地下の工事の進めかたは、おもに2種類の方法があります。
まず1階の床を最初につくって、そこから地上階と地下階を同時に進める工法です。1階の床がふたになることで、地下工事の騒音が外にもれるのを防ぐことができます。
このツアーでご案内している建設現場は、逆打工法になります。
まず仮設の壁をつくり、建物を建てる深さまでの土を、重機ですべて取りのぞきます。その後、地下の一番下の階から地上へと順番に建物を建てていきます。
どちらの工法で行うかは、周辺の環境やスケジュールなどを考えながら現場ごとに決めます。特に大都市での工事や工期が短い工事などでは、騒音対策や地上階と地下階を同時に工事ができることから、逆打工法がよく使われます。
同じ階数の工事なら、地下工事の方がはるかに大変です。
まず、地下には土や以前建っていた建物の基礎コンクリートなどが残っているため、こういったものを重機で外へと出す作業があります。次に、周辺の地盤がくずれないように、仮設の壁をつくる必要があります。これを山留めといいます。
こうした作業をしてから初めて建物を建てることができますが、逆打工法の場合は1階の床がふたになってしまうので、地下へ吹抜けになっている開口部をうまく利用して、資材を地下へ下ろしたり、土などを出したりしています。