04KAJIMA202409FUNPL特集

05KAJIMA202409LACES鹿島のつくるスポーツエンターテインメント施設パリ2024オリンピック・パラリンピックを迎えたこの夏,アスリートの活躍の舞台となる施設への注目が高まる。いまスタジアムやアリーナは,従前の体育施設という枠を超え,多様なエンターテインメントの場へと変化している。本特集では当社がつくってきたスポーツ施設を振り返るとともに,現在進行形で携わる次世代型スポーツエンターテインメントの舞台を紹介する。©RakutenEagles

06KAJIMA202409次世代型スタジアム・アリーナ 1964年と2021年,二度の夏季オリンピックを経験した国内のスポーツ施設は,どのような変遷をたどるだろうか。政府は「日本再興戦略2016—第4次産業革命に向けて」において,官民で認識と戦略を共有し新たな有望市場を創出する「官民戦略プロジェクト10」を選出,そのなかで「スポーツの成長産業化」を掲げた。スポーツ庁と経済産業省は同年より継続して「スポーツ未来開拓会議」を共催し,スポーツ産業を国の基幹産業のひとつへと押し上げようとしている。そのなかで,数千人から数万人の観客を収容しスポーツを観ることを主な目的とするスタジアム・アリーナを,地域活性化の起爆剤となり得る施設と位置付け,その潜在力を最大限に発揮するべく「スタジアム・アリーナ改革」を推進している。 日本においてスポーツを観るための施設は,地方公共団体が所有する公共施設が一般的で,観客の快適性・利便性やスポーツチームの営業活動よりも,公的負担の軽減や公共性の確保に過度に比重が置かれる傾向にある。しかし,数千人から数万人の観客を収容する施設と,一般的な地域住民の利用に供されるスポーツ施設が,同じ手法・ルールで整備・管理される必要はない。地域の実情に応じて,施設の機能や規模などにより適切に区別することが大切である。 また,施設の整備にあたり,民間活力の活用による多様な事業方式(PFI,コンセッション※1,公設民営など)・資金調達方式を活用・充実させることの必要性を唱え,その検討を通じ,公的資金の抑制だけでなく,施設の充実やサービスの向上を図ることを推奨している。 両省庁では改革のモデルケースとなる取組みを「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」として選定,サポートも実施している。当社JVが設計段階から計画に関わり,2021年に竣工した「沖縄アリーナ」(沖縄県沖縄市)もそのひとつだ。昨年開催されたFIBAバスケットボールワールドカップ2023の会場として,激戦の末にアジア1位に輝いた男子日本代表の躍進とともに多くの人々の印象に残っているだろう。ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)に所属する琉球ゴールデンキングスの本拠地としても,昨シーズンはB1・B2の全38チーム中トップの観客動員数を記録。地元ファンのみならず,県外からも多数のブースターが訪れるスポーツツーリズムの目的地として熱を帯びている。アメリカMLBナショナルリーグに所属するサンフランシスコ・ジャイアンツ,NPBパシフィックリーグに所属する埼玉西武ライオンズと東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地。ホームランボールが海に着水する名物スプラッシュヒット,アウトドア感覚の半ドーム,球場と一体化した公園・遊園地。個性豊かな3つのボールパーク。参考:スポーツ庁発行「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(第2版)」※1施設の所有権を移転せず,民間事業者にインフラの事業運営に関する権利を長期間にわたって付与する方式。平成23年5月の改正PFI法では「公共施設等運営権」として規定された。※2Meeting(会議・研修),Incentivetravel(報奨・招待旅行),Convention(大会・学会・国際会議),Exhibition(展示会・見本市)またはEvent(イベント)の頭4文字を取った,ビジネスイベントの総称。沖縄アリーナ▶ 沖縄県沖縄市県内最大規模の屋内多目的施設として,コンサート時は約1万人,スポーツイベント時には約8,500人を収容可能。年間30∼40日を数えるBリーグの試合開催のほか,コンサートやMICE※2といった集客イベントを多数開催。災害時には防災拠点としても機能する。2つの巨大な門型ボックストラスに,スパン46mのトラス梁を架け渡した力強い構造。198419952000キューアンドエースタジアムみやぎ(宮城スタジアム)宮城県宮城郡利府町2015年に新設されたスポーツ庁。公募をもとに翌年3月に決定されたシンボルマークの,明快でタイムレスなデザインは,当社建築設計本部の野村恒司チーフの手による。「頭文字の『ス』と,すべてのスポーツに共通する『人』という主体。その2文字を組み合わせながら,疾走感を表現しました」。スポーツ庁シンボルマークcolumnボールパーク▶▶建築設計本部 野村恒司チーフ

07KAJIMA202409特集 FUNPLACES鹿島のつくるスポーツエンターテインメント施設◀駒沢オリンピック公園総合運動場体育館東京都世田谷区1964年東京オリンピックでレスリング競技のメイン会場となり,日本に5つの金メダルと1つの銅メダルをもたらした体育館。オリンピックから半世紀が経過した後も,各種屋内スポーツの国際大会や全国大会,都大会などの会場として利用され,収容人数は3,474人。現在は改修工事のため休館中。◀国技館 東京都墨田区両国国技館の愛称で親しまれる,三代目国技館。定員は11,098人で,4分の3を超える入場者数で満員御礼となる。土俵上の吊屋根は天井近くまで引き上げることもでき,プロレスやボクシング,コンサートなどにも対応可能。大相撲の土俵は,場所前にその都度築き上げている。地下には国技館グルメの焼き鳥を製造する工場がある。◀おおきにアリーナ舞洲(舞洲アリーナ)大阪市此花区最大7,056人収容のメインアリーナ,サブアリーナ,食堂などを有する,B1リーグに所属するエヴェッサ大阪のホームアリーナ。大阪市が所有し,貸付事業者として選ばれた大阪エヴェッサ運営会社と定期建物賃貸借契約を締結している。コンセッション方式でのアリーナ運営の先駆けとなった。◀長野市オリンピック記念アリーナ(愛称:エムウェーブ)長野県長野市1998年長野オリンピックのスピードスケートの会場として,日本代表選手団が金メダル1つと銅メダル2つを獲得した約6,500席(固定席)の感動の舞台。同パラリンピックでは開会式・閉会式の会場となった。世界最大級の木造つり屋根構造には,地元信州産のカラマツ集成材を使用。エムウェーブの愛称は屋根の形から付けられた。日韓共同開催の2002FIFAワールドカップの拠点として新たに建設された,大会開催基準である収容人数4万人(開幕戦,準決勝および決勝は6万人,当時)以上を満たす世界水準のスタジアム。大会終了後はレガシーとしてサッカー日本代表やJリーグの試合の舞台となるほか,味の素スタジアムとエコパスタジアムはラグビーワールドカップ2019大会会場ともなった。196419962000200519992000200120022021オラクル・パーク(旧称:AT&Tパーク)米国カリフォルニア州サンフランシスコエコパスタジアム(静岡スタジアム)静岡県袋井市デンカビッグスワンスタジアム(新潟スタジアム)新潟市中央区味の素スタジアム(東京スタジアム)東京都調布市埼玉スタジアム2002さいたま市緑区ベルーナドーム(西武ドーム)埼玉県所沢市楽天モバイルパーク宮城(旧称:フルキャストスタジアム宮城)仙台市宮城野区2001ワールドカップ・スタジアム▶▶鹿島がつくった名舞台オリンピックやワールドカップの拠点として,また国内外のトップリーグに所属するスポーツチームの本拠地として使用される,“観せる”スタジアム・アリーナの一部を紹介。12∼15ページに関連記事掲載

 Bリーグの強豪アルバルク東京の運営で,アリーナを中心とした多機能型施設となる「TOYOTAARENATOKYO」は,都内で唯一,経済産業省とスポーツ庁による「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」選定を受けている。あらゆるスポーツの聖地へ メインアリーナは約1万人の観客を収容し,座席配置などのデザインは米国NBAのホームアリーナの踏査など詳細なリサーチをもとに最新のトレンドを取り入れた。臨場感とプライバシーを兼ね備えたVIPスイートや,選手の入退場を間近で見ることができるプレーヤーズラウンジなど,多様な観客席が収益力を高める。また,音や光の刺激を和らげ,感覚が過敏な人も観戦が楽しめるセンサリールームを常設するなど,多様な目的,特性をもった来場者がともに楽しめるアリーナとなっている。車いすバスケットボールなどのパラスポーツの試合開催も念頭に置いてお08KAJIMA202409食堂,運営のオフィスもひとつ屋根の下に備える。練習用コートの屋上はバスケットボールコートとゴールがあるスポーツパークとして開放する計画となっており,子どもたちをはじめとする地域住民がスポーツに親しみ,憧れを育む場所になることが期待される。街や公園につながるアリーナパーク 建物外部はさまざまな高さに施された植栽が風にそよぐ,立体的な公園のような計画だ。3階レベルと4階レベルの2段階の外部デッキ空間は,キッチンカーやモビリティの乗り入れやイベント開催が可能な広さを有し,スポーツパークと地上部分の緑地も含め,敷地全体が多様な活動の舞台のコンプレックスとして設計されている。これらの場所は,イベントのない日も人が訪れ,にぎわう場となる。豊かな外部空間とアリーナが一体化した,他に類を見ない「アリーナパーク」が誕生する。高密度な設計を可能にする技術 多くのアイデアが詰め込まれた,スポーツエンターテインメントの玉手箱のような複合アリーナ。その設計には数多くの先端技術が駆使された。「観戦の基本である視認性については,プログラムを独自開発して全座席からの見え方を検証し,座席配置,段床の勾配や形状の根拠としています。また,VRやARを活用し,発注者や関係者と協議を重ねました。アリーナの大きさや,段床の傾斜が上部座席からどのように感じられるかといった点も,VRならリアリティをもって体感できます」と話すのは,設計を主導した建築設計本部の田中大介グループリーダー。り,バリアフリーは選手と観客の双方の立場に配慮している。 舞台装置にも力を入れる。センターサークル真上に位置する大型センタービジョンと,コートをぐるりと囲む国内最大規模の二重リングビジョンを筆頭に,豊富な演出性で,eスポーツなどのイベント時にも観客に感動的な体験を提供する。このプロジェクトがめざす姿は「あらゆるスポーツの聖地」だという。多機能型複合アリーナ サブアリーナは地域住民への貸出しのほか,メインアリーナがコンサート会場となる際の物販会場としての利用や,複数会場が必要とされるスポーツイベント,MICEなどでの同時利用も想定。メインアリーナとの連携を考慮したゾーニング,動線計画に基づいた,機動的複合アリーナを構成している。 さらにアルバルク東京の専用施設も併設し,練習用コート2面,トレーニング施設や内観イメージ。左側のパーティションで仕切られている部分が,VIPスイートのコートに近い「パティオ席」TOYOTAARENATOKYO2025年秋の開業に向けて建設が進む,プロバスケットボールチームのホームアリーナを中心とした複合アリーナ。設計と施工の両側面から,その新規性に迫る。建設進むPLACE1

  僕たちプロバスケ選手にとってホームアリーナとは,なくてはならない自分の居場所。ホームコートに入ると“帰ってきた”という気持ちになりますし,試合に向けたルーティンも作りやすい環境です。いま,全国各地にそれぞれの強みをもったアリーナができていますが,TOYOTAARENATOKYOも「このアリーナに来てよかった」と思っていただける場所になると思っています。「このアリーナではこんなことができるんだ」「こんな仲間を連れてきても面白いよね」そんなふうにコミュニティが広がっていく場所になるといいですね。計画を聞いたら,想像していたよりはるかにクオリティの高いアリーナになるようで完成が楽しみですし,素晴らしい環境でプレーさせてもらえるので,選手としてもより一層の責任感も感じています。皆さんが観戦に来てくれたら必ず得意の3ポイントシュートを決めますので,ぜひアリーナでお会いしましょう!「大規模集客施設ではイベント開催前後の混雑が利用者の安全性確保と満足度向上に大きく影響するので,人流シミュレーションも実施し,設計に反映させています。さらにコンサート会場としての品質も確保するため,当社技術研究所と協力して音環境も検証しています。当社が近年建設した複数のアリーナでの実地調査の結果をもとにした,最新の知見を用いた遮音吸音シミュレーションです」。 昨今,意識が高まる建物の社会的責任について,同森本栄貴チーフが語る。「建物の持続可能性を考慮し,多くの工夫を盛り込んでいます。なかでも珍しいのは,段床の一部を木質化した点です。アリーナやスタジアムで一般的なPCaコンクリート造と比較し,部分的な解体が容易で,座席のレイアウト変更など今後起こりうる改修にも柔軟に対応でき,施設の長寿命化が可能です。また,ユニバーサルデザインは世界トップレベルのクオリティとしています。業界をリー09KAJIMA202409特集 FUNPLACES鹿島のつくるスポーツエンターテインメント施設ドする学識者をアドバイザーに迎え,人的支援のサポートも含めた,総合的で本格的な新しい形のUDワークショップを全6回実施しました。パラアスリートなどの協力も得て,シャワーヘッドの高さや洗面台のカウンターの設えなど,スポーツを支える環境づくりにも生かしています」。技術に基づくエビデンスを伴ったデザインが,既成イメージを刷新する次世代型アリーナを生み出す。あんどう・しゅうと 1994年生まれ。三重県立四日市工業高校,青山学院大学卒業。精度の高い3ポイントシュートやキレのあるドライブを駆使して,チームの主力として活躍中。ショベルカーの免許を有し,子どもの頃の夢は土木技術者という一面もアルバルク東京#9安藤周人選手 Message©ALVARKTOKYO工事概要(仮称)TOKYOA-ARENA場所:東京都江東区発注者:トヨタ不動産設計:当社建築設計本部規模:S・SRC・RC造 B1,6F 延べ約37,000m2工期:2023年7月∼2025年6月(東京建築支店施工)芝生地と運河に挟まれた敷地の広さは約0.6ha。メインアリーナは楕円形とし,3階レベルのアルバルクプラザと,4階レベルのファミリーパークとスポーツパークの2段階の外部空間によって,その高さから生じる威圧感を軽減させ,風景に溶け込むような造形としている田中大介グループリーダー(右)と森本栄貴チーフ環境に配慮した設計とし,グリーンビルディング評価システムLEEDのGOLDレベルを取得予定

10KAJIMA202409に進みました」。そう語る辻岡副所長は,Bリーグ発足翌年の2017年からアルバルク東京の応援に足を運んでいたスポーツ好きで,「中学生の頃,スタジアムをつくりたくて建築を志した。この現場を担当すると聞いたときは心が躍りました」と笑顔も見せる。鉄骨建て方と設備の同時施工 施工面での特徴について,工事計画を取りまとめる和泉整児副所長に話を聞いた。「最大スパン84m,高さ7mの鉄骨トラスで構成されるメインアリーナ屋根は,3次元的なドーム型で難易度の高い工事です。それに加えて,アリーナは多数の観客と多様な演出機器に対応するため,空調,電気,給排水といった設備工事量が多くなるビルディングタイプです。近年,建設業界で課題となっている設備施工者の労務ひっ迫のなかで,工事工程で最も支配的な大空間鉄骨と大量の設備をどのように施工するのかが工事計画のポイントとなりました」。立ちはだかる難題に対し,チーム鹿島の衆知を結集して見出した活路は,通常は工事後設計・施工の緊密な連携 「2025年秋のBリーグ開幕日は決まっていました。逆算して定められた工期は非常に厳しい23.4ヵ月。どうやってそこに間に合わせるかを考えたとき,設計者とタッグを組んで,いかにスタートダッシュをかけられるかにかかっていると直感しました」と話すのは,工事全体の進行管理とともに発注者対応の中心を担う辻岡展宏副所長だ。「短工期の現場を進める最大のポイントは,設計確定工程を管理することです。なかでも,観客席や映像・音響設備などの選定は,事業者側が最もこだわる点といえます。事業者の納得のいく選択ができるよう,スケジュールのコントロールに気を遣っています」。発注者,設計者とともに国内外スポーツ施設の視察にも出向いた。「その場で仕様やコスト,施工難易度などについて意見交換できましたし,同じものを見ることで共通認識が生まれ,その後の話し合いもスムーズ設備BIMデータ(Catenda)鉄骨を上棟したメインアリーナ。先行する北側(写真左側)は,ジャッキダウンと折版屋根の下葺きが完了している揚重される屋根トラス鉄骨ユニット(上)と設備ユニット

11KAJIMA202409特集 FUNPLACES鹿島のつくるスポーツエンターテインメント施設半に増大する設備工事に早期着手し,工程のなかで平準化する「アリーナ大空間鉄骨工事と設備工事の同時施工」という大胆な発想だった。 具体的な取組みについて続ける。「最もチャレンジングなメニューのひとつが,屋根トラス鉄骨をはじめ,すべての附帯鉄骨・設備をユニット化して地組みし,屋根の鉄骨トラスと並行して大型クレーンで揚重する,というものです。屋根の構造が組み上がってから設備を入れていく通常の工程と比べ,高所での作業を減らすことができ,生産性の向上と安全性の双方で手応えを感じています」。海外製作の鉄骨図早期取りまとめや,一部の設備部材を屋外仕様にしたり,養生したりといった配慮は必要だが,トータルでのメリットは大きいという。ジャッキダウンを計画する 同時施工実現のための工夫はほかにもある。「屋根トラス鉄骨梁を架ける際の仮設支保工に,橋梁工事で使用するような大型のベントを採用しました。ベント間のトラス鉄骨自体は約20tですが,さらに設備,附帯鉄骨,屋根下地などを支えながら同時に建て方を行う必要があること,ベントを外すジャッキダウン時には100tを超える荷重が作用することを考えると,その荷重に耐えられる仮設が必要です」。それだけではない。「また,ベントを外すジャッキダウンを北側と南側の2回に分けて実施しました。屋根の半分を先行させて止水し,内部空間化することで,内装工事などにも着手できるようになります」。広い視野でトリッキーなパスを通す,和泉副所長の技が光る工事計画だ。photo:takuyaomuraBIMを用いた正確な調整 本計画では,豊かな外部空間獲得のため,建物ボリュームをコンパクト化するとともに,このエリアの都市計画で定められた地上6.75mのアクセスレベルに合わせて3階床レベルを設定していることから,設備機器・ダクト・配管などのスペースがタイトになっている。施工総合図の検討にはBIMをフル活用し,意匠,構造,設備の整合性の調整を早期に実施した。このプロセスも,鉄骨工事と同時の設備先行施工実現には欠かせなかった。「言うに易しですが,設計者,監理者,計画・設備担当者,サブコン,施工図担当者が総がかりで針の穴を通すような調整をしてくれました」と辻岡副所長は関係者を労う。アリーナ建築の知見 辻岡副所長は最後にこう続けた。「アリーナ建築は特殊です。この現場にも沖縄アリーナやKアリーナ横浜で活躍した社員が配属され,当社のこれまでの経験が生かされています。また,前例のない挑戦に協力し合って取り組める現場の良好な雰囲気のなかで,多数の新しい工夫も取り入れてきました。これからも全国で同様の建設が増えていくでしょうから,私たちのチャレンジも当社の知見として蓄え,今後につなげていきたいです」。 メインアリーナは7月に建て方を終え,その輪郭を現した。着工から14ヵ月目の現在は,バスケットボールの試合でいえば3Qの中盤にあたる。残り10ヵ月,工事完了までチーム一丸で走り続ける。和泉整児副所長(左)と辻岡展宏副所長多くの現場視察や見学会の開催も,この現場の特徴のひとつに挙げられる。ゴールデンウィークにはアルバルク東京のファンクラブ会員を対象とした親子現場見学会が開催された(写真)。見学ツアー後には,重機への乗車体験や高所作業車を使ったダンク体験も行い,現場には一足早い歓声と声援が響いた。建設業の魅力発信,将来の担い手確保のため,ふだん建設業との関わりが少ない人々に向けても積極的に現場を公開している。南側屋根トラス鉄骨ジャッキダウン直前のメインアリーナ内観column未来に向けて現場を開く

2012KAJIMA2024092005年シーズン開幕まで河原木 2004年の1期工事に所長として関わりました。当時私は39歳で,楽天の三木谷社長と同じ歳。2003年まで秋田県のこまちスタジアムの現場にいたので,スタジアム建設の経験値は多少あったのですが,宮城球場を目の前にした第一印象は「え,これをどうやってプロ野球の球場にするの?」というものでした。 1950年につくられたこの球場はかなり古くて,芝も荒れていた。「プロの試合を開催できるようにするためには,どれくらいの工事が必要になるのか,想像もつかないな」と,まるで他人事のように思っていました。11月に楽天さんのプロ野球参入決定のニュースが全国に流れ,それから急に所協力的で,夜遅くまで工事していたときも「頑張ってね」と言ってくれました。本当に感謝しています。今野 1期工事時は報道対応も担当していたのですが,マスコミの論調はギリギリまで「間に合わない」で,日本中から注目されていた工事ゆえのプレッシャーがありましたね。加茂 公式チアリーダー「東北ゴールデンエンジェルス」の初代メンバーとして2005年から球団に関わっています。私も当時は記者に「球場って間に合うんですか」とよく聞かれましたね。現場のことは何も知らなかったけれど,「絶対間に合うはずですよ」と答えていました。関係者は皆,間に合うと信じて疑わない雰囲気がありました。 現在は球場の施設づくりに携わり,主に座席づくりを担当していますが,いまの立場長を務めることの重責を感じて緊張しはじめましたよ。そこから4月1日の本拠地開幕戦まで,全速力での工事でした。今野 1期から19期工事まで球場工事に関わりました。1期工事のときに,当時の球団社長の島田さんが朝礼に来られて,朝礼台に上がり「自分たちのためにありがとう」と実際に現場で働く技能者さんたちを前に感謝の言葉を語られたことが非常に印象に残っています。発注者のトップが朝礼に来るというのを私は初めて見ましたね。感動しました。そういった気遣いもあり,一緒に歩んできたチーム意識はスタート時からすでにできていたように感じます。河原木 1期工事では技能者さんが多い日で約900∼1,000人,東北全域から喜んで集まってきてくれました。近隣の皆さんも球場History●2004年◆(9月22日)楽天,宮城球場を本拠地として 日本野球機構に加盟申請すると発表◆(10月12日)球場改修企画コンペ説明会開催◆(10月13日)田尾安志監督就任◆(10月19日)球場改修企画コンペ, プレゼンテーション実施。 翌々日,鹿島が指名を受ける◆(10月22日)球団名「東北楽天ゴールデン イーグルス」に決定◆(11月2日)プロ野球オーナー会議で楽天の 新規参入が了承される・(12月)宮城球場の増改築に着手① 2005年シーズン開幕までの工事内容・バックネット裏スタンドの外周に「ボールパー ク養成ギプス」を増築,2階床まで施工・国内最大両翼へグラウンド拡張。人工芝化・客席改修および新設。砂被り席②や張り 出し席など個性的な座席が誕生・外野レフト側の楽天山など外構工事・両翼に外野ウイング席を新設・ブルペン新設,スコアボード新設◆(3月20日)1期工事完成式●2005年開幕∼シーズンオフ◆(4月1日)本拠地開幕戦。 西武ライオンズを相手に16対5で勝利・ボールパーク養成ギプスを5階建てに拡張, 3塁側内野席上段にスタンド増設③・バックネット裏3∼5階に屋根付き座席, 4階に個室型観戦席,1塁側内野席後方に ボックス席を新設④・大型ラウンジ「イーグルスネスト」,クラブハウス, 室内練習場を新設⑤●2006年開幕∼シーズンオフ◆野村克也監督就任(∼2009年)・バックネット裏に国内球場初のリボンビジョン, ボックスシートを新設球団創設20周年を迎える東北楽天ゴールデンイーグルス。2004年のプロ野球参入決定から,本拠地球場づくりをともに進めてきた当社と楽天野球団の担当者が,球場にまつわる熱いドラマを座談会形式で振り返る。東北楽天ゴールデンイーグルスがプロ野球に参入することに決まった2004年から現在に至るまでの主な出来事・工事を振り返る※特記なき工事は当社施工座談会で振り返るPLACE2年楽天モバイルパーク宮城の©RakutenEagles

13KAJIMA202409(前列右から)楽天野球団コーポレート本部スタジアム部山縣大介部長楽天野球団コーポレート本部スタジアム部ボールパーク開発グループ加茂あゆみマネージャー(後列右から)東北支店青森営業所 今野繁所長東北支店建築設計部 柳田盛行グループ長東北支店建築部 河原木忍建築工事部長東北支店営業部 楢原圭課長特集 FUNPLACES鹿島のつくるスポーツエンターテインメント施設になって改めて,あの短い期間でよく完成できたなと,素晴らしい工事をしていただいたと思います。東日本大震災,2年後日本一に山縣 球場内飲食店舗の企画運営管理を担当しているときに東日本大震災が起こりました。テナント側で施工していた部分の損傷が激しく,ガス漏れや漏水が多発していました。鹿島さんと一緒にヘルメットをかぶって,暗闇のなか,音や匂いなど五感を駆使して点検に奔走したことを思い出します。当時つくった被災リストをいまでも振り返ることがあるんですが,膨大な数でしたね。加茂 震災後はチアとして避難所訪問などを行っていたのですが,そのときも「スタジア絶対で,毎年そこに間に合わせなければならないんですよね。今野 毎年,そのゴールに向けて一致団結して頑張っていますね。おかげさまで20期まで,工事が遅れて開幕に間に合わなかったことはありません。加茂 東日本大震災の後はなかなか球場にお客さんが来てくれず,苦しい時期でした。2年後に日本一になった年も当初は出足が戻っていませんでした。そのなかで,大活躍したエースの田中将大選手が登板する金曜日はたくさんの方々がスタジアムに来てくれて,9月のリーグ優勝が決まりそうなタイミングからはどんどん人が集まってきたんです。日本シリーズは「仙台にこんなに人がいるんだ」と驚く程でした。チケットがない人もスタジアムの外に集まってきていました。ムが本当に戻るのかな」と正直不安に思っていました。それでも,4月29日のホーム開幕に合わせてちゃんと整えてきてくださった。今野 4月7日に大きい余震が起こり,ある程度頑張って直したところがまた被災してしまって,皆さんくじけそうになったけれど,なんとか奮い立たせて工事をしていましたね。河原木 気持ちはくじけていましたよ(笑)。当時はこの現場以外にもいろんなところを直しているので,技能者さんを集めるのも大変な状況でした。被害が大きかったスタンドの段床が下がってしまった箇所は一旦立ち入り禁止にして,シーズンオフの工事にさせてもらいましたが,ほかはとにかく開幕に間に合わせました。山縣 2022年3月の地震のときもそうでしたが,プロ野球ではシーズン開幕の日程が●2009年開幕∼シーズンオフ◆クライマックスシリーズ初進出。 パ・リーグ準優勝・外野ライト側後方に大型ビジョンを新設・防球ネット設置●2010年開幕∼シーズンオフ◆マーティ・ブラウン監督就任●2011年開幕前∼シーズンオフ◆星野仙一監督就任(∼2014年)・東日本大震災発災。応急復旧処置を実施◆(4月29日)本拠地開幕戦を迎える⑥◆オールスターゲーム開催・シーズン終了後に本復旧工事を実施●2012年開幕∼シーズンオフ・外野フェンスを改造。新名称は「Eウイング」・従前の外野席とEウイングの間にテーブル 付き4人掛けシート,カウンターテーブル付 きのペアシートを新設・1塁側内野スタンド上段のボックスシートを 増席。パーティーデッキを新設・バックネットおよび内野席の防球ネット張替え●2013年開幕∼シーズンオフ◆田中将大投手が24勝0敗の大記録樹立◆パ・リーグ優勝◆読売ジャイアンツとの日本シリーズを制し 日本一⑦・ライト側大型ビジョン前にパーティーデッキ 新設●2007年開幕∼シーズンオフ◆オールスターゲーム開催・ライト側外野芝生席にグループシートを設置・バックネット裏にボックスシートを増設・立体広告看板設置・リボンビジョンを外野両翼に増設・グラウンド人工芝張替え●2008年開幕∼シーズンオフ・バックネット裏砂被り席上部に座席を新設◆楽天野球団が「既存野球場の改修における バリアフリー化」で第3回国土交通省  バリアフリー化推進功労者大臣表彰を受ける©RakutenEagles

14KAJIMA202409誰もが楽しめるボールパークへ楢原 球団創設9年目で悲願の日本一を達成し,より多くのお客さんがスタジアムに入れるよう,スタンドの増設へとつながっていったわけですね。私もずっと野球をやっており,2014年から憧れの球団の担当として,どんどん変わっていくスタジアムを間近に見られて,非常に楽しく充実した営業活動をさせてもらっています。山縣 日本一になった2013年からボールパーク化する2016年まで,一気に駆け抜けた怒涛の4年間でした。社内の体制も変わり,私もそのタイミングでいまの部署に移ってきました。平均動員が1万5,000∼6,000人の時代から2万人,2万3,000人へと次のステップに進んでいった時期で,このときに現在の球場のベースができたと思います。河原木 私は1期工事の後この現場を離れていたのですが,2011年の震災復旧と,2014年の大規模3塁側スタンド増設のときに戻ってきました。2014年は「楽しいことをどれだけ考えてるか競争」をやっているような感じで,このときもすごい熱量でした。山縣 ダグアウトと3塁側スタンド,正面や3塁側の外構工事も同時並行で進めましたね。工事量が膨大で,取り合いも複雑でした。複数工事の同時着工が可能になったのは,あのとき柳田さんが確認申請の整理をしてくれたリストのおかげです。柳田 他社施工の建物も含めて整理をしましたね。私がこの球場に本格的に関わりはじめたのは2012年ですが,これまでいろんな席を設計してきました。加茂 あの頃は柳田さんにお会いするたびに「ここに席を追加できますか?」という相談をしていました。柳田 加茂さんは“隙間”を見つける天才なんですよ。ほかにもいろんな人が球場に隙間を見つけては「もう一席,ここに増やせませんか」と持ち掛けてくる(笑)。山縣 他社さんにお願いした工事も含めて,このスタジアムの座席については全部柳田さんに集約してご相談しました。柳田 結果的にすごくバリエーションのある座席になっていて,日本全国を探してもこんなスタジアムはないですね。山縣 世界でもほかにないと思いますよ。楢原 新築のスタジアムではできないよさが最大限に発揮されていますね。山縣 「パーティーデッキ」など団体での観戦を楽しむ席から一人席へと,コロナ禍でのニーズの変化があり,いまは3,4人分まとめて席を購入される方が増えてきました。これからも時代の変化に合わせて,野球観戦の醍醐味を一緒につくっていきたいです。柳田 この球場は春先になると,レフト側にあるスマイルグリコパークからバックネット裏に向かって風が吹き抜けるんですよね。打球を押し戻してしまうその風を何とかできませんかという相談を受けて,当社の技術研究所の風工学の専門家を球場に呼び,あれこれ考えたこともありましたね。今野 ほかにも今江監督が現役時代にサードの守備に就く際,天然芝とクレー(土)の境目の処理を気にされていました。段差が大きいとイレギュラーバウンドしてしまうと。山縣 懐かしいですね。選手からの要望もそのまま鹿島さんにぶつけています。「百年球場」へ向けて楢原 いま掲げられているテーマは「サステ●2014年開幕∼シーズンオフ・内野3塁側後方に複合スタンドを建設。 カウンター付きの座席,テーブル付きの座席, ボックスシート,パーティーデッキ,立見席を 備える⑧⑨・総面積2,000m2の天然芝のフィールドを  球場敷地内に新設・バックネット裏座席入替え・エレベータ設置●2015年開幕∼シーズンオフ◆大久保博元監督就任・新コントロールルームを設置・楽天山を公園化・フェアグラウンド部分を天然芝化。 米プロスポーツ施設で実績ある芝生維持 機構(サブエアーシステム)を国内球場で 初導入⑩・内野張り出し席を拡張,ボックスシート追加・ダグアウト内ベンチを2列から3列に拡大・ダグアウト上部およびカメラマン席上部に 座席を新設・バックネット裏ボックスシート改修●2016年開幕∼シーズンオフ◆梨田昌孝監督就任(∼2018年)・スマイルグリコパークに観覧車とメリーゴーラ ウンドが登場⑪ ※他社施工◆球団主催試合での観客動員数の 史上最高記録を更新(162万961人)。 宮城球場では1試合平均2万2,652人の 来場を記録・3階クラブシート,エキサイトプレステージ席 増設・広告看板デジタルサイネージ設置●2017年開幕∼シーズンオフ◆球団主催試合での観客動員数が歴代最  多177万108人を記録・ライト側照明塔塗装・1階ドリンク拠点増設・選手ロッカー増設●2018年開幕∼シーズンオフ・ファウルゾーン天然芝化。 総天然芝の球場となる⑫・1塁側フィールドシート改修,5階記者席改修, Eウィング席改修・防球ネット更新●2019年開幕∼シーズンオフ◆平石洋介監督就任◆スタジアム内完全キャッシュレス化◆球団主催試合での観客動員数が歴代最多 182万1,785人を記録・Eウイング段床改修,3塁側スタンドエリア 改修,5階プレミアムラウンジ改修加茂さんに聞いた「憧れの席」,プレステージ・プラチナ(砂被り席)は改修を経てより快適な屋根付きになった山縣さん,今野さん,楢原さん揃っての「お気に入り」,外野指定芝生席©RakutenEagles©RakutenEagles©RakutenEagles©RakutenEagles©RakutenEagles

  15KAJIMA202409特集 FUNPLACES鹿島のつくるスポーツエンターテインメント施設ナブル・スタジアム」ですね。山縣 持続可能な未来のために,環境,社会,地域に配慮した球団運営,スタジアム運営に取り組んでいます。今年ナイター照明をLED化しましたが,2005年の時点で,球団社長だった島田が「エコスタジアム」というキーワードを出していて,トイレ洗浄水やグラウンドへの散水はCO2排出量が少ない井戸水を当初から利用していました。「社会」というテーマでは,スロープで車いすでも外野スタンドまで行けるようにしたり,エレベータを設置したりと,鹿島さんと一緒に球場のバリアフリー化を続けています。また,3世代が訪れるスタジアムをめざし活動を続けてきた「地域密着」での活動も,球団創立当時に挙げていたキーワードのひとつでした。20年前からやってきたことを,これからぎんじ 1988年生まれ。岩手県出身。盛岡中央高等学校卒業。2005年高校生ドラフト会議で指名を受けて入団。2013年は打率.317で,球団初のリーグ優勝と日本一に貢献。2023年まで楽天一筋でプレーし,現役引退後の2024年より球団アンバサダーを務めるも続けていき,野球を通じて社会課題を解決していきたいです。今野 今年,宮城球場は改修前から数え●2020年開幕∼シーズンオフ◆三木肇監督就任◆新型コロナウイルス感染症流行に伴う 無観客や観客数を絞っての試合開催◆QRチケット入場導入・1塁カメラマン席改修,4階ロイヤルルーム 改修・座席新設,5階記者席改修,監督 室シャワー室増設ほか・震災(2021年福島県沖地震,2021年3月 宮城県沖地震)対応各種工事, ナイター照明塔補修●2021年開幕∼シーズンオフ◆石井一久監督就任(∼2023年)◆オールスターゲーム開催・震災(2022年福島県沖地震) 対応各種工事・外野席躯体更新,既存受変電機器・ 高圧ケーブル更新工事・ナイター照明塔耐震補強●2022年開幕∼シーズンオフ・レフトスタンド外野席躯体更新・1塁フィールドシート改修・各所電力増強工事・ナイター照明塔耐震補強楽天モバイルパーク宮城の特徴は,気軽に足を運べる,野球観戦が目的でなくても大人も子どもも楽しむことができる場所だというところです。2016年のスマイルグリコパークのオープニングセレモニーにも選手として立ち会いましたが,初めて見たときは「ボールパーク」ってこういうことなんだなと驚きました。その名の通り,子ども達がまるでテーマパークに来たかのように,思いっきり遊ぶことができますし,夏休みにはプールまで登場したり,動物園になっていたり,何度でも来たくなるような仕掛けがあるんですよね。天然芝の青々しさは,景色の中心になっているというか,観る側からもプレーする側からも,気持ちがいいです。これからも,たくさんの人をワクワクさせてくれる,進化が止まらない球場であり続けてほしいと思います。アンバサダー銀次 Message©RakutenEaglesると75年目を迎えました。もう26年続けて,世界に誇れる「百年球場」を一緒につくっていきたいですね。山縣 仙台駅東口に昨年大きなビルが建ち,球場とふたつのマグネットができました。この間をもっと活性化していきたいと思っているんです。いまはシャトルバスを運行していますが,ウォーカブルなまちづくりであるとか,電気自動車を走らせたりとか,そういう開発も一緒にやれたらいいと思います。今野 数年前から国もスポーツ施設を絡めたまちづくりを推進していますからね。山縣 可能性を感じています。仙台のまちに溶け込む「サステナブル・スタジアム」●2023年開幕∼シーズンオフ・ナイター照明塔耐震補強・ナイター照明をLED化⑬ ※他社施工●2024年開幕∼◆今江敏晃監督就任◆セ・パ交流戦初優勝TOBECONTINUED...楢原さんの思い出,2016年開幕戦時の新聞広告。球団選手,スタッフ,現場所員,技能者などで撮影した集合写真(2016年3月25日付「河北新報」)東北楽天ゴールデンイーグルス©写真企画©RakutenEagles©RakutenEagles