バットボックス(コウモリの巣箱)

コウモリを用い、飛翔性害虫の生物的防除を行います

地域に生息するコウモリを調査し、ねぐらや休息所(ナイトルースト)となるバットボックスを設置します。コウモリを誘致し、薬品を使用せずに蚊やブヨなどの飛翔性害虫の防除を行うことで、環境にやさしくランニングコストを抑えた維持管理を行うことができます。生息するコウモリの種類に合わせたバットボックスの形状、利用しやすい設置位置など、調査検証データに基づくアプローチにより、諸条件に応じたプランを提供します。また同時に、コウモリ観察会やバットボックス制作ワークショップを実施し、地域住民や関係者とのコミュニケーションを図ります。

バットボックス

バットボックス

バットボックス 設置状況

バットボックス 設置状況

コウモリは生態系のバランスを維持する上で欠くことのできない生き物です。国内に2種生息するオオコウモリは果実に加え花粉、蜜などを摂食するため、種子や花粉を運びます。その他33種のコウモリは飛翔性昆虫の捕食者として重要な生態的地位を占めています。捕食されている昆虫には農林業や衛生上の害虫も多数含まれ、コウモリがいなくなると農業にはもちろん、都市生活にも大きな影響があると言われています。例えば体重6gのヒナコウモリの場合、一晩に食べる餌の量は体重の半分、蚊で計算すると500匹程度にもなると言われています。つまり、コウモリは衛生害虫の増加を抑える役割を担っています。

そんなコウモリは洞窟や樹洞などの環境の他、家の屋根裏、戸袋、瓦の隙間など人家を棲み家にします。近年、開発による洞窟や樹洞などの環境が減少していることに加え、住宅の近代化や駆除などによりコウモリの生息環境は悪化しています。コウモリの巣箱であるバットボックスは人とコウモリの棲み分け、共生を可能とする手法です。

キーワード

バットボックス、コウモリ、蚊の防除、ブヨの駆除、飛翔性害虫防除、薬品不使用、
環境配慮、生物多様性、バットポスト
改ページ

コウモリを用いた環境コミュニケーションプログラム

日没から夜間を利用して実施する貴重な環境プログラムです

バットボックス制作ワークショップ

コウモリのねぐらや休息場所となるバットボックスを制作、設置することで、身近な生き物が自然の中でどのような役割を担っているか知ることができます。観察会を行うことでコウモリに対する正しい知識を見に付けてもらい、ネガティブな印象を払拭することも目的です。

バットボックス設置状況の確認(日没直後)

バットボックス設置状況の確認(日没直後)

コウモリ観察会

コウモリ観察会

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