20KAJIMA202410量のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出す」という目標に大きく寄与する。 東北支店の鬼太郎山風力発電建設工事事務所で現場監督を務める石塚日和さんは入社3年目。幼少期から図工や工作など“ものづくり”が好きで,将来の夢は大工さんだった。高校生の頃,現場に出てものづくりに携われる仕事はなんだろうと考えた時にゼネコンを知り,「大きいものがつくりたい」と土木の道に進んだ。入社後初めて配属された当現場では,風車基礎の躯体構築を担当。配筋検査や出来形検査,コンクリート打設などの施工管理を行っている。コミュニケーションを大切に 福島県の緑あふれる鬼太郎山で,ブレード直径約120m,最高高さ約154mの風車10基を新設する,かわうち鬼太郎山風力発電所(福島県双葉郡川内村)の建設工事が進む。造成工事から基礎工事,風力発電機の輸送と据付工事,電気工事など,多岐にわたる陸上風力建設工事で,現在6基の据付が完了(8月時点)。2025年1月の竣工を目指し,残る4基の施工を進めている。当工事の完成により,福島県が掲げる「2040年頃を目途に,県内のエネルギー需要量の100%以上に相当する風車1基のタワーからブレードまでの重量は約500t。これを5倍以上の重さにもなる約2,750tのコンクリート基礎が支える。この工事ではそれを10基建設するが,車両の出入り口は10号機の手前に1ヵ所のみ。そこから工事用道路を造成し,風車を順に構築して進めていく。「各風車への動線は,この工事のために整備した細い一本の工事用道路しかありません。そのため,大型車両が頻繁に往来する現場では,車両のスケジュール調整が必要です。各所での施工をスムーズに進めるために,所員や技能者さんとも綿密に相談しながら進めています」どんな課題も自分らしく乗り越える2022年入社。同年東北支店土木部配属。2022年5月より当現場を担当。初めての業務にも自ら積極的に取り組み,先輩社員や技能者から仕事のいろはを学ぶ。プライベートでは,最近始めた編み物に夢中。仕事が終わり帰宅すると,就寝時間まで没頭してしまうそう。石塚日和いしづか・ひより/栃木県出身地域デザイン科学部社会基盤デザイン学科卒業東北支店鬼太郎山風力発電建設工事事務所2017年入社。関東支店土木部技術設計グループと土木設計本部で2年間,CADや設計業務に従事した後,関東支店で「日立LNG基地2基タンク工事」などの現場を担当した。2022年5月より当現場を担当。趣味は,岩盤浴,温泉めぐり,ぬか漬け作り。大型特殊免許などの資格を保有し,今後は大型車の免許取得にも挑戦する予定。西村亜紀にしむら・あき/山形県出身工学部建築・社会環境工学科卒業東北支店鬼太郎山風力発電建設工事事務所工事主任photo:ShinjiroYamada

21KAJIMA202410オープンな工事事務所を意識した執務室の打合せテーブル川内村は,国指定天然記念物であるモリアオガエルの生息地で,「自然の村長モリタロウ」が村公式のキャラクターとなっている。そのモリタロウのイラストとともに,川内村の名所などを会議室や執務室の室名にしている。扉に掲示しているイラストは石塚さんが考案現場を第一に考える憧れの先輩を目指してfile-15と前向きに課題に立ち向かう姿が輝かしい。 現場で日々奮闘する石塚さんが“聞き上手”と親しみを持つのは,入社して初めての先輩にあたる,入社8年目の西村亜紀工事主任。学生時代,テレビでアフリカに水道管を敷設する番組を見た時,完成した蛇口から水が出た瞬間の現地の方たちの喜ぶ顔が心に残り,誰かの幸せにつながる仕事がしたい,感動を分かち合いたいという想いから,土木の世界に入った。工事着手前の計画段階に配属され,入社間もない石塚さんとともに,現場事務所の立ち上げを行った。「2人で相談し,コミュニケーションが取りやすいオープンな工事事務所を目指して,フラットで大きな打合せテーブルやモニターなどを導入しました」と当時を振り返る。西村工事主任は現在,工事用道路の造成,風車基礎躯体の構築,風車の組立,電気ケーブルの接続など多岐にわたる業務を担当している。課題は同じく工事用道路での車両調整と,天候を意識した工程管理だという。「様々な工種の車両が工事用道路を通ります。大型車両の通行時は一方通行となるため,ほかの作業に影響が出ないよう,作業日程や時間,エリアを調整するのが難しいです。また,風車の組立は風が強いとできません。山の天候は変わりやすく,常に天気予報をチェックして,所員や技能者の皆さんとこまめに情報共有を行っています」。とにかく現場が大好き 笑顔で話す2人からは,現場への強い愛情が伝わってくる。技能者さんからも聞き上手だと声が挙がるという西村工事主任は,「現場でキャリアを終えたいと思うほど,現場が大好きです。この工事が竣工した後,別の同種工事を経験して,この工事で学んだことを活かしたいです。そして,技術的にも,人物的にも信頼される人になるのが目標です」と声を弾ませる。西村工事主任から,「分からないことも自ら解決し明るく前向き。とにかくめげない!」と感心される石塚さんも,「すごく現場が楽しい。若手のうちに色々なことを現場で吸収していきたい」と話す。そんな石塚さんの目標は西村工事主任。「包容力があって全てが尊敬でき,私もこうなりたい!」と目を輝かせる。 明るさと積極性,そして何よりも現場が大好きという強い想いを胸に,2人の挑戦は続いていく。大学時代はアルティメットでアクティブに活動していたが,実は「暑いところが苦手で夏はインドア派」という石塚さん。最近は,自宅で編み物をして過ごすことがほとんど。「冬は大好きなスノーボードに行くので,自分で編んだニット帽を被って滑りたいです!」働き方改革でプライベートの時間が増えたという西村さんは,アウトドア派。休日は旅行や土木・建築物を見に行くそう。「先日,念願のスカイツリーに行って来ました。どうやって作ったのかなと,上りながら話したのは,楽しい思い出の一つです」。また,自宅近くの酵素風呂にも通っているそう。「基礎体温が上がるので,免疫力UPにもつながるのでは?!と期待しています。」photo:ShinjiroYamadaphoto:ShinjiroYamada