26KAJIMA202407Kboard 3月27日,オーストラリアに本社を置く不動産会社レンドリースが出資するレンドリース・データセンター・パートナーズ(LLDCP)が建設を進めてきた「TY1」(さいたま市北区)の竣工式が現地で行われ,発注者をはじめとする関係者が出席し,建物の完成を祝った。 本計画は,日本最大級の規模となる96MWのハイパースケールデータセンターを,ビルド・トゥ・スーツ型※により2期に分け建設するもので,インターネットインフラを事業展開するシンガポールのプリンストン・デジタル・グループへ長期間リースを行う。今回の1期工事では48MWを有する施設が完成。規模はS造(免震構造),地上6階,塔屋2階,延床面積2万9,687m2,設計を日建設計,施工を当社が担当した。 世界最大級のAIおよびクラウド企業のインフラ需要に応えるため,「新苫前ウィンビラ発電所」のリプレース工事完了 4月17日,当社がリプレース工事を担当した「新苫前ウィンビラ発電所」の竣工式が苫前神社(北海道苫前郡苫前町)で行われ,発注者や工事関係者が出席し,工事の無事完了を祝った。 本工事は,2000年に建設された大規模風力発電所「苫前ウィンビラ発電所」のリプレース工事で,風力発電機19基(1.65MW×14基,1.5MW×5基)を解体・撤去し,大型の風力発電機8基(4.3MW×8基)を新設した。大型風力発電機の導入により,発電効率が向上するとともに,基数の減少によりメンテナンスの負担が軽減される。 2020年6月に工事着手。建設地は北海道の日本海側に位置し,道内でも有数の強風・豪雪地帯のため,大型クレーンを使用する工事は施工期間が1年のうち半分に限られた。さらには,牧場内という特殊な環境下での工事となったが,2024年1月に無事完了した。 風力発電機の一般的な耐用年数は約20年と言われ,今後,同様のリプレース工事の増加が見込まれる。当社は,本工事で得られた知見・ノウハウをこれからの工事に活かしていく。神事の様子完成した新苫前ウィンビラ発電所「TY1」が竣工高密度なラック配置に対応するほか,大量の電力提供能力と空調効率(断熱性能)を実現。また,免震構造の採用や外構に非常用電源(予備電源,発電機)設備を備えるなどのBCP対策を講じ,高品質で安全性の高い環境を提供する。 同施設の完成により,日本国内建物外観。黒と白のファサードとメタルルーバーで先端性を表現した※大規模施設の開発の際に,入居するテナントや顧客のニーズに合わせて,施設の用地選定から設計,構築などを行うのデータ通信能力の向上とデジタル・レジリエンスの改善に貢献していくとともに,LLDCPのデータインフラ事業の成長をより一層加速させていく。
27KAJIMA202407認定式にて,八木哲也環境副大臣(右)と天野社長環境省「エコ・ファースト」企業に認定 4月10日,環境省(東京都千代田区)にて「エコ・ファースト」認定式が行われ,2024年は当社をはじめ,各業界から28社が新たに認定された。 エコ・ファースト制度は,企業が環境大臣に対して,自らの環境保全に関する取組みを約束し,その取組みが“先進的,独自的でかつ業界をリードする事業活動”である場合,環境大臣がエコ・ファースト企業として認定するもの。 当社が提出した約束書の概要は,持続可能な社会を3つの視点で捉え,達成すべき将来像を表現した。①温室効果ガスの人為的排出量と地球の吸収量がバランスする脱炭素社会の実現に積極的に貢献する。②建設廃棄物のゼロエミッション化とともに,サスティナブル資材の活用,建造物の長寿命化により建設事業での資源循環を目指す。③建設事業における自然・生物への影響を抑制し,新た当社が出資するカナダのスタートアップ企業Eavor社が来社 当社が出資しているカナダの地熱技術開発会社EavorTechnologiesInc.(以下,Eavor社)の社長兼CEOのJohnRedfern氏,副社長のJamesHeatherington氏,事業開発責任者のPaulCairns氏が,4月3日に来社し,天野社長,内田環境本部長ほかと今後の展開について意見を交わした。 Eavor社は,石油・ガス井掘削技術と同社の新たな独自技術を組み合わせた「Eavor-LoopTM」を開発。同技術は,地中深くをループ状に掘削,その中に水などの液体を循環させ岩盤の熱を回収するもので,低需要時には地下で蓄熱し,高需要時には高効率で電力に変換する機能を持つ。地熱開発にかかるコストと時間を削減し,開発可能域を拡げる地熱発電事業のゲームチェンジャーとなると期待され,海外では商用化に向けて事当社社有林が環境省「自然共生サイト」に認定,福島県知事を表敬訪問 当社が保有する福島県の「日影山山林・ボナリ山林」が,環境省の定める“自然共生サイト※”に認定され,これを受けて4月25日,勝治東北支店長が内堀雅雄福島県知事を表敬訪問した。 「日影山山林・ボナリ山林」は,福島県耶麻郡猪苗代町に位置する112.33haの山林で,スギ・カラマツなどの針葉樹人工林と,ブナ・ミズナラなどの広葉樹林で構成される。当社は同山林を1977年から保有し,40年以上にわたり建築用材などを生産するための山林として管理してきた。この取組みが炭素貯蔵と生物多様性保全の両立に長年貢献していると評価され,同サイトに認定された。 表敬訪問では,同山林の概要や保全のあり方,環境省や福島県のレッドリスト掲載の重要種18種を含む500種以上の動植物が確認されていること,当社グループが全国に約5,500haの山林を保有し日影山全景左から勝治東北支店長,内堀福島県知事,吉村環境本部次長※「民間の取組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域ていることなどを説明し,今後も「自然共生社会」の実現に向け,生物多様性の保全・再生に関わる取組みを推進する姿勢を伝えた。握手を交わすJohnRedfern社長と天野社長「Eavor-Loop」による発電イメージ業が進められている。 当社はEavor社への出資を通して,「Eavor-Loop」技術の獲得,な生物多様性の創出・利用を促進することで,建設事業全体での自然共生を目指す。 今後,鹿島は環境先進企業として,約束書に示した持続可能な社会の実現に向けた各種取組みを積極的に推進していく。その国内外での事業展開に取り組んでいく。
28KAJIMA202407 5月14日,当社KIビル(東京都港区)で鹿島美術財団(理事長:鹿島公子)が主催する「鹿島美術財団財団賞・優秀賞」の授賞式が行われ,新型コロナウイルスの影響により選考を延期していた第30回,および第31回の受賞者が表彰された。 この賞は毎年優れた美術史研究を表彰するもので,研究発表に先立ち,受賞者に賞状と副賞(財団賞100万円,優秀賞50万円)が授与された。第30,31回「鹿島美術財団財団賞・優秀賞」授賞式を開催 同財団は美術の振興を図り,わが国の文化の向上,発展に寄与することを目的に1982年に設立。全国の若手・中堅の美術研究者を主な対象として,美術に関する調査研究助成,出版や国際交流の援助,美術の普及振興を行っている。 今回2023年刊行の『鹿島美術研究』第39号および第40号に掲載され,所定の要件を満たした報告論文から選考された。鹿島施工トンネル式放流設備導流部ゲート室部新桂沢ダム堤体建設工事天ヶ瀬ダム再開発事業渋谷駅改良(撮影協力:JR東日本)プラスチックボードドレーンを用いた効率的な地盤からの油回収技術当社ホームページの受賞一覧のページにアクセスできます 当社施工のプロジェクトや研究論文などが,土木学会賞,日本建築学会賞の各賞の栄誉に輝いた。当社関連の受賞は以下のとおり。(所属・役職は受賞当時)◆令和5年度土木学会賞【功績賞】茅野正恭(常任顧問)【技術賞Ⅰグループ】積雪寒冷地における同軸嵩上げによるコンクリートダムの再生技術―新桂沢ダム堤体建設工事―【技術賞Ⅰグループ】天ヶ瀬ダム再開発事業(最新技術の集結によるダム機能向上への挑戦)渋谷駅改良(駅機能の抜本的更新と再編による利便性の向上)土木学会賞,日本建築学会賞各賞受賞【環境賞Ⅰグループ】プラスチックボードドレーンを用いた効率的な地盤からの油回収技術【国際活動奨励賞】太田洋之(海外土木事業部土木部生産計画グループ課長)【技術功労賞】井藤金満(北海道支店土木部特定プロジェクトグループ専任部長)・・・・・・・【第30回財団賞】山下真由美(大阪市立美術館学芸員)江戸における都市景観図の展開ならびに実景図の特質についての研究―沖一峨筆「江戸風景図額」を中心に―加藤明子(三菱一号館美術館主任学芸員)「マネとポスト印象主義の画家」展再構成の試み―1910年代の英国におけるフランス近代美術の受容―【第30回優秀賞】清水智世(京都府京都文化博物館学芸員)戦時下における京都の前衛画家に関する研究―北脇昇と小牧源太郎を中心に―請田義人(倉敷芸術科学大学芸術学部講師)アレクサンドル・ファルギエール(1831-1900)の造形観【第31回財団賞】柿澤香穂(早稲田大学會津八一記念博物館助手)白隠慧鶴筆「蛤蜊観音図」の研究―御伽草子『蛤の草子』からの影響―仲間絢(京都大学白眉センター/文学研究科特定准教授,ハーバード大学大学院美術史・建築史研究科アソシエイト)『雅歌』解写本挿絵(バンベルク州立図書館所蔵,Bibl.22,fol.4v,5r)の考察―処女たちの中の処女(virgointervirgines),花嫁としての聖母マリアの表象―【第31回優秀賞】王姝(早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程)東魏北斉における「樹下思惟」像の図像学的研究森万由子(広島県立美術館学芸員)モーリス・ドニの公共建築装飾受賞者の集合写真。左から,請田義人氏,清水智世氏,加藤明子氏,山下真由美氏,森万由子氏,王姝氏,仲間絢氏,柿澤香穂氏◆2024年日本建築学会賞【奨励賞】都市の暑熱化への適応、ヒートアイランド現象緩和、地球温暖化緩和の観点からの街路空間の暑さ対策効果の定量化・弓野沙織(技術研究所建築環境グループ主任研究員)
29KAJIMA202407BOOKS 新刊から2冊ご紹介します。 日本の建築や伝統文化に心酔し,来日中に事故死したスカルパ(1906-78)。日本からの影響をデザインに取り込んでいくさまを,『カルロ・スカルパの日本』では自邸に残された資料や関係者証言から丹念に掘り下げます。 一方,『アルド・ロッシ記憶の 6月25日,ホテルイースト21東京(東京都江東区)で開催された第127期定時株主総会で,新取締役1名ならびに新監査役2名が選任された。日本とイタリアのデザインをつないだ建築家鹿島出版会の出版案内と情報発信取締役,監査役人事幾何学』は,ロッシ(1931-97)の建築に特徴的な「幾何学」の設計思想を,実作写真,ドローイングや手記を含む豊富な資料をもとに読み解きます。 日本を含む世界の建築界に影響を与えたイタリア建築家の2人。彼らの思想や美学に接し,創造的活動の端緒を開く2冊です。『アルド・ロッシ記憶の幾何学』片桐悠自/著四六判変型・440頁,3,850円(税込み)『カルロ・スカルパの日本』J・K・マウロ・ピエルコンティ/著,三浦敦子/訳A5判上製・164頁,2,970円(税込み)新任取締役退任取締役新任監査役退任監査役 内田顕(常任顧問に就任) 熊野隆取締役 小林俊明常勤監査役 中森真紀子監査役(社外監査役) 熊野隆(取締役に就任) 藤川裕紀子 profile1986当社入社2006当社総務・人事本部人事部次長2010当社法務部担当部長2014当社法務部長2018当社総務管理本部法務部長 profile1987日本電信電話入社1991井上斎藤英和監査法人(現あずさ監査法人)入所1996公認会計士登録1997中森公認会計士事務所代表2008日本オラクル社外取締役2013伊藤忠テクノソリューションズ社外取締役2019伊藤忠商事社外取締役 profile1983当社入社2011当社関東支店長野営業所長2015当社関東支店管理部長2017当社監査部長2020当社常勤監査役 取締役常勤監査役監査役熊野隆(くまの たかし)小林俊明(こばやし としあき)中森真紀子(なかもり まきこ)世界経済の先行きは不透明で,建設物価・金利・為替等の動向の見極めが難しい中,「鹿島グループ中期経営計画(2024∼2026)」がスタートした。効果的なキャッシュ配分と資本構成の最適化を図り,持続的な企業価値の向上に全力を尽くす。当社グループの事業の拡大・深化に伴い,法務・コンプライアンスリスクへの広範囲かつ的確な対応の重要度が増している。予防的な視点を常に意識しつつ執行部門と十分な対話を重ねることで監査役の責務を果たしたい。公認会計士,社外役員として30年弱にわたり企業や組織に関与してきたが,建設・エンジニアリング分野の企業は初めてとなる。これから皆さんに会社のことを教えていただき,私の経験も加えて,鹿島のさらなる成長と発展に寄与していきたい。 6月28日,徳間書店から「新装版 ジブリパーク公式ガイドブック」が発売されました。 ジブリパークは愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園」内に開園した公園施設。このガイドブックは,3月に開園した「魔女の谷」をはじめ,「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」「もののけの里」の5エリア(いずれも当社施工)を網羅した公式ガイドブックです。ジブリパークの全貌を紹介するとともに,宮﨑駿監督と宮崎吾朗監督のインタビューや池澤夏樹氏による寄稿文のほか,ジブリパークのモチーフとなったスタジオジブリ作品の紹介と内容は盛りだくさん。ジブリパークへのお出かけが100倍楽しくなるジブリファンにはたまらない至極の1冊です。プレゼンテーションをする新妻執行役員Topic「新装版 ジブリパーク公式ガイドブック」が販売中!『新装版 ジブリパーク公式ガイドブック』編著:スタジオジブリ/発行:ジブリパーク発売:徳間書店A5判・184頁,定価1,540円(税込み)©2024StudioGhibli描き下ろしのイラストとともに紹介