第2期工事

第Ⅱ期工事は、着工前に東日本大震災に見舞われました。幸い建物は解体工事もほぼ終了し、骨組みのみになっていたため、地震の揺れによる大きな被害や津波の被害も受けずに済みました。現場の着工は発掘調査の終了を待って、基礎の補強工事、揚屋工事、木工事と行い、工房では経師、瓦作成、土居葺材作成が行われました。

1.経師工事

壁紙の補修作業状況です。

絵具・金箔を修理中、更に落ちないように剝落止めをしています

絵具・金箔を修理中、更に落ちないように剝落止めをしています

古い裏紙を丁寧に全て剝します

古い裏紙を丁寧に全て剝します

本紙(表紙)を補強の為、裏打紙を生麩糊(しょうふのり)で貼っていきます

本紙(表紙)を補強の為、裏打紙を生麩糊(しょうふのり)で貼っていきます

金箔を補修しています

金箔を補修しています

※生麩糊(しょうふのり)とは、でんぷんで作った糊のことです。(紙を剝す際、紙の繊維がめくれることなく綺麗に剝せます)

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2.屋根工事

丸瓦

丸瓦の製作状況です。

粘土から丸い形に一度成形します

粘土から丸い形に一度成形します

金型にセットします

金型にセットします

重ねの玉縁が付き成形完了です

重ねの玉縁が付き成形完了です

乾燥後、釜に入れて焼きます

乾燥後、釜に入れて焼きます

完成品の集積状況です

完成品の集積状況です

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土居葺材作成

土居葺材の作成状況です。
土居葺材とは、雨漏り防止の為、瓦の下に葺く材料で、材質は栗材です。

丸太を割ります

丸太を割ります

寸法を測って割ります

寸法を測って割ります

さらに板状(厚さ9mm)に割ります

さらに板状(厚さ9mm)に割ります

実際の使用状況

実際の使用状況

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3.基礎工事

既存礎石(柱が立つ基礎となる石)が不同沈下しており、これ以上進まないようコンクリートで固めてます。

床コンクリートと礎石の断面図

床コンクリートと礎石の断面図

発掘調査完了しました

発掘調査完了しました

発掘調査で出土した遺構の上にシートと砂で養生してます

発掘調査で出土した遺構の上にシートと砂で養生してます

その上を砕石で埋戻しました

その上を砕石で埋戻しました

柱礎石をコンクリートで包むように掘り出しました

柱礎石をコンクリートで包むように掘り出しました

地盤との縁切り用として、土木シートと防湿シートを敷き捨コンクリートを打ちます

地盤との縁切り用として、土木シートと防湿シートを敷き捨コンクリートを打ちます

捨てコンクリートの上に鉄筋組立完了後、床の鉄筋の組立てています

捨てコンクリートの上に鉄筋組立完了後、床の鉄筋の組立てています

床のコンクリート打設をしている様子

床のコンクリート打設をしている様子

現在の本堂内部

現在の本堂内部

※捨てコンクリートとは、基礎又は床コンクリートの前に底面を平らにする為に流しこむコンクリートのことです。

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4.揚屋工事(ジャッキアップ)

柱脚修理の為、柱を1本づつ持ち上げています。

揚屋作業全影

揚屋作業全影

柱のジャッキアップ

柱のジャッキアップ

右の二種類の方法で柱を持ち上げています。

東側縁廊下の揚屋作業全景

東側縁廊下の揚屋作業全景

柱を挟んでいるタイプ

柱を傷付けないように、和紙+白ゴム+黒ゴム+杉板を挟み締めつけを行っています

柱の貫穴を利用しているタイプ

鉄棒の上にベニヤを1枚挟んで、貫穴の傷付け防止をしています

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5.木工事「柱脚の腐朽箇所修理と不同沈下修正」

【修理方法】

①鉛敷き
柱脚部腐ってはいないが、
沈下している。
…24mm未満鉛敷き

②盤木敷き
柱脚部腐ってはいないが、
沈下している。
…24mm以上(50mm程度迄)

③根継ぎ
柱脚部腐っている。
又、沈下量(50mm以上)が多い。

根継ぎイメージ図(参考)

「目違(めち・めちがい)」とは、木材の接合部の加工の一種で、接合材相互のねじれやズレを防ぐ為に設けた突起、及びそれを受ける穴のことです。

①鉛板敷き

②盤木敷き(栗材使用)

ジャッキアップし鉛板を敷きます

ジャッキアップし鉛板を敷きます

鉛板敷き完了しました

鉛板敷き完了しました

材料の下を石に合わせて彫ります

材料の下を石に合わせて彫ります

完成しました

完成しました

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③根継ぎ

化粧根継ぎ[本堂外周部分]

柱をジャッキアップしました

柱をジャッキアップしました

腐っている柱を切断します

腐っている柱を切断します

柱下の目違を加工中です

柱下の目違を加工中です

柱下の目違加工完了です

柱下の目違加工完了です

新材の十字目違加工中です

新材の十字目違加工中です

新材の下側を礎石の形に合うように掘ってます

新材の下側を礎石の形に合うように掘ってます

新材の加工が完了、焼き印を押し防蟻剤を塗ります

新材の加工が完了、焼き印を押し防蟻剤を塗ります

柱下にセット中です

柱下にセット中です

ジャッキダウン

ジャッキダウン

柱の定着が完了しました

柱の定着が完了しました

十字目違(桧材・柱と同種材)[本堂内側]

明治時代の修理の際、鉄板敷きで高さを修正していました

明治時代の修理の際、鉄板敷きで高さを修正していました

ジャッキアップし、鉄板を撤去します

ジャッキアップし、鉄板を撤去します

根継ぎ部分を切断しています

根継ぎ部分を切断しています

新材と密着する様に、カンナで平らにしています

新材と密着する様に、カンナで平らにしています

柱下面の目違加工中です

柱下面の目違加工中です

新材の加工が完了しました。防蟻剤を塗って取付けます

新材の加工が完了しました。防蟻剤を塗って取付けます

修理完了しました

修理完了しました

明治にも同じような修理をしていました

明治にも同じような修理をしていました

柱と礎石の接点が腐りやすいので、次も同じ部分を交換すれば、柱を傷付けずに修理出来ます。

金輪継ぎ(腐朽部が大きい場合)

老朽化した柱を修理していきます

老朽化した柱を修理していきます

まずは腐朽部を切断します

まずは腐朽部を切断します

新しい柱を接ぐために加工している様子です

新しい柱を接ぐために加工している様子です

柱加工が完了しました

柱加工が完了しました

接ぎたし用の新材を加工しました

接ぎたし用の新材を加工しました

新材を取り付けています

新材を取り付けています

取付修理が完了しました

取付修理が完了しました

こちらは同じ方式で修理した柱ですが、時間とともに木材が馴染んでいる様子がわかります

こちらは同じ方式で修理した柱ですが、時間とともに木材が馴染んでいる様子がわかります

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