「水素社会」へ向けた新研究拠点

2020年より稼働した福島水素エネルギー研究フィールドにおける、水素製造に関する実証実験のための研究室、及びその展示を併設した計画である。ここでは業種の違う4社の研究者が寄り集まり、各社の垣根を超えた研究が行われている。建物は研究室や展示室といった単位空間を余白ある連続的な配置とすることで、研究者のための多様な場所と、建築が一体化された展示空間が設えられている。プラントの無機質な表情と対比させた木外装は、木の色むらや節、表面の粗さなどをそのままの姿で素直に表現し、再生可能エネルギー研究の場であることを印象付けている。今後本施設が次世代のエネルギー研究の場としてより一層活用されていくことを期待する。