20KAJIMA202503安心を,もっと強く。誕生の礎となった「補修と補強」で,社会に貢献当たり前に続く日常を守り,未来へつなぐ。 カジマ・リノベイトは1994年に設立,昨年で創業30年を迎えた。現在の日本は,高度経済成長期以降に整備され,建設後50年を経過した社会インフラが加速度的に増え,長寿命化・維持管理の需要は高まり続けている。こうした時代の到来を見据え,土木構造物の補修・補強を専門に行う施工会社としてカジマ・リノベイトが誕生した。 全国各地での橋梁・道路・トンネル・鉄道・空港の補修・補強工事に加え,臨海工場のリニューアルや高速道路の床版取替工事,PC橋梁新設工事を行う。補修・補強に関する多様な材料・工法と豊富な技術・ノウハウにより,調査・分析・提案・施工までをワンストップで実現する。 ブランドコンセプト「安心を,もっと強く。」を掲げ,当たり前に続く日常を守り,未来へつなぐ。壊さず「守り・残し・長寿命化」と,CO2排出量を実質ゼロ以下にするカーボンネガティブコンクリート“CO2-SUICOM”※の製造・販売を通して,カーボンニュートラル社会の実現にも挑戦していく。※鹿島・中国電力・デンカ・ランデスとの共同開発GroupIdentity東京都新宿区住吉町1-20角張ビル(6階)Tel.03-5379-8771HP:https://www.kajima-renovate.co.jp鹿島グループは,グループ各社との連携を強化し,バリューチェーン拡充による顧客への提供価値の向上と,新たな価値創出を目指していく。カーボンニュートラルにチャレンジする総合リニューアル企業社会資本ストックを守り,残し続け,安心をつくり続けるカジマ・リノベイト123補修・補強の専門会社フットワークの良さ多様な人材お客様視点から最適な材料・工法を提案土木構造物の補修・補強専門会社として鹿島建設の最新技術や自社工法を数多く有し,お客様視点で,対象構造物の劣化・損傷などに適合した信頼性の高い材料・工法を提案する。補修・補強工事以外にも,PC橋梁新設工事,一般土木工事など幅広く対応する。全国各地に橋梁・トンネル・港湾・下水処理場などの多様な工事実績をもつ。コンクリートの変状を見抜くなど専門的なスキル・資格を持つスペシャリストと,工事全体を統括するゼネラリストを有し,調査・診断から提案,施工までワンストップでの対応を可能とする。全国各地の多様な工事現場に対応調査・診断,提案,施工までワンストップで対応劣化,損傷部分を除去し,本来保有する性能や,耐久性,美観を回復させることを目的とした対策【事例】【事例】構造物が持つ耐荷力を供用開始時のレベルより向上させることを目的とした対策 入社したきっかけは,学生時代に聞いた「これからは補修の時代」という先生の印象的な言葉でした。補修がメインの会社と謳っているカジマ・リノベイトを見つけた時に,「これだ,面白そう。しかも,新設工事にも携われる!」という点に魅力を感じました。 入社してからは,阿能川橋床版取替(Ⅱ期,Ⅲ期)や土樽橋塩害補修,今は横浜MM線車両留置場建設工事でモルタル吹付耐震補強工事の安全・品質・工程管理を担当し,上司・先輩・技能者の方々に支えられながら,日々奮闘しています。今後は,資格取得や現場での知識と経験を積み重ね,自分が現場を支えられるような存在を目指します。 「コンクリート」は,自在性・耐久性・耐火性に富むことなどから現代の生活に欠かせない存在であり,社会インフラの多くはコンクリート構造物でできている。しかし,コンクリートは圧縮力には強いものの引張力には弱く,かつ変形性能の低い材料であるため,本質的にひび割れを完全に防ぐことは難しい。 優れた補修や補強技術で,そのコンクリートの寿命を適切に延ばすことで,脱炭素社会の構築に大きく貢献することができる。カジマ・リノベイトは,安全・安心な社会を築き,社会のニーズに応える。「補修」「補強」キラリ輝く社員のVOICEなぜ,「補修と補強」が必要なのか◀塩害,老朽化などで劣化,損傷した部分をハツリ取った状況◀耐震性能を向上させるためのせん断補強筋(CCb)を挿入している状況▶断面修復して構造物が本来持つ性能を回復させる▶アラミド繊維を巻き立て,コンクリート橋脚の耐荷性能レベルを向上させる工事部多田音葉さん

21KAJIMA202503塗布するだけで寿命が延びるコンクリート表面に塗布すると浸透して吸水防止層を形成する。吸水防止層が外部からの水や塩化物イオンなどの劣化因子の侵入を抑制し,構造物の耐久性を向上させる。過酷な塩害環境下で供用60年を迎える熱海ビーチラインの橋梁延命工事。RC橋脚の塩害補修施工では,長距離圧送が可能となる乾式吹付工法の断面修復材を採用することで,営業中の漁港動線を遮断することなく施工を完了させた。また,塩害補修における鉄筋のマクロセル腐食対策として遮蔽型対策工を採用し,補修費の低減と工期短縮に寄与した。鉄道高架下店舗・事務所解体後に現れた高架橋柱の耐震補強工事。解体後の既存柱ごとの状況に応じて鋼板巻立て工法,RB工法,アラミド繊維補強工法,一面せん断補強工法の4つの補強工法を駆使した。補強対象の柱が配線などの支障物に干渉し移設・撤去が難しい状況下で,細心の注意を払いながら施工を行った。床版取替工事で,施工機械を移動させながら一連の工程を連続して行う,鹿島建設が開発した「スマート床版更新(SDR)システム®」を用いて施工した。一連の工程のうち,カジマ・リノベイトは既設床版の撤去,主桁ケレン,高さ調整を担当し,新設床版の設置(他社施工)を含め床版取替にかかる期間を従来工法と比較して,約67%短縮することに貢献した。新東名高速道路河内川橋(仮称)はアーチスパン220mの長大アーチ橋で,上下線P2・P3の大口径深礎および橋脚,鋼殻構造のスプリンギング部,上下線P3のアーチ部を施工した。アーチの張出し架設では,コンクリートアーチリブの構築に超大型特殊移動作業車(ブロック長最大6.5m)を使用し,鋼部材の鉛直材,補剛桁,斜吊材との4部材でトラスを形成しながら構築した。現在は閉合部の施工に着手している。構造物を外側から補強できる地下構造物など,構造物の内側からでしか補強できない構造物に対して,両端にセラミック製の定着体を取り付けたせん断補強鉄筋を挿入・一体化することで,せん断耐力やじん性を向上させる。マジカルリペラー®マジカルリペラーHVCO2-SUICOM®セラミックキャップバー®(CCb工法)カジマ・リノベイトがつなぐ技術カジマ・リノベイトがつなぐ場所従来の浸透性吸水防止材(シラン系)塗布直後浸透性は高いが揮発しやすい塗布直後浸透しやすく揮発しにくい低密度の吸水防止層十分に浸透した高密度の吸水防止層マジカルリペラー(シラン・シロキサン系)無補強後からでは通常の補強(両端フック付せん断補強筋)は施工できない後施工せん断補強せん断破壊格子状配筋の中間を削孔し,CCbを挿入・固定することにより,せん断破壊を防止二酸化炭素を固定化する特殊混和材を用いたコンクリートに高濃度のCO₂を接触させることで,大量のCO₂を吸収させ固定化する。コンクリート製造時のCO₂排出量を実質ゼロ以下にできる環境配慮型コンクリートを製造・販売する。熱海ビーチライン橋梁延命工事阿能川橋床版取替工事河内川橋橋梁新設工事P2P3東武鉄道耐震補強工事補修PC橋梁新設補強※6∼8ページに関連記事掲載インフラを守り,残す日常の安心,安全を造る人々の暮らしを,未来へつなぐリニューアル