KAJIMA20250422Kboard「ONEFUKUOKABLDG.」が竣工 1月17日,西日本鉄道が開発を進めてきた「ONEFUKUOKABLDG.」(福岡市中央区)の竣工式が現地で行われ,事業・設計・工事関係者が出席し,工事の無事完成を祝った。 この計画は,福岡市の再開発促進策「天神ビッグバン」の規制緩和を活用し,西日本鉄道の旧本社ビルを含む3棟を一体的に建て替えたもの。“創造交差点”をコンセプトに,商業・オフィス・ホテル・カンファレンスなど多様な機能を備える九州屈指の大型複合ビルを開発した。規模は,S造(CFT)一部SRC・RC造,地上19階,地下4階,塔屋1階,延床面積14万6,192m2。制震システムに最新型のHiDAX-eを採用し,優れた耐震性能を実現している。都市・基本計画,基本設計を日建設計,基本・実施設計,監理を当社,施工を当社JVが担当した。 地下2階∼地上5階は,福岡初・九州初の店舗が多く出店し,幅広い世代の来街者やワーカーが楽しめる商業施設を整備。6∼7階はラウンジスペース,コワーキングスペース,カンファレンスホールなどを備えるスカイロビー,8∼17階のオフィスフロアは,西日本最大級の基準階専有面積(約1,400坪)を誇建物外観。自然光を採り込む開放的なデザイン子6階スカイロビーと7階をつなぐコンビビアル階段完成した新客室棟「星館」外観。奥には2023年に開業した「宙館」が連なる和ダイニング星HOSHIデラックス和洋室 1月23日,オリックス・ホテルマネジメントが運営する「別府温泉杉乃井ホテル 星館」(大分県別府市)が開業し,2019年から進めてきた大規模リニューアルが完了,新生・杉乃井ホテルがグランドオープンを迎えた。 日本有数の大型リゾート「別府温泉杉乃井ホテル」では,新築・建替えを含めた客室棟(3棟)の開発や,共用施設の改装,インフラ整備などの大規模なリニューアルを進めてきた。今回開業した「星館」は,「虹館」「宙館」に続く3棟目の客室棟で,本計画の最終となる。規模は,RC造一部S造,地上13階,地下1階,延床面積2万4,824m2,設計・施工を当社が担当した。「別府温泉杉乃井ホテル 星館」が開業 全300室の客室は,豊かな温泉情緒が感じられる「和」のテイストを取り入れ,スタンダードからスイートまで約35∼71m2の5タイプを揃える。最上階にはビュッフェレストランを設け,海抜220mから見渡せる別府湾や天窓から見える星空とともに,和食を中心とした食事を楽しむことができる。1階のエントランス・ロビーには,国の重要無形文化財に指定される「小鹿田焼」など大分の工芸品や素材を採用した。 2024年8月に創業80周年を迎えた杉乃井ホテルは,大型温泉リゾートならではの体験を国内外の幅広いお客様に提供し,地域の活性化に貢献していく。る大規模な無柱空間を実現した。最上層18∼19階には,ビジネスや観光などあらゆるシーンに応えるハイクオリティなライフスタイル型ホテル「ONEFUKUOKAHOTEL」を設けた。 多様な機能が重なりあい,天神から世界へと新たな価値を生み出すオンリーワンの複合ビルの開業は,今月24日を予定している。
23KAJIMA202504 当社が開発から設計・施工を一貫して進めてきた国内初の都市型物流施設が1月31日に竣工し,名称を「KALOC※南六郷」(東京都大田区)に決定した。 本施設は,国道15号(第一京浜)に近接し,都心部および神奈川方面へ抜群のアクセスを有するだけではなく,羽田空港や東京港にも至近であり,国内外の物流がカバーできる。規模は延床面積2万2,719m2,最大2テナントの入居が可能な4階建BOX型倉庫で,建物北側のトラックバースや,倉庫内に複数配置している荷物用エレ当社国内初の都市型物流施設開発事業「KALOC®南六郷」が竣工ベーター・垂直搬送機を活用し,より効率的な配送作業を可能とする。 また,太陽光発電設備の設置やLED照明,高性能Low-E複層ガラス,躯体の一部に低炭素型コンクリートを使用するなど,建物全体で環境にも配慮するとともに,道路沿いの歩行者通路に沿って植栽を多く整備し,周辺地域と調和する心地よい空間を目指す。 これらの取組みにより,BELS認証の『ZEB』およびCASBEE建築認証の最高位『Sランク』を取得したほか,国土交通省が2024年※鹿島物流センター「KajimaLogisticsCenter」※「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に基づき締結するもの「KALOC南六郷」外観東九州自動車道「臼杵トンネル」が貫通 昨年12月24日,当社JVが大分県臼杵市で施工を進める「臼杵トンネル」の貫通式が同トンネル内で行われた。式典には来賓をはじめ,発注者である西日本高速道路の関係者や工事関係者など105名が出席し,貫通を祝った。 「令和3年度東九州自動車道臼杵トンネル工事」は,西日本高速道路が進める東九州自動車道(大分宮河内IC∼津久見IC間)の4車線化事業の一環で,大分県臼11月に施行した「脱炭素都市再生整備事業に係る計画の認定制度」の第一号案件に認定されるなど,杵市に施工延長3,531m(土工延長1,482m,橋梁延長116m,トンネル延長1,933m)の高速道路を施工するもの。このうち,臼杵トンネルは暫定2車線(対面通行)で供用中のトンネルに近接して,新たなトンネル(延長1,933m,内空断面積62m2)を構築し4車線とする。 当社JVは,2021年12月から工事に着手し,2022年10月から片押しでNATM発破工法によるトンネル掘削を開始した。供用線トンネル都市の脱炭素化への貢献が期待される。関係者による記念撮影に近接しての工事であったため,振動などを常時計測し,安全に掘削を進め,約2年をかけて無事貫通を迎えた。 今後は,坑門工事や本線土工事,付帯設備などの工事を進め,早期完成を目指す。 昨年12月24日,当社と山林管理および緑化造園業務などを行うグループ会社のかたばみは,農林水産省と「建築物木材利用促進協定※」を締結した。 鹿島グループは,林業の持続的発展や自然再興,建築物への木材利用の促進を実現し,環境保全と経済活動を両立させるには,山林の適切な維持・管理と伐採した樹木の利活用を一体のものとして捉えることが重要と考えている。そのためには,「植林し,手入れして育て,伐採してまた植える」林業と,農林水産省・当社・かたばみが「建築物木材利用促進協定」を締結伐採した樹木を利活用する建設業をつなぎ,森林資源を余すことなく循環利用するサイクルの構築が必要となる。当社とかたばみは,これらを「建築物における木材の利用の促進に関する構想」としてとりまとめ,農林水産省と本協定を締結した。 鹿島グループは,1000年先を見据え,森林を読み解き,いかしながら次世代へと着実につないでいくことを信念に,環境保全と経済活動が両立する持続的な社会の実現を目指す。協定締結お披露目式の様子。(右から,林野庁青山長官,農林水産省滝波副大臣,当社市橋専務,かたばみ髙野社長)
KAJIMA20250424 2月7日,中国電力島根原子力発電所2号機の営業運転再開にあたり,安全対策工事などに尽力し,再稼働に大きく貢献したとして,発注者である中国電力から感謝状を受領した。 当社は,島根原子力発電所2号機において,主に再稼動に関わる原子炉建物他の許認可審査支援と安全対策工事を担当。2023年8月に工事計画認可取得, 1月23∼24日,当社KIビル(東京都港区)で「鹿島現場イノベーションEXPO2025」が開催された。本イベントは,新たな建設現場イノベーションの創出実現のため,本社R&D開発テーマや先端ICT技術の活用事例の紹介・意見交換を通して,広く周知を図ることを目的に2020年から毎年開催をしている。 「来て,見て,さわって,とことん聞いて」をテーマに,建築管理本部,イノベーション推進室,関東支店,東京建築支店,横浜支店,関西支店が主催し,その他本社部署および支店,グループ会社が共催※した。現場の労務削減につ中国電力から感謝状「鹿島現場イノベーションEXPO2025」開催2024年10月の安全対策工事完了といった再稼働に向けた各段階で,客先の要請に着実に応えた。 島根原子力発電所2号機は,2024年12月に再稼動を果たし,今年1月に約13年ぶりに営業運転を再開している。今後も当社は,原子力施設の安全性向上への取組みを通じて,脱炭素社会の実現とエネルギーの安定供給に貢献していく。ながるツールを,パネルや実機展示,ベンダーによる製品紹介など,現場で活用した成功事例とともに展示することで,現場への普及展開を図った。 入場者数は2日間で延べ649名となり,両日とも会場は多くの関係者で賑わった。本イベントを通じて現場の先端テクノロジー活用に関する技術やノウハウが共有されたことで,さらなる業務の効率化や生産性向上が期待される。関係者による記念撮影。左から塚本原子力部長,風間副社長,押味会長,中国電力北野立夫副社長,橋本隆マネージャー,小西克文マネージャー来場者で賑わう会場リニューアルした高性能な無響室※技術研究所,機械部,ITソリューション部,北海道支店,東北支店,中部支店,四国支店,九州支店,OneTeam,カジマアイシーティTopic 当社は,無響室のさらなる高性能化技術を開発し,技術研究所西調布実験場(東京都調布市)内の無響室をリニューアルした。 無響室とは,壁・床・天井をすべて吸音楔とよばれる材料で覆った,音の「響かない」実験室のことをいう。新たな無響室には,天井極限まで無響性を高めた無響室の構築裏(吸音楔の外側)に,十分な荷重に耐えうるキャットウォークを設けた。このキャットウォークから,音をほとんど反射させない細いワイヤーやシャフトを使い,吸音楔を貫通させ,測定対象物を吊り下げることによって実験環境を構築する。これにより,従来無響性能の妨げとなっていた測定対象を支える装置や床などの反射物をなくし,対象物だけが無響室内に浮かぶ理想的な状態での音響計測が可能となった。 当社は今後,高性能の無響室を積極的に活用して,様々な形状や材質の壁,床,天井面の音響特性を詳細に把握し,より高品位な音響空間の構築を目指す。さらに,英国サウサンプトン大学と共同開発した立体音響技術「OPSODISⓇ」の性能向上にも活用していく。会場を視察する押味会長天井裏のキャットウォークVRによるシミュレーション体験
BOOKS25KAJIMA202504 1月31日,第48回土木設計技術報告会を当社KTビル(東京都港区)で実施し,同時にMicrosoftTeamsも活用し全国に配信した。 本報告会は工事入手および工事利益向上に供した土木設計業務の発表とディスカッションを通して,高度かつ最新の土木設計技術の周知・展開を図ることを目的に毎年開催されている。 開会挨拶で多田土木設計本部長は,「事業の上流側から参画する案件数が年々増加しており,これまで以上に限られたマンパワーで,社会や顧客のニーズに応える 1月14日,仙台市青葉区の大崎八幡宮で,小正月の伝統行事「どんと祭」(松焚祭)が行われた。地元企業など約70団体・1,500人が参加するなか,当社からは東北支店とグループ会社社員ら総勢98人が参加。団体としては最大級の参加人数となった。 参加者は,白装束に身を包み,右手に鐘,左手に提灯を掲げ,口に含み紙をくわえながら,支店から大崎八幡宮までの約3kmの道のりを練り歩いた。神社に到着した一行は,御神火に向かい,震災復興と工事の安全を祈願した。第48回土木設計技術報告会開催東北支店有志が伝統行事「どんと祭」に参加競争力のある設計成果を短期間に導き出すことが強く求められている。本報告会の技術報文をはじめとする土木設計ナレッジを蓄積・活用し,競争力強化と生産性向上に繋げてほしい」などと述べた。 報告会では20編の技術発表とパネル展示が行われ,会場・Teamsを合わせ約350名が参加。活発な質疑応答が繰り広げられた。発表に引き続き,(一財)沿岸技術研究センター参与の菊池喜昭氏による特別講演「港湾の施設に用いられる杭の支持力と設計」が行われ,盛況のうちに幕を閉じた。 どんと祭は,正月の松飾りやしめ縄などを焚き上げる神送りの行事。市内各所から神社の御神火を目指し練り歩く裸参りは,東北の冬の風物詩として知られる。なかでも,300年の歴史をもつ大崎八幡宮の祭りは宮城県最大で,仙台市の無形民俗文化財にも指定されている。本誌連載が待望の書籍化お問合せ鹿島出版会tel:03-6264-2301 日本の都市公園制度誕生から150年の節目を記念して,2023年1月号から昨年3月号まで本誌で連載されていた「PARKStudies 公園の可能性」が書籍化されました。 憩いや休息の場となり私たちの生活を豊かにしている公園は,街の活動を補完するものといえ,公園には,それを取り巻く社会や時代が求めるものが写し絵のようにあらわれています。都市がつくりだすそんな公園,あるいは「公園的な風景」の多様な側面を,筆者は鋭く描写します。 連載時の内容に書き下ろし原稿を加えた18のエッセイは5つの章に編み直され,新たな一冊の本として生まれ変わりました。鹿島賞を受賞した福島工業高等専門学校のみなさんと西澤人事部長(左)出陣前の集合写真連載最終回より。書籍装丁には第11回「欲の細道ディザイア・パスの風景」の写真を採用開会の挨拶を述べる多田土木設計本部長 当社は,独立行政法人国立高等専門学校機構が主催する,「第3回高専GIRLSSDGs×TechnologyContest(高専GCON2024)」に協賛した。 高専GCONは,女子高専生を中心とした学生チームがSDGsの視点で,学習や研究の成果を活かし,社会課題解決に向けた技術開発を提案するコンテスト。未来の研究者・技術者としてさらなる成長を促すこと,日本の女性技術者・研究者を増やすことへの喚起を目的に開催されている。 昨年12月15日に日経ホール(東「高専GIRLSSDGs×TechnologyContest」に協賛京都千代田区)で行われた本選では,エントリー総数85チームから予選を勝ち抜いた12チームが思い思いのプレゼンテーションを披露。最優秀賞には米子工業高等専門学校が輝いた。 鹿島賞は,地元いわき市の活性化に貢献したいという想いから,休憩・交流の機能を持つパークレットを地元企業と設計し,駅前に設置する社会実装を行った福島工業高等専門学校に贈呈した。副賞として,技術研究所見学と女性技術者との座談会への招待を予定している。大崎八幡宮へ向かい練り歩く。寒い中でも沿道からは温かい拍手が『PARKSTUDIES 公園の可能性』石川初著 四六判・168頁,1,980円(税込)