長寿命・高耐久
剥落防止とひび割れ低減
新設時に適用するコンクリートのひび割れ対策
- 構造物の種類・コスト・施工性を考え、最適な材料を適用
- 剥落防止を目的とした有機系短繊維補強コンクリート
- ひび割れ低減コンクリート
■ コンクリート構造物とひび割れ
コンクリート構造物のひび割れは耐久性に大きな影響を与えますが、ひび割れそのものを完全に無くすのは容易なことではありません。そこで、新設時に適用することでその対策となり、構造物の高耐久化を図るための技術が開発されています。

コンクリート構造物のひび割れ(参考)
■ 剥落防止を目的とした有機系短繊維補強コンクリート
コンクリートに有機系短繊維などを配合することでひび割れ進展を抑制し、劣化による剥落を防止するコンクリートです。
剥落防止効果
写真は、ひび割れを発生させるための膨張剤を中に仕込み、それによって発生したひび割れでコンリートが剥落する状況の実験です。
従来のコンクリートはひび割れが進展してコンクリート部分が完全に落ちていますが、剥落防止配合のコンクリートは、ひび割れが発生しても剥落が防止されているのがわかります。

剥落模擬実験(実験開始後120時間経過時)
上:従来配合のコンクリート
下:剥落防止配合のコンクリート
目的に応じて繊維を配合
使用する繊維は、コンクリートに混ぜる時に特殊な機械や煩雑な作業を必要としない、作業性・分散性に優れたポリプロピレン繊維とビニロン繊維です。それぞれの繊維には特長がありますので、要求される品質に応じて使い分けます。

作業性により優れたポリプロピレン繊維

補強効果により優れたビニロン繊維
■ ひび割れ低減コンクリート
コンクリートの収縮によって発生するひび割れを、大幅に低減するコンクリートです。
収縮ひび割れ発生のメカニズム
コンクリートは固まる過程で極わずかですが縮みます。部材の大きさや場所によって縮む量が異なるため、一つの構造物の中で引張るような力が発生し、その力がコンクリートのひび割れ強度を超えた時、ひび割れが発生するのです。

収縮ひび割れ発生のメカニズム
ひび割れ低減のメカニズム
様々な材料を組合せ、コンクリートのひび割れを低減させます。
- 高性能膨張材…打設直後にコンクリートを膨張
- 低発熱型のセメント…膨張効果を促進
- 収縮低減剤…膨張後の収縮量を低減
最適配合で低コスト化
上記の材料を使用したひび割れ低減コンクリートは従来からありましたが、通常のコンクリートよりも6000 円/m3程度コスト増となる大変高価な材料でした。これに対して鹿島式のひび割れ低減コンクリートは、低コスト材料の使用及び調合の最適化によって、コスト増分を3000円/m3台まで抑えることに成功しました。
また、材料の配合には効果や適用範囲に特徴がありますので、最適な調合を選ぶ事で、環境条件、対象部材、地域、プラント状況などの様々な条件下での適用が可能になりました。
ひび割れ低減コンクリートの調合と特徴
| コンク リート タイプ |
使用材料の構成 | ひび割れ低減効果の 目安(※1) |
適用範囲(※2) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| セメント | 高性能 膨張材 |
収縮 低減剤 |
部材厚 300mm 以下 |
部材厚 300~ 500mm |
部材厚 500mm 以上 |
一般 環境下 |
打設温度 10℃以下の 低温環境下 |
寒冷地 | |
| 中庸熱 ポルト タイプ |
中庸熱 ポルトランド セメント |
○ | - | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 低熱 ポルト タイプ |
低熱 ポルトランド セメント |
○ | - | ○ | ○ | ◎ | ○ | △ | ○ |
| 普通 ポルト タイプ |
普通 ポルトランド セメント |
○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | × |
| 高性能 中庸熱 タイプ |
中庸熱 ポルトランド セメント |
○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | × |
| 高性能 低熱 タイプ |
低熱 ポルトランド セメント |
○ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | △ | × |
※1 ひび割れ低減効果:◎ > ○ > △
※2 ○:適用可能 △:適用に制限あり ×:適用不可