20KAJIMA202407当社ならではの審査基準 デジ推は業務改善に資する情報発信やネットワークの構築に取り組んでいる。その一環となる本コンテストは,2023年11月末から1ヵ月間を応募期間,1年以内の取組みを応募条件とした。自薦・他薦は問わず,チャレンジ中で未完の取組みや小さな取組みでもOK。「デジタルをうまく活用して誰でもできる内容」を軸に,当社ならではのバリエーションに富んだ審査基準が設けられた。コンテストの運営にあたったデジ推の中山理沙課長代理は,「すぐに現場で活用できるもの・真似できるものを重視しました」と審査のポイントを明かす。コンテストを振り返って 募集段階では「デジタル推進大賞」,「デジタル推進賞」,「ナイス失敗賞」,「ナイスチャレンジ賞」を設定したが,「ナイス失敗賞」の該当者が無かったため,代わりに「広めたいで賞」が設けられた。 中山課長代理は「現場訪問や集合研修などを通じ,リアルにつながることによって想定以上のご応募をいただきました。受賞者からは,『情報共有のネットワークづくりにも有効だった』との声もあり,手応えを感じました。次回は,果敢に挑戦したが失敗した事例も応募対象になることを積極的に呼び掛けたい。地道な取組みに光を当て,その取組みが広く知れ渡ることに重要性を感じています。今後は,本コンテストの規模拡大を目指します。2024年度は9月頃開催を予定しています」と意欲をのぞかせた。当社デジタル推進室(以下,デジ推)が主催する『業務改善取組コンテスト2023』の授賞式が,去る3月21日,KX-LAB(東京都豊島区)で行われた。初めての開催となる本コンテストは,デジ推が運営する研修受講者などに呼びかけて開催。デジタルを活用した業務改善の取組みをテーマに募集し,全45件の応募があった。今回はこの授賞式の様子とともに,大賞を受賞した取組みを紹介する。皆さんの“今の業務”にも改善の余地はありませんか?#KAJIMA#kajimaステキシェアいいね!#デジタル推進室Presents『業務改善取組コンテスト』広めたいで賞ナイスチャレンジ賞善生彩友美さん(建築管理本部)現地KYアプリ川畑博美さん(関西支店)メーカー担当者情報共有・更新情報周知データベース化小川優貴さん(機械部)Outlook版鹿島休日の表示(鹿島建設社員組合)鈴木猛丸さん(東北支店)業務DXツール活用WGにおけるアプリ開発佐々木雄紀さん(関東支店)エブエブ(EverythingEverywhereAllatOnce)∼BLEを活用した自動生コン打設管理システム∼永島敬晃さん(東京建築支店)OneNoteを活用した情報書庫堤美沙子さん(関西支店)転入者が来ると,あれもこれもやらなきゃなんな∼い!∼転出入者対応業務AgileWorksの開発∼出羽英樹さん(東京建築支店)業務効率化シリーズ配信取組み松島茂樹さん(関西支店)コンペナレッジ検索システム中村達也さん(関西支店)TSTF_田畑さんスペシャルサンクスフォーム∼会議開催フローの自動化∼汎用性───誰でも使えるか模倣性───すぐに真似できるか新規性───今までにない取組みか挑戦性───失敗を恐れず,周りを巻き込んでいるか改善性───業務改善につながっているか現場性───工事現場で働く従業員が使えるか興味度───話を聴きたいかデジタルマインドで“今の業務”を改革!受賞者・主催者の集合写真受賞者 デジタル推進大賞 デジタル推進賞松川修啓さん(関東支店)【動画活用】地区工事事務所「原価管理システム」分かりやすく解説してみた高原光明さん(東京土木支店)PCキーボード入力速度の向上中村智さん(東京建築支店)【VBA】会計システムの協力会社見積回答をエクセルで見やすく比較表化橋本尚範さん(東京建築支店)【フォリみるKssWatcher】フォルダをほり下げて,リンクしたリストで見える化須藤恭平さん(北陸支店)【看板作成アプリ】現場監督の革新的な業務改善への新たな挑戦!名倉真紀子さん(関西支店)【TeamSticker】感謝と称賛で,みんなのやる気アップ!※所属は受賞時点審査基準

 21KAJIMA202407 授賞式後は,受賞者による座談会形式の意見交換が行われた。座談会では,苦労した点,きっかけ,協力体制,反響をテーマに活発な議論が交わされた。受賞者からは,リアルの場で一堂に会することで,同じデジタルマインドを持ち,業務改善に取り組む仲間同士の「つながり」を強く感じたという声が多く寄せられた。 また,会場には日本で未発売(2024年3月時点)の【背景】茨城地区では地区工事事務所における原価管理システムの普及率が低く,システム担当者は各担当者から操作に関する質問攻めにあっていた。普段の業務が繁忙なため,システム操作の学習が追い付かず,みな苦手意識を持っているので,解説動画を見ながら基本操作を覚えてもらうために動画作成を行った。【取組み】動画作成にはAdobePremierePro, AdobeFireflyを活用。音声の合成には社内利用の許可を得てVOICEPEAKを使用し,試行錯誤しながら作業を進めた。原価管理の全体像も理解した上で,システム操作の基本を学んでもらうために,全体の流れを説明,「まずはここを知ってください」という事項に絞った説明動画とした。【苦労したところ】動画作成のための操作方法を調べるのと並行で,「原価管理システム」の操作方法を支店調達グループ担当者に監修してもらいながら何度も修正し,作成したこと。【背景】複数社の見積書を比較する業務で課題があり,デジタルアンバサダーワークショップ※2で作業の効率化を目指して開発をはじめた。【取組み】VBAファイルを作成し,以下の課題を解決①無駄なコピペの繰り返し②数百行に及ぶ明細の編集作業③小計行の探索と合計の手入力④協力会社側の明細行変更による比較表の不整合【苦労したところ】比較表作成で,追加された協力会社の回答を,適切な位置に行挿入する点。「変数の考え方」,「分岐処理の考え方」などはKajimaChatAI※3の回答を参考にした。【背景】看板作成に,現場監督の貴重な時間とエネルギーが費やされていたため,現場監督の時間を効率的に活用できるようにしたかった。【取組み】あらかじめ登録された看板(約100種類)の,協力会社名や職長名などの情報を書き換えて,印刷形式として書き出しできるようにする。耐水ペーパーを使えばラミネートをする手間も省ける。【苦労したところ】プログラミングに関する知識が全くない状態からのスタートだったので,その勉強に苦労した。デジ推の研修に参加したあと,ネットで検索したり,KajimaChatAIに質問したりする形で徐々に知識を身に着けた。色々試したので,今ではなんでもプログラム化できそうな気がしている(笑)。看板作成の手間を劇的に削減し,現場全体の効率と生産性を飛躍的に向上させることができると考えている。#詳しくはデジタル人材育成ポータルへGO!!#デジタルアンバサダー#業務改善の輪を広げよう #ナイス失敗を応援します本コンテストの最高賞「デジタル推進大賞」を紹介!【動画活用】地区工事事務所「原価管理システム」分かりやすく解説してみた【VBA※1】会計システムの協力会社見積回答をエクセルで見やすく比較表化【看板作成アプリ】現場監督の革新的な業務改善への新たな挑戦!※1WordやExcelなどMicrosoftOffice製品を自動化するためのプログラミング言語※2デジ推が企画するワークショップ。職場での身近な課題を発見し,デジタルツールを活用しながら,改善に向けた取組みを実施する※3当社グループ専用の対話型AIAppleVisionProの体験ブースを設置。目線や手で行う直感的な操作や,リアルとデジタルを融合させるデバイスを体感し,デジタル技術の進化がもたらす未来の可能性を感じる機会となった。 デジタルを活用した業務改善は,時短や効率化だけではなく,当社の競争力を高め,持続的な成長を遂げるための重要な取組みである。業務改善の輪を広げていきたい。業務改善に取り組む仲間同士の「つながり」受賞者による座談会形式の意見交換中村智さん(東京建築支店)須藤恭平さん(北陸支店)松川修啓さん(関東支店)会計システムの協力会社見積回答をエクセルで見やすく比較表化