許容値を超えると予想される場合には、支保工段数の追加など、事前に対応策を講ずることで、安全な施工を可能とします。逆に、土留め工が十分な安全性を有していると判断される場合は、次ステップ以降の支保工の仕様のランクダウン、あるいは支保工段数の削減等により、施工の合理化を可能とします。

図版:本システムの実施工への適用(弾塑性解析)

本システムの実施工への適用(弾塑性解析)

既設構造物に近接して
土留め掘削を行う場合でも、
安全・確実な施工が可能

「予測解析」により、土留め壁の発生変位を予測すると共に、その結果を用いて別途FEM解析等を実施することで、周辺構造物の変状を予測(近接影響検討)し、事前に適切な対策を施しながらの施工が可能です。

図版:本システムの実施工への適用(FEM解析)

本システムの実施工への適用(FEM解析)

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適用実績

図版:東京湾横断道路川崎人工島

東京湾横断道路川崎人工島

場所:神奈川県川崎市

竣工年:1997年3月

発注者:東京湾横断道路株式会社

規模:RC連続壁 外径約98m
最大掘削深度約41.7m

図版:首都高速道路大宮線与野JCT付近

首都高速道路大宮線
与野JCT付近

場所:埼玉県与野市

竣工年:2002年7月

発注者:首都高速道路

規模:切梁式ソイルセメント連続壁
施工延長約120m 土留め幅約28m
最大掘削深度約28m

図版:阪神高速道路神戸山手線大道付近

阪神高速道路神戸山手線
大道付近

場所:兵庫県神戸市

竣工年:2006年3月

発注者:神戸高速鉄道

規模:グラウンドアンカー式RC連続壁
施工延長約140m 土留め幅約45m
最大掘削深度約31m

図版:京阪中之島線大江橋駅

京阪中之島線大江橋駅

場所:大阪府大阪市

竣工年:2009年8月

発注者:中之島高速鉄道

規模:切梁式ソイルセメント連続壁
施工延長約175m 土留め幅約18m
最大掘削深度約29.3m

図版:中日本高速道路名古屋第二環状自動車道高針JCT付近

中日本高速道路名古屋第二環状
自動車道高針JCT付近

場所:愛知県名古屋市

竣工年:2009年8月

発注者:中日本高速道路名古屋支社

規模:切梁式ソイルセメント連続壁
施工延長約730m 土留め幅約42m
最大掘削深度約13m

図版:福岡外環状道路井尻地区

福岡外環状道路井尻地区

場所:福岡県福岡市

竣工年:2011年3月

発注者:国土交通省九州地方整備局

規模:切梁式鋼矢板土留め壁
施工延長約108m 土留め幅約42m
最大掘削深度約11.3m

図版:中須賀第2雨水排水ポンプ場

中須賀第2雨水排水ポンプ場

場所:愛媛県松山市

竣工年:2012年11月

発注者:愛媛県松山市

規模:切梁式ソイルセメント連続壁
平面延長約175m
最大掘削深度約17.6m

学会論文発表実績

  • 「千葉市寒川雨水ポンプ場建設工事 山留予測解析(MARK-Ⅲ)」,建設の機械化,No.598,1999年12月
  • 「土留め工の逆解析・予測解析結果の事例紹介」,土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集,Vol.32-3巻,2005年3月
  • 「現状・予測解析による山留め支保工計画の合理化」,第40回地盤工学研究発表会,2005年7月
  • 「九州整備局/6年ぶりに契約後VEが成立/福岡外環状道井尻擁壁」,建設通信新聞,2009年2月25日
  • 「鉄道近接工事における山留め情報化施工」,第47回地盤工学研究発表会,2012年7月

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