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分野別取組み

ZERO CARBON 低炭素社会

鹿島グループの温室効果ガス排出量(スコープ1、2、3)を2013年度比で80%以上削減し、Zero Carbonをめざします。

Zero Carbonを実現するためには、現場など自社の事業活動での省エネルギーやCO2の排出削減だけでなく、再生可能エネルギーの活用・推進など多面的な取組みが重要と考えています。また、鹿島は、建造物のライフサイクルを考えた計画・設計段階、新築やリニューアル・解体などの施工段階、竣工して発注者に引き渡してからの運用段階などそれぞれのフェーズで排出するCO2を削減するための取組みを行っています。事業活動のあらゆるフェーズでの取組みにより、環境負荷の低減に努め、低炭素社会の構築に貢献します。


施工段階(現場)からのCO2排出削減

現場のエネルギー削減に向けた「環境データ評価システム(edes)」を開発

鹿島が自らの事業活動で排出するCO2の約9割が施工現場からのものです。現場でのエネルギー消費量は、約3割が電力、約7割が重機などで使用する軽油に由来します。

これまでエネルギー消費量については、全国からサンプル抽出した現場を一定期間調査したデータから施工高あたりのCO2排出量を割り出したもので全社の排出量を把握していました。

一方で、効果的に施工CO2の削減を進めるためには、現場ごとの排出量を把握したうえでそれぞれの状況に応じた適切な対策をタイムリーに行う必要があります。

そこで、すべての現場のすべての工程でCO2排出量を月単位で把握し、可視化できる「環境データ評価システム(edes;イーデス)」を開発しました。現場ごとの施工CO2排出量、建設廃棄物発生量、水使用量を月単位で集計して見える化するもので、2018年度のモデル現場での試行を経て、2019年6月より本格運用を開始しています。

具体的には、現場内で稼働する建設機械の種類台数・稼働時間などの情報を、既存の施工管理支援サービスと連動し、自動的にデータをedesに読み込むことで、施工CO2排出量の算出を可能にしました。さらに、電力由来及び土砂・排気物の搬出車両に使用する燃料由来のCO2排出量を加算することで、各現場の実績値の月単位での把握が可能になりました。

今後は、現場や支店ごとの実績値を比較し、効果的な削減策を抽出して全国で水平展開するなど、トリプルZeroに掲げる低炭素社会の実現に向けた取組みを加速します。

現場deエコ

資材や工法の無駄をなくし、軽油などの化石燃料の消費を抑える工夫をすることは、現場のCO2排出削減だけでなく、コスト削減にもつながります。鹿島が開発した「現場deエコ」では、現場の担当者がイントラネットでCO2排出量削減ツールにアクセスし、工事規模に応じて削減メニューを選び、全体での削減量を算定します。工事規模にあわせて、容易にCO2排出削減計画を検討できるしくみです。

運用段階でのCO2排出削減

建物のライフサイクルで、もっとも期間が長く、CO2の排出も多いのが運用段階です。竣工後発注者に引き渡し、お客さまが実際に使うときにエネルギーの消費ができるだけ少なくてすむよう、鹿島が設計する建物では、環境配慮、省エネに配慮した設計を行っています。

ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)

鹿島は、ZEB readyの汎用化およびトップランナーでnet ZEB実現を2030年目標に掲げ、技術開発や自社施設を用いた実証を進めています。

再生可能エネルギー発電施設の建設

鹿島は、メガソーラー発電所のみならず洋上風力発電所や、食品廃棄物利用のバイオマス発電などの再生可能エネルギー発電施設においても、高い設計・施工能力を認められ、展開しています。


SDGsを達成するため、2019年度に特定した鹿島のマテリアリティ(重要課題)7項目のうち、「環境4 低炭素社会移行への積極的な貢献」に該当しています。

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ZERO WASTE 資源循環社会

建設廃棄物のゼロエミッション化とともに、循環資材の活用、建造物の長寿命化により建設事業でのZERO WASTEをめざします。

現場における資源循環・有効利用

建設現場のゼロエミッションの基本は、省資源に努めたうえで建設工事から発生する廃棄物量を抑制し、分別・リサイクルを推進して、埋め立てられる最終処分量を削減することです。
環境への影響を軽減するため、梱包材を用いない資材搬入や、現場での加工を減らすプレキャスト、仮設廃材の発生を極力抑える工法の採用など、省資源や効率化のさまざまな取組みを行っています。


また鹿島では、建設現場発生土について、現場内・現場間での再利用を推進しているほか、国土交通省の官民有効利用試行マッチングに参加しています。さらに、一般社団法人日本建設業連合会の建設副産物部会に参加し、他社との情報共有や協働の取組みを進める等、業界全体での廃棄物削減、資源の有効利用に貢献しています。

ライフサイクルを通じた環境負荷の低減

新築、リニューアル、解体といった建物のライフサイクルでは、それぞれの段階で資材投入や廃棄物発生などの環境負荷が生じます。鹿島では、独自に開発したLCA(ライフサイクルアセスメント)評価システムを用いて、建物の生涯にわたる建設関連の廃棄物を予測しています。使用材料や構工法を設計時に変更したり、より適正な廃棄物処理方法を選択したりして、リサイクル率の向上や最終処分量の削減、処理過程における環境影響の軽減に努めています。

より質の高いリサイクルをめざして~メーカーリサイクル活用推進

鹿島では、メーカーリサイクル(広域認定制度)の活用を推進しています。メーカー等が環境大臣の認定を受けて、自社製品である建材等の廃棄物(製品端材など)を回収し、リサイクルまで適正処理する制度のことで、同じ製品へのリサイクルが可能になることから、より質の高いリサイクルといえます。

たとえば石膏ボードの場合、鹿島の現場から回収され、メーカーの工場で紙と石膏粉に分離し、紙は段ボール等に、石膏粉は再び石膏ボードの原料へとリサイクルすることができます。このように廃棄物を元の資材に再生することを水平リサイクルといい、資源循環社会創出の鍵となる取組みです。

よりエコな建設資材を目指して~副産物利用コンクリートの開発

主要な建設資材であるセメントは、非エネルギー起源のCO2排出の大きな発生源となっています。

鹿島は、セメント使用量を削減するため、製鉄副産物の高炉スラグの配合割合を大幅に高めた環境配慮型コンクリートを開発しており、その普及拡大により資源循環とCO2排出削減に貢献しています。

水資源の保全

(顧客の課題解決に向けて)
気候パターンの変動や人口増加等により、水資源の保全が顧客にとって重要な課題となっています。鹿島では、提供する建築物の水使用の効率化や水の再利用等に取り組むとともに、保有する水処理技術を活用した、排水処理施設の計画、施工、維持管理に取り組み、地域の水資源の保全に貢献しています。


(自社事業において)
鹿島では自社事業における代表的な水リスクを「周辺環境の水質汚染」「洪水」「渇水」と考えています。水資源の保全のため、使用量の削減に加え、地域の水質環境保全を重要課題として、以下の取り組みを進めています。

自社オフィスでは、施設毎の水使用量を把握・分析し、節水型機器への更新、再生水/雨水利用設備導入などを進めています。

建設業では、原則として工事場所を選り好みできません。水ストレスが高い場所で施設建設が求められた場合、建設現場毎に工事着手前に水ストレスマップ、ハザードマップ等を活用し地域の水リスク(取水や排水の量や水質に係る制限、水害の危険性等)を確認し、適切な水害対策、水利用計画を立案したうえで施工を行っています。この水利用計画では、水の循環利用をはじめ、取水量・排水量の縮減に努めるとともに、特に排水の水質管理を重要視しています。必要に応じ水に関する地域のステークホルダーとの協議を実施し、法で定める管理基準以上の自主管理基準を設けた現場での日常管理に加え、支店・本社による現場パトロールで水質管理状況を確認し、地域水資源の汚濁防止を徹底しています。

水質管理の結果(法規制の不適合等)については、水以外の有害物管理を含め「目標と実績」の共通基盤、有害物の管理、の項に開示しています。


※建設現場で必要となる水の量は、建設物の種類や規模、工法等により大きく異なります。毎年新たな工事を受注する建設業の特性から、全社の水使用量削減目標を設定してはいませんが、各現場において無駄の削減に努めることで水資源の保全に取り組んでいます。

ZERO IMPACT 自然共生社会

自然・生物への影響を抑制し、新たな生物多様性の創出・利用を促進することで、事業全体でのZERO IMPACTをめざします。

鹿島は、事業を通じて都市の生態系ネットワークを強化する「生物多様性都市:いきものにぎわうまち」を目標に掲げ、「鹿島生物多様性行動指針」に則って活動しています。

プロジェクトを通じた自然共生の実現

鹿島は、事業を通じて都市の生態系ネットワークを強化する「生物多様性都市:いきものにぎわうまち」を理念に掲げ、自然の有する力を積極的に利用して施設整備や土地利用を進めるグリーンインフラの整備に取り組んでいます。


鹿島の技術研究所(東京都調布市)の建替えの際には、周辺地域の緑地の構成種の調査を踏まえ、郷土種による雑木林の復元などを盛り込んだ緑化コンセプトを取り入れました。その後も継続的に鳥類を中心とした周辺のモニタリング調査を行っています。本取組みは「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」にも認定されました。


施工段階での取組み

建設現場では、騒音や振動など周辺への影響を最小限にするよう努めるほか、希少種保全などの生物多様性保全活動などに、計画段階から多角的に取り組んでいます。

開発計画の早い段階で生物多様性への影響を含む環境アセスメントを行っています。環境アセスメントは、現況調査、予測、評価、環境保全策の検討、評価書案の作成、自治体の審査、評価書の作成、事後調査の順ですすめられます。環境への配慮を計画に組み込むことにより、計画の変更や代替案の検討が可能となり、環境への影響を最小限に防ぐことができます。 鹿島では、開発によって地域に与える影響を、シミュレーションや模型実験などによる事前予測評価を行い、その結果を生物多様性保全等の策に活かしています。
また、すべての現場では計画段階でリスク抽出し、これを竣工に至るまでフォローする仕組みを導入していますが、その際に地域の生物多様性に悪影響を与えるような可能性が確認された際には、技術研究所などと協同する形で生物多様性を保全する計画(BAP)を策定し、実行しています。

現場周辺での動植物や自然環境の保全において、工事の進捗とともに地形や状況が大きく変わるダムや造成などの現場では継続的なモニタリングとそれを踏まえた対策が重要です。鹿島ではiPadを利用した動植物・環境モニタリングシステム「いきものNote」を開発し、専門知識のない社員でも容易に環境モニタリングを実施し、技術研究所などとの情報の共有・蓄積による的確かつスピーディーな対応を行っています。

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トリプルZeroを支える共通基盤

有害物質の管理

過去に建設された建築物には石綿含有建材やPCB、フロンなどの有害物質が使用されている場合があり、解体・改修工事を行う際には事前調査結果に基づく適切な対応が重要です。また、工場跡地などの人為的な汚染土壌はもちろん、重金属を含んだ自然由来の汚染土壌に対しても、鹿島は重要な課題ととらえて取り組んでおり、適切な管理及び処理により無害化を進め、環境汚染の軽減に努めています。

環境に寄与する技術研究開発の促進

鹿島は、1970年代の公害対策に始まり、半世紀近く環境保全対策に取り組んできた歴史と実績があります。

環境コミュニケーションの促進

環境をテーマにした出前授業など、地域社会とのコミュニケーションに積極的に取り組んでいます。

サプライチェーンやステークホルダーとの協働

サプライチェーンにおけるエネルギー使用量の把握

鹿島の主たるサプライチェーンは、工事現場のパートナーである協力会社です。鹿島の施工現場では、重機の燃料使用を削減する省燃費運転研修を行うなど、協力会社とともにCO2排出量削減に取り組んでいます。また、年に一度全国の協力会社から募集した好事例の発表会を行い、よりよいアイディアの全国展開に努めています。

具体的なエネルギー使用量については、協力会社のうち、特に環境への影響の大きい施工系グループ会社14社の工事並びに工場・オフィスにおける使用量の報告を求めており、そのデータを環境委員会などで経営層に報告しています。

業界団体や社外団体での活動

業界団体である「日本建設業連合会」は、国内の総合建設業を営む会社143社他(2020年3月現在)が会員となり、建設産業の諸問題の解決や技術の進歩、経営改善の推進を目的に活動しています。問題解決にあたっては、課題ごとに委員会を設けて活動していますが、特に環境に関しては「環境委員会」を通じて、建設事業が社会に提供する建造物のライフサイクルを通じて、環境関連法規制の順守や環境負荷の低減、環境の保全などを実践することで持続可能な社会の構築に貢献しています。実施すべき内容は1996年から5年ごとに「建設業の環境自主行動計画」にまとめ、活動結果を公表しています。

鹿島は、環境委員会において「環境経営部会(鹿島:副部会長)」「温暖化対策部会」「建設副産物部会(鹿島:部会長)」「生物多様性部会」に主体的に参画し、業界の活動をリードしています。それぞれの部会では、省燃費運転研修の実施、CO2排出量調査、「バイオディーゼル燃料利用ガイドライン」や「建設廃棄物Q&A集」など資料作成など、業界全体に役立つ成果を出しています。

そのほか、一社地球温暖化対策技術会(鹿島:理事)、⺠間参画イニシアティブである「生物多様性民間参画パートナーシップ」や、東京都港区の主催する「生物多様性みなとネットワーク」に参加するなど、⾏政との連携も図っています。

地域社会との協働

また、技術研究所の葉山水域実験場(神奈川県逗子市)では、地元の小学校や漁業組合、NPOと協働し、海のゆりかごと呼ばれるアマモ場再生に向けた取組みを15年以上続けています。そのほか、東京都水道局、大田区、NPOに協力し、絶滅危惧種である渡り鳥コアジサシの営巣地整備活動にも参加しています。

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