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伝統建築/歴史的建造物の保護・再生

仮想プロジェクト 浅草凌雲閣を救え!

崩壊のシミュレーション

STEP - 0 [ 凌雲閣はなぜ壊れたのか? ]

まず、各種文献から崩壊の様子、地盤条件、煉瓦の耐力などを調査しました。浅草の地盤は軟弱な地層が厚く堆積しており、深さ30m付近に支持地盤となる砂礫層がみられます。断層モデルをもとに半経験的評価法により関東大震災における敷地での地震波を再現、建物構造、周期、地盤条件などを考慮してシミュレーション解析を行いました。

凌雲閣崩壊のシミュレーション
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この結果、応答せん断力、曲げモーメントで破線の耐力を見ると、8階でせん断耐力に達していることがわかります。この時(作成地震波の場合で22秒位置)の崩壊をコンピューターグラフィックスで表現しました。地震主要動の初期において8階部分よりせん断崩壊し、ほぼ文献通りの崩壊の様子が再現できました。

これらの結果を考察すると

  • 柔らかい地盤のため応答が非常に大きくなっている。
  • 煉瓦は粘りがなく、耐力も不足している。

これらを解決すれば、凌雲閣は崩壊することはなかったと考えられます。

コンピュータグラフィックスによる
崩壊までのシミュレーション

22秒あたりで壁面に亀裂が入り、その後煉瓦が飛散し始める様子がわかります。