当中間期業績の概況と通期の業績予想当中間期業績の概況
当中間期における我が国経済は、政府による一連の経済対策の効果が浸透し、金融システム不安の後退、個人消費の一部回復基調等、景気は下げ止まりの兆しを見せつつあります。しかしながら、設備投資や雇用関係の指標は依然として低迷しており、また円高の企業収益への影響が懸念される等、今後の景気動向については未だ予断を許さない状況にあります。
建設市場においては、住宅着工の増加など一部好調な動きもありましたが、民間企業の設備投資は、製造業・非製造業共に引き続き減少傾向にあります。また、景気対策の執行により昨年度後半から増加傾向にあった公共工事についても、発注の息切れ傾向が顕著となり、公共工事着工は6月以降前年同月比マイナスに転じております。
こうした大変厳しい経営環境の中、当社の当中間期業績は、受注・売上・営業利益のいずれも前年中間期を下回る結果となりましたが、経常利益及び中間純利益については前年中間期比増を確保することができました。
受注高については、官庁工事受注は、8月までは堅調に推移しておりましたが、9月の受注が低調であったことから、結果として前年中間期比0.6%増の1,374億円余にとどまりました。民間工事につきましては、製造業・非製造業共に大幅な受注減少となり、民間工事全体では、前年中間期比23.4%減の3,131億円余となりました。また海外工事も、アジア経済の低迷等により前年中間期比88.9%減の19億円余にとどまり、これらに開発事業等受注高を合わせた当中間期の総受注高は、前年中間期比20.0%減の4,879億円余となりました。受注高の構成比は、建設事業93%、開発事業等 7%であり、建設事業の内訳は、土木工事28%、建築工事72%であります。
売上高については、受注の減少傾向を反映し、前年中間期比7.6%減の4,213億円余となりました。売上高の構成比は、建設事業94%、開発事業等6%であります。また、利益については、売上高の減少を主因に、売上総利益及び営業利益は前年中間期比減となりましたが、経常利益と純利益につきましては、期間中の株式市場が堅調に推移したことなどもあり、経常利益は前年中間期比82.8%増の43億円余となり、中間純利益は38億円余を確保することができました(前年中間期は271億円余の損失)。
通期の業績予想
今後の日本経済は、緩やかな回復基調を辿ることが期待されますが、設備投資や雇用等の経済指標には未だ回復の兆しが見られないことから、景気を本格的な自立回復過程に乗せるためには、引き続き政府の経済対策や低金利政策等の下支えが必要と考えられます。
建設市場におきましては、公共工事に関しては、平成11年度予算予備費の執行や第二次補正予算の編成・執行等の効果が期待されるところですが、地方自治体の財政難等の問題もあり、先行きは予断を許さない状況にあります。民間工事についても、住宅着工や都心部の大型再開発案件等、期待される分野はあるものの、製造業の設備投資等の本格回復には未だ期間を要するものと考えられます。これらより、建設業界を取り巻く経営環境は引き続き厳しいものと予想されます。
当社としましては、当面の重要課題である受注・利益の確保と「新3ヵ年計画」の業績目標の達成に向けて、引き続き諸施策の遂行に総力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
これらの状況を踏まえ、通期の業績予想は、表記のとおりといたしました。
なお、受注高については、通期1兆3,200億円(うち開発事業等900億円)を目標としております。
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