KAJIMA20241026Kboard「コーセー南アルプス工場新築工事」が着工 7月11日,「コーセー南アルプス工場新築工事」(山梨県南アルプス市)の起工式が現地で行われ,来賓をはじめ事業・工事関係者が参列し工事の安全を祈願した。 本計画は,大手化粧品メーカーのコーセーが,国内外で拡大する化粧品需要に応え,高品質で競争力のある製品を確実かつタイムリーに供給するために,新たな生産拠点を建設するもの。 お客さまに寄り添う“アダプタビリティ”の考え方のもと,多様なニーズにきめ細かく対応するため,柔軟な生産体制を備える多品種生産工場を目指す。また,「美しい知恵 人へ、地球へ。」という企業メッセージに基づき,「人」と「地球」の双方に向き合い,水資源や森林などの環境保全に取り組むサステナブルな工場として整備する。 工場の稼働にあたっては,コーセー,同社生産子会社のコーセーインダストリーズ,山梨県の三者が連携する。電力は,県営水力発電所で作られたCO2フリー電力とも表現される再生可能エネルギーのほか,日照時間の長い山梨県の特徴を活かした太陽光による自家発電で賄う。なお,県営の水力発電で作られたCO2フリー電力100%を建設段階から工事のエネルギーとして使用するのは,全国初の事例となる。さらに,化粧品製造に必要な熱エネルギーは従来の化石燃料から県産の「グリーン水素※」に段階的に転換することで,環境に配慮する。 カーボンニュートラル社会の実現と,地域の活性化に積極的に取り組む新工場は,2026年2月に竣工予定。同年上期中の稼働を目指す。完成イメージ(全体図)子 7月11日,トヨタ自動車が計画する「トヨタスポーツセンター第一体育館新築工事」の地鎮祭が現地(愛知県豊田市)で行われ,事業・工事関係者が参列し,工事の安全を祈願した。 このプロジェクトは,1973年に完成したトヨタスポーツセンター(敷地面積約63万1,020m2)のリニューアル事業の第一弾として,老朽化が進む第一体育館の建替えを行うもの。 本施設を敷地全体の拠点とし,アスリートの強化に必要な「トレーニング・コンディショニング・栄養管理」の3つの機能ごとにゾーニングすることで,効率的な動線を確保。最新のトレーニング機器を完備した1,000m2超のジムエリアや,最先端技術の動作解析設備など世界トップレベルのトレーニング施設のほか,トヨタ記念病院との連携による最先端リハビリ&コンディショニング「トヨタスポーツセンター第一体育館新築工事」が起工施設全景(完成イメージ)©Hansinok©Hansinok施設を設け,支援体制を構築する。また,全面バリアフリー化による世界標準のユニバーサル施設として,パラアスリートが安心して充実したトレーニングに取り組むことができる施設を目指す。 地域住民の交流の場として,芝生広場や子ども用ボールパーク,隣接するラグビー場を臨めるカフェスペースなど,アスリートとファンをつなぎ,より賑わいのある空間を提供する。 トヨタアスリートの中心拠点となるコーセー南アルプス工場新築工事場所:山梨県南アルプス市発注者:コーセー基本設計・監理:山下設計実施設計:当社建築設計本部規模:S造 3F 延べ39,300m2工期:2024年7月∼2026年2月(関東支店施工)トヨタスポーツセンター第一体育館新築工事発注者:トヨタ自動車設計:久米設計・鹿島建設設計・監理共同企業体規模:RC造一部S造 3F 延べ19,040m2工期:2024年8月∼2026年12月(中部支店施工)※再生可能エネルギーを使って発電された電気を使い,水を電気分解して得られた水素。製造時にCO2を排出しない特徴を持つアリーナ(完成イメージ)高機能スポーツセンターの完成は,2026年12月を予定している。

27KAJIMA202410 6月24日,「留寿都風力発電所」(北海道虻田郡留寿都村)の竣工祝賀会が,ルスツリゾートホテル&コンベンションで行われ,来賓をはじめ事業・工事関係者が出席し,完成を盛大に祝った。 本事業は,米国系発電会社のインベナジー・ウインドが日本で初めて手がける陸上風力発電施設で,札幌市から南西約60km,リゾート地として親しまれる留寿都村に位置する。 規模は,1基あたり4.2MWを誇る米国GEVernova製の最新型大型風車を15基設置するもので,「留寿都風力発電所」が竣工総出力は63MW。当社が設計・施工を担当した。本工事は,15基の風車を標高800mの地点に設置することから,豪雪・強風など,地理的・気象的にも厳しい条件下での施工となった。工事開始は2021年4月,今年3月から営業運転を開始している。 発電所の完成により,道内の一般家庭3万5,000世帯相当の電力供給を可能とし,風力発電から生まれるクリーンエネルギーで,年間6万4,000tのCO2削減に貢献する。 7月27日,バリューズフュージョンが主催する「職業体験EXPO2024」がベルサール渋谷ファースト(東京都渋谷区)で開催された。 このイベントは,次世代を担う子どもたちに,企業が社会にどのような貢献をしているのかを知ってもらうことで,社会のしくみを学び,同時に将来の目標や職業観を育んでもらうことを目的としている。今年は小学3年生∼6年生の1,500名を超える親子が来場した。 当社は,今年1月に能登半島子ども向け体験イベント「職業体験EXPO2024」に出展地震が発生したことから,「地震とたてもの」をテーマに,地震対策技術に関する講義と地震のクイズを交えながら,耐震・制震・免震技術について説明した。その後,子どもたちに非免震建物と免震建物の揺れの違いを体験できる当社開発の可搬型振動台「ポータ震」を体験してもらった。そのほか,被災現場の安全点検などに活用が期待される四足歩行ロボット「Spot」のデモンストレーションを実施した。 訪れた子どもたちからは「免震・羊蹄山(中央)をバックに,完成した留寿都風力発電所非免震でこんなにも揺れ方が違ってびっくりした」「免震技術が人の命を守っていると感じた」などの感想が寄せられた。ポータ震を体験する子どもたち体験メッセージ「鹿島サマースクール2024」を開催 当社は,7月23日から約1ヵ月の間,「鹿島サマースクール∼本物の建設現場を見に行こう∼」を開催した。このイベントは,当社の社会貢献活動の一環として,小・中学生を対象に2017年から実施し,現場見学や作業体験を通して子どもたちに建設業に対する興味や理解を深めてもらうことを目的としている。 今年は北海道,岩手,長野,千葉,神奈川,愛知,大阪,福岡の8道府県における高層ビルやトンネルなどの現場で開催し,親子合わせて約130名が参加した。当日子どもたちは,プロジェクトの概要や現場のデジタル化などについて説明を受けた後,見学を行い,工事関係者の説明に熱心に耳を傾けた。作業体験では,足場の組立てやモルタルで手形を作成した。(仮称)柏の葉キャンパス新技術センター計画新築工事事務所(千葉県柏市)での集合写真 参加した子どもたちからは,「想像以上にスケールの大きい仕事に感動した」「現場の安全第一がとても伝わってきた」などの声が寄せられた。 当社は今後も,次世代教育活動を通じ,子どもたちに建設業の魅力を発信していく。免震装置の説明(同工事事務所)

KAJIMA202410282024年度「エンジニアリング功労者賞・奨励特別賞」を受賞 7月24日,エンジニアリング協会主催の2024年度「エンジニアリング功労者賞・奨励特別賞」の表彰式が第一ホテル東京(東京都港区)で行われた。この賞は,エンジニアリング産業の発展に著しく貢献したグループ・個人を表彰するもの。当社は,エンジニアリング功労者賞部門でグループ表彰を2件,エンジニアリング奨励特別賞部門で2件受賞した。全国発明表彰「文部科学大臣賞」「発明実施功績賞」を受賞 7月11日,TheOkuraTokyo(東京都港区)で「発明協会創立120周年記念式典及び令和6年度全国発明表彰式」が開催され,当社技術研究所栗野治彦副所長が発明した「圧力副室付加による振動エネルギー吸収効率増倍式ビル用制震オイルダンパの発明(特許第6000872号)」が「文部科学大臣賞」を受賞し,同発明の実用化に貢献した当社は,「発明実施功績賞」を受賞した。 全国発明表彰は,1919(大正8)年に科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まり,日本を代表する幾多の研究者・科学者の功績を顕彰するもの。全国発明表彰における当社の受賞は1992年以来32年ぶり5度目の快挙となる。 対象となった発明は,当社の制震オイルダンパの最新機種「HiDAXR®」で,建物の層間に設置して揺れを低減する技術。自動車のブレーキ制御などで用いられているエネルギー回生システムの原理を初めて建物に応用し,地震による建物の振動エネルギーを一時的に補助タンクに蓄え,ダンパの制震効率を高めるアシスト力として利用することで,一般型の約4倍に複合機能搭載シールド掘進チーム 成熟した都市部で施工するシールド工事は,狭隘な道路下での掘進となるため地上からの支障物撤去や地盤改良が困難となる。開発した「複合機能搭載シールド」は,高圧噴射ノズルを搭載したDO-Jet工法と親子シールドを併せて採用することで,周辺環境への悪影響なく,機内からシールド機の外周前方の地盤改良と外径が異なる長距離の大口径下水道管の築造を可能とし,今後のトンネル技術発展に寄与した。WEBアプリ資材管理システム開発チーム 建設現場において,大量の資材を仮置き場に保管し,適宜抽出して使用する場面がある。手作業では誤りが発生する懸念があるうえ,記録や資材の抽出作業に多大な労力と時間を要する。開発したアプリ「Kトレース」は,資材の個別情報(寸法,重量,写真)をWEB上に登録し,GNSSで取得した位置情報と紐付けることで,人為的過誤を防止するとともに,スマートフォンやタブレットなどで資材の位置情報を瞬時に把握することを可能とした。ドレーン工法を用いた油回収技術開発チーム 土壌地下水汚染の三大汚染の一つである油汚染に対して,国内にはこれまで経済合理的に効率良く油層を除去する技術は存在しなかった。本チームは,ドレーン材のトップメーカーと共同でドレーン工法を用いた油回収技術を開発。国内外に類のない新技術で,地下水面上の油(GL-8m以浅)を対象に真空吸引を行うことで,従来技術よりも短期間かつ低コストでの油の回収を可能とした。地盤材料の全量管理技術開発チーム 台形CSGダムの建設における品質管理では,CSG材の粒度と含水率を1∼2時間おきにサンプリングし,粒度と含水率試験を行うため,相当数の人員と時間を要する。開発したAI画像粒度モニタリング®による粒度測定技術と近赤外線水分計による含水率測定技術を組み合わせた表面水量全量管理システムは,高速測定を実現し材料全量を可視化。約9割の省力化・省人化に寄与できることを示した。※CementedSandandGravel達する高効率を実現した。高い安全性や事業継続性が要求される高層建物の巨大地震・長周期地震動対策に適し,既存建物の補強においても多くの利点を備える。 栗野副所長は受賞のポイントを,「2000年に開発したオリジナル版『HiDAX』の技術のノウハウを最受賞したHiDAX-Rの模型受賞後の記念撮影。左から,栗野治彦副所長,内山田竹志発明協会会長,天野社長大限に活かしつつ,限界に達していると思われた制震効率をさらに向上させる独創的なエネルギー回生方式を発見し開花させたことです」と語る。 当社は,今後も技術開発に邁進し,新たな発明による社会貢献を目指す。チーム代表,青木康治工事事務所所長チーム代表,小澤一喜土木管理本部土木工務部担当部長チーム代表,河合達司技術研究所専任部長(左)チームメンバー,田中恵祐技術研究所副主任研究員◆第44回エンジニアリング功労者賞◆第16回エンジニアリング奨励特別賞実プロ化が期待される先駆的技術の開発(実用化された場合にエンジニアリング産業の発展に貢献が期待できるもの)【グループ表彰】エンジニアリング振興(エンジニアリング産業における技術力の向上や新分野の開拓など)【グループ表彰】環境貢献(地球環境の保護・改善や質の高い生活をもたらす持続可能な社会構築)

   BOOKS29KAJIMA202410 7月4日,鉄道建設・運輸施設整備支援機構(藤田耕三理事長)の本社で,同機構が主催する「第21回安全表彰式」が行われ,当社は土木・建築の両部門において表彰状を授与された。 この賞は毎年全国安全週間に併せ,労働災害の防止および工事の安全確保に寄与することを目的として選定されるもので,事故防止に顕著な実績を挙げた受注者に贈られる。 海外事業本部では2008年から年に2回,現地法人が選抜した現地社員に日本での短期研修を行っている。当社の建築部門各部署の取組みや技術・施工のプロセスと成果を,社内講師による講義や施工中現場の視察,技術研究所や鹿島テクニカルセンターの訪問などを通じて学び,その体験を現地での業務に活かすことを目的としている。 6月4∼7日,KOA傘下のシンガポール,タイ,マレーシア,ベトナム,鉄道建設・運輸施設整備支援機構から安全表彰海外現地法人の現地社員に日本短期研修を実施 今回表彰の対象となった2023年度に当社が担当した工事は,北海道新幹線「昆布トンネル(宮田)他」「札樽トンネル(星置)」「札幌車両基地高架橋1,2」,中央新幹線「中央アルプストンネル(山口)」,北陸新幹線「敦賀駅新築」の計5現場。 当社は,事故防止への取組みが特に優秀であり,いずれの工事においても無事故であったことが高く評価された。 7月10日,当社イノベーション推進室が主催する「NASA技術者が語る宇宙探査最前線」が当社赤坂別館(東京都港区)で開催され,アメリカ航空宇宙局ジェット推進研究所(NASA/JPL)の小野雅裕氏が講演を行った。 小野氏は,火星探査車の自動走行や土星の衛星「エンケラドス」探査に向けたヘビ型ロボット「EELS」など,地球外生命探査ロボット開発の最前線でエンジニアとして活躍している。講演会では火星探査の様子を画像や動画を交えて解説するとともに,EELS開発の現状や建設現場に活用した「NASA技術者が語る宇宙探査最前線」講演会開催場合の当社との協業の可能性について言及した。 講演会にはオンラインも含め約300名が参加し,終了後は活発な質疑応答が行われた。参加者からは「普段聞けない話を開発者から直接聞くことができて,大変有意義な時間だった」「EELSは人の立ち入りが制限される建設現場でも活用できるのではないか」など様々な意見が寄せられた。新刊紹介美しきオーベルジュ,SIMOSEのすべてお問合せ鹿島出版会tel:03-6264-2301安全表彰式にて受賞7社の代表者とともに記念撮影。前列左から2番目が竹川専務,前列右が土木管理本部吉田誠担当部長「三井リンクラボ新木場3新築工事」での集合写真屋内展示棟の様子フィリピン,インドの各国現地法人から計12名が来日し,首都圏の5現場を視察した。現地社員からは「整理され清潔感のある現場だった」「自国の同規模工事に比べ,社員数が少なく生産性の高さを感じた」などの意見が寄せられた。 海外事業本部では,引き続き海外現地法人におけるSEQDC管理の向上と人的基盤の強化を目指し,現地社員の育成を積極的に支援していく。 広島県,宮島をのぞむ海沿いの一角に,美術館・ヴィラ・レストランが一体となった複合施設SIMOSEが昨年3月にオープン。今年6月にはユネスコが選ぶ建築賞,ベルサイユ賞にて「世界で最も美しい美術館」に選ばれた話題の建築です(美術館・レストランは当社中国支店施工)。講演会の様子ヘビ型ロボットEELS1.0 水盤に浮かぶ可動展示室などまさに「アートの中でアートを観る」下瀬美術館をはじめ,全棟が異なるプランのヴィラ,レストランなどの建築や見どころ,クリエイションを余すことなく紹介する『SIMOSE』が刊行されました。建物と同様,美しい装丁も楽しめる一冊です。『SIMOSE建築とデザイン』SIMOSE編集委員会/著A5判・144頁,定価2,200円(税込み)設計はプリツカー賞受賞建築家・坂茂氏,施設のコミュニケーションデザインは原研哉氏によるもので,本の装丁も同氏が手がけました