ホーム > 技術とサービス > データセンター > リスクに強い!高信頼性の確保:構造編

データセンター

構造編

地震に強い鹿島の構造技術で
高信頼のデータセンターを実現します。

免震技術
免震構造のパイオニアである鹿島が、最適なシステムをご提案します。

データセンターの構造には、大地震に対する安全性だけでなく事業継続性(BCP)が求められます。このためには、堅牢な耐震構造よりも、地震による揺れを適切にコントロール可能な免震構造がよりふさわしいと考えます。鹿島は国内における免震構造のパイオニアであり、業界トップクラスの実績を誇っています。多様なデバイスを適切に組み合わせて、個々の建物に合った最適な免震システムをご提案します。

図版:イメージ

キーワード

スマート免震、本免震、3次元免震
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スマート免震基礎工法

環境に優しく合理的な次世代免震工法

従来の免震構造では、免震装置下部に剛強な基礎梁やマットスラブが必要となり、この部分の掘削量や躯体数量が大きく、免震構造を適用する際のコストアップ要因の一つとなっていました。スマート免震基礎工法は、高度な解析技術に鹿島独自の検証方法を組み合わせることで、耐震性を確保しながら基礎梁断面の最適化を行います。数量低減によるコストダウンと工期短縮が可能であるとともに、掘削土量低減により環境にも優しい工法です。

図版:従来工法とスマート免震基礎工法の比較

従来工法とスマート免震基礎工法の比較:
掘削深度の低減によるコストダウンと工期の短縮

床免震システム

サーバーが設置される床だけを免震化、リニューアルにも適用可能

建物基礎部に免震装置を設置する「基礎免震」に対し、サーバーが設置される床だけを免震化するのが「床免震」です。必要なエリアだけを免震化するため、重要な機器を効果的に守ることが可能です。 建築基準法上の手続きが不要であり、耐震構造の既存データセンターへの適用も有効です。

免震システムには、水平方向の揺れを低減する「水平免震」、鉛直方向の揺れを低減する「上下免震」、その組合せの「3次元免震」があります。ボールベアリングや空気ばね、オイルダンパなど様々なデバイスがあり、必要性能に応じた最適な床免震システムの提案が可能です。

図版:床免震の適用事例

床免震の適用事例

加震実験の動画

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基礎免震と上下床免震を組み合わせた3次元免震システム

あらゆる方向の揺れからサーバーを守る

建物の安全性を高めるとともに水平方向の揺れを抑制する基礎免震と、サーバーエリアの鉛直方向の揺れを抑制する上下床免震を組合せることで、効果的に3次元免震システムを構築することが可能です。

あらゆる方向の揺れを低減することが可能であり、地震によるサーバーへの影響を最小限にすることが期待できます

上下免震床システムは必要に応じて、サーバールームごと、またはエリアごとに採用することができます。

図版:2次元免震システムと3次元免震システムの比較

2次元免震システムと3次元免震システムの比較

免震装置概要

  • 免震装置は、復元機構となる空気ばねと、減衰機構となるオイルダンパーより構成します。
  • 常時の歩行安定性を向上させるため、粘弾性体ダンパーを使用します。
  • 機器のレイアウト変更時に免震床上を常に一定レベルに保つよう自動レベリング装置を組込みます。

図版:上下免震装置の概要

応答解析による上下床免震の効果検証例

上下床免震の振動低減効果を鉛直方向地震動に対する時刻歴応答解析により検証しました。「梁中央位置」では、コンクリートスラブの応答加速度に比べ、フリーアクセスフロアの応答加速度が最大で1/5に低減し、上下免震の効果が大きく表れています。

図版:応答解析による上下床免震の効果検証例

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構造計画
どんなニーズにも柔軟に対応し、しっかりとサーバーを守ります。

データセンターの構造計画では、安全性、経済性だけでなく、ロングスパン化や機器配置に柔軟に対応できる“適応性”、地震時の変形や加速度を抑制する“堅牢性”などの付加価値が重要となります。鹿島はニーズに応じた多くの独自構法を保有しており、最適な構造計画をご提案いたします。鹿島の保有技術の中で、データセンターにふさわしい構造形式をご紹介します。

図版:イメージ

キーワード

KIP構法、KIP-RC構法、Hi-PRESS構法、フラットスラブ構法

KIP構法

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)の柱と、
鉄骨造(S)の梁を組み合わせた複合構造

圧縮力に強いSRC柱と、曲げに強いS梁のそれぞれの長所を活かし、大きなスパン(柱間隔)の広々とした空間を経済的に構築することが可能です。特に、中低層の建物に適しており、データセンターをはじめ、工場や倉庫、研究施設、事務所など、様々な用途に幅広く適用されています。従来のS造に対して、地震に対する揺れや加速度の増幅が小さく、データセンターにふさわしい構造形式と言えます

図版:KIP構法

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KIP構法の高い耐震性

鉄筋コンクリート造をはじめとする各種構造の地震被害として「柱梁接合部」の破壊事例が多数報告され、この部分が耐震性に大きく影響することが認識されています。KIP構法は数多くの実験、解析により「柱梁接合部」の設計法を確立し、日本建築センターの構造評定を取得しています。耐震性に優れた構法と言えます。

図版:接合部基本システム

接合部基本システム

図版:実際の接合部

実際の接合部

KIP-RC構法

KIP-RC構法は、柱を鉄筋コンクリート造(RC)、梁を鉄骨造(S)とする複合構造で、2010年に日本建築センターの構造評定を取得しました。KIP構法との違いは柱の芯鉄骨がないことで、施工条件が適合すれば経済的にメリットがあり、物流施設、生産施設をはじめとして、様々な用途の中低層建物に適用されています。

KIP構法同様、ロングスパンへの適応性と堅牢性を兼ね備えているため、データセンターにふさわしい構法と言えます。

図版:接合部基本システム

接合部基本システム

図版:実際の施工例

実際の施工例

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Hi-PRESS構法

引張ってくっつく。鹿島式PC圧着構法

Hi-PRESS(ハイプレス)構法は、工場生産した柱・梁部材(プレキャスト部材)を、現場で組み建てたあと、予め部材に仕込んであったPC鋼棒やPC鋼線で締め付けて、柱・梁を一体化するPC圧着構法です。

梁へのプレストレス導入により、梁寸法を抑えながら、S造並みのロングスパンの無柱空間が実現可能であるとともに、鉄筋コンクリートの堅牢性により、地震に対する揺れや加速度の増幅を小さく抑えることが可能です。また、プレキャスト化によりS造と変わらない短工期での施工が実現します。

堅牢性と工期短縮を実現できる、データセンターにふさわしい構造形式です。

図版:実際の施工例(大スパン建物)

実際の施工例(大スパン建物)

図版:Hi-PRESS構法 イメージ図

Hi-PRESS構法 イメージ図

地震時の損傷が少ない、高い安全性

高強度コンクリートとプレストレスト鋼材による躯体は、関東大震災クラスの地震時も安全で、地震がおさまると元の変形の無い状態に戻る高い耐震性能があるため、大地震後も大規模な補修や補強が不要であることが、実験で確かめられています。

図版:大型振動台による耐震実験の様子

大型振動台による耐震実験の様子

工場生産部材で、高品質・短工期

躯体工事は、工場生産による柱梁部材を現場で組立てる方式(ドライジョイント)のため、耐火被覆や仕上げ下地も不要で、鉄骨造以上の施工合理性が得られ、工期短縮に役立ちます。

免震・制震装置を組み込むことで架構部材の断面を縮小することが可能となり、ロングスパン化を始めとするHi-PRESS構法のメリットを更に引き上げることができます。

図版:工場生産部材で、高品質・短工期

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鹿島フラットスラブ工法

耐荷重が大きく、広々とした空間を可能にする、梁型の無い架構形式

鉄筋コンクリート造の柱と柱頭キャピタル、およびプレストレスコンクリート造のスラブで構成される梁型の無い架構形式です。耐震壁などの耐震架構を効果的に組合せることで経済性を発揮します。

スラブ内に懸垂状に配線したアンボンドPC鋼線を、コンクリート硬化後に引っ張ることで上向きの力(懸垂力)を与えます。床荷重を打ち消す懸垂力の働きにより、耐荷重が大きく、かつ広々とした空間の提供を可能としています。柱間隔は10m前後まで対応可能で、大きな耐荷重が求められる物流施設で多くの実績があります。サーバー機器の集積化が進むデータセンターに適した構造と言えます。

図版:鹿島フラットスラブ工法

設備の制約が少なく、階高を抑える

床下に梁型が無いため、設備に対する制約が少なく、天井チャンバー方式に効果的です。また、一般工法に比べ階高を抑えることが可能であり、高さに制約がある都市型データセンターに有効な工法です。

図版:一般工法と鹿島フラットスラブ工法

一般工法と鹿島フラットスラブ工法

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二次部材(天井・設備)の耐震化
鹿島独自の指針を制定し、性能評価・対策検討に適用します。

東日本大震災では、二次部材(天井・設備)の大規模な崩落事故による人的被害や事業中断が大きな問題となりました。
鹿島は「天井・設備の耐震性能評価」に関して、被害状況調査・振動台実験などによる独自の指針を制定し、二次部材の耐震性能評価・対策検討に適用しています。

平成25年2月28日に国土交通省から発出された告示改正案によると、「安全上重要な天井」として、以下のように定義されています。

  • 居室、廊下その他の人が日常立ち入る場所に設けられるもの
  • 高さが6mを超える天井部分で、水平投影面積が200m2を超える部分を含むもの
  • 天井面構成部材等の1m2あたりの平均質量が2㎏を越えるもの

※今後、国により新しい基準が制定された場合は社内指針もそれに準拠して見直していく予定です。

キーワード

二次部材、天井、設備、地震、震動、耐震、損傷、補強

二次部材(天井・設備)の被害の概要

天井の破損や落下の原因

  • 東日本大震災では、建物の構造体から吊られた天井材や設備機器は、地震動により揺れが増幅され、構造体よりも大きな加速度を受けました。天井自体の崩落やこれまで耐震対策の検討から除外されていた範囲の設備機器等で被害がみられました。
  • 段差のある天井部や天井内の設備機器は、それぞれが異なる周期で揺れることにより、相互干渉も発生します。

このような要因が複合して、天井の破損や落下の原因となりました。

図版:天井の損傷原因と対策例

天井の損傷原因と対策例

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【対策前(非耐震)】

下の映像は耐震性が考慮されていない天井を東日本大震災で得られた地震波を用いて、鹿島の大型振動台で揺らした場合です。地震により地盤から建物内に伝搬して来る地震力は、天井面においては段差部等の天井の吊り長さが異なるエリアに集中しやすくなり、次の順序で天井の崩壊や設備機器の落下が発生しています。

  1. ①:天井の段差部分(中央部のやや右側)と低い方の天井(段差部から左側)で下地金物が外れる。
  2. ②:低い方の天井が一体となり崩落する。
  3. ③:高い方の天井(段差部から右側)が大きくゆれ始める。
  4. ④:高い方の天井が右端部の壁に激しく衝突し、壁が崩壊する。
  5. ⑤:天井内設備機器(左側箱状の機器)を吊っているボルトが切れ、天井裏面に落下する。(実験の安全のため、ワイヤー吊りしています)

▼ 既存天井の被害状況(鹿島が実施した振動台実験より)

【対策後(耐震)】

右の映像は、非耐震の天井実験の結果をもとに、損傷した部分に対策を施した天井を同様の地震波で揺らした場合です。対策により天井は崩壊しません。実施した対策は以下のような内容です。

  1. ①:天井を揺れにくくするために、天井内に2対の斜め補強材を設置。
  2. ②:段差部分の補強。
  3. ③:下地金物を滑りにくいものに変更。
  4. ④:設備機器を揺れにくくするために、吊っているボルトに斜め補強を襷掛けに設置。

▼ 対策後の天井の状況(鹿島が実施した振動台実験より)

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