21KAJIMA202506Kboard「クラッシィタワー新宿御苑」が竣工「龍谷大学深草キャンパス灯炬館・慧光館・聞思館・結連橋」が竣工 3月28日,「龍谷大学深草キャンパス『灯炬館』『慧光館』『聞思館』『結連橋』」(京都市伏見区)の竣工式が現地で行われ,発注者をはじめとする関係者が出席し,建物の完成を盛大に祝った。 龍谷大学は,2039年に創立400周年を迎えるにあたり,新たな教学展開に対応するため「深草を森にする」をコンセプトに同キャンパスを整備。当社は総延床面積2万961m2の新棟(3棟)や上空通路のほか,体育館のリニューアル工事を行い,アーキシップスタジオが設計を担当した。 北エリアの「灯炬館」は,講義室や研究室,会議室を中心に,豊かな緑とともに利用者が滞在できる 3月3日,住友商事と三菱地所レジデンスが計画を進めてきた「クラッシィタワー新宿御苑」(東京都新宿区)の竣工式が行われ,事業・工事関係者が多数参列し,工事の無事完成を祝った。 本計画は,東京メトロ丸の内線「新宿御苑前」駅徒歩約4分,新宿御苑徒歩約3分の利便性の高さと緑の潤いを兼ね備えた立地に,住戸数280戸を擁するタワーレジ交流スペースを内外に設けた。南エリアには「慧光館」を建設。1∼2階は500人規模の階段教室や調整室,同時通訳ブースを設置し,デンスを建設。規模はRC・S造(制震構造),地上35階,地下1階,延床面積3万2,321m2,基本設計は日建ハウジングシステム,実施設計・施工は当社,共用部のインテリアデザインはイリアが担当した。 新宿御苑の広大な庭園を日常生活の一部として感じられるよう,南側に設けた広場空地には多種多様な植栽を配置したほか,敷地を取り囲む歩道状空地には高木の並木を設え,緑の連続性を持たせた。これにより,緑と建物が一体化し,都心の緑の景をより深めている。また,当社保有の制震技術「ハニカムダンパ®」を採用することで,地震エネルギーを効率よく吸収し,住民へ安心・安全を提供する。立体的なアプローチが印象的な「灯炬館」学内外に向けた講演会の開催を可能にした。同エリアの「聞思館」は,講義室や研究室フロア,体育館へのアプローチ,学内外から利用可能なレストランなどを設けた。加えて,一般道路で隔てられていた南北エリアを「結連橋」で接続したことで,南北一体となった教育・研究・社会貢献活動が実現する。 本事業により,これまで以上に多様な人が集い交流することが期待されている。 新宿の喧騒と一線を画し,四谷の落ち着いた雰囲気をもつ同地に,都心の利便性と自然の潤いが調和した都市型住宅が完成した。隣接館と連続した緑化壁を採用した「慧光館」。手前は南北エリアをつなぐ「結連橋」低層部は緑化壁,上層部は木材からなる「聞思館」南側外観見上げ1階エントランスラウンジ
KAJIMA20250622 宮崎県が建設を進めてきた「パーソルアクアパーク宮崎」(宮崎県宮崎市)が,4月1日にオープンした。 この施設は,2027年に開催される「第81回国民スポーツ大会・第26回全国障害者スポーツ大会」や,公式大会における競泳・水球競技の使用を想定しており,屋内50m 2月26日,AssociatedBuildersandContractors(ABC)が主催するTheNationalExcellenceinConstruction®Awardsにおいて,KUSA傘下のロジャーズ・ビルダーズ社(RBI)が施工した「サレンバーガー航空博物館」が,総合建設業「パーソルアクアパーク宮崎」がオープンロジャーズ・ビルダーズ社がNationalExcellenceinConstructionで最優秀賞を受賞プールにおいては県内初の日本水泳連盟国内公認プール(50m・25mともにAA取得)となる。規模は,SRC造一部RC造,地上3階,延床面積1万4,265m2,設計は梓設計・岩切設計・那須設計の設計共同体,施工は当社JVが担当した。 50mプールは,水深0∼2mまで変更できる可動床を採用し,中央の桟橋を上昇させることで25mプールとしても使用可能なつくりになっている。また,50mプールの長辺を軸にシンメトリーで観客席を構成し,全ての席から水面が見や部門(特殊プロジェクト2000万ドル以下の部)の最優秀賞にあたるイーグル賞を受賞した。 ABCは,1950年に設立された米国の建設業界の中でも権威ある団体のひとつ。非労働組合(非ユニオン)の建設会社や技能者を中心に構成され,自由競争と能力主義を基盤に,教育・訓練,安全管理などを通じて業界全体の発展を支援している。 本工事は,シャーロット・ダグラス国際空港の敷地内に,ミュージアムギャラリーとウェルカムセンター東北電力から感謝状 東北電力女川原子力発電所2号機(宮城県牡鹿郡女川町)の営業運転再開にあたり,安全対策工事などに尽力し,再稼働に大きく貢献したとして,2月28日,発注者である東北電力から感謝状を受領した。 当社は,女川原子力発電所2号機において,主に再稼動に関わる原子炉建屋や防潮堤かさ上げ他の許認可審査支援と安全対策工事を担当。2021年12月に工事計画認可取得,2024年5月の安全対策工事完了といった再稼働に向けた各段階で,発注者の要請に着実に応えた。2024年11月の女川原子力発電所2号機再稼働は,沸騰水型軽水炉(BWR)では初めてであり,被災地としてのみならず東日本の原子力発電所においても初となる。 今後も当社は,原子力施設の安全性向上への取組みを通じて,脱炭素社会の実現とエネルギーの安定供給に貢献していく。東北電力樋口康二郎代表取締役社長(現代表取締役会長,左)から感謝状を受領する竹川専務左からBrentGildberg,Superintendent(RBI),DavidPugh,the2025ABCNationalChairoftheBoardofDirectors,EthanDransfield,ProjectManager(RBI)50mプールサレンバーガー航空博物館完成した「パーソルアクアパーク宮崎」すいサイトラインを確保。競技者と観客が一体になり,臨場感や高揚感が味わえる空間を創出した。 この完成により,県内競技者の競技力向上やスポーツ振興の発展に寄与することが期待されている。し,航空産業の歴史を次の世代につなげる重要な施設として位置づけられている。 表彰では,高い技術力と革新的なデザイン,そして地域社会への貢献が高く評価され,受賞の栄誉に浴した。の2棟を建設。博物館の目玉展示は「ハドソン川の奇跡」として知られる,USエアウェイズ1549便不時着水事故の実際の機体である。当館は地域のSTEM教育を推進
23KAJIMA202506NewSpotFromChubu 4月1日,星総合病院が計画を進めてきた「おおまちてらす」(福島県郡山市)がグランドオープンした。 この施設は,郡山駅から徒歩約8分の好立地で,東日本大震災で損傷,移転した旧星総合病院の跡地に,郡山市地域生活拠点型再開発事業として,地域のWell-beingを追求した多世代交流型複合施設を建設したもの。施設名には,郡山市「大町」ににぎわいが戻るような地域を「照らす」施設にしたいという想いが込められている。規模は,RC造一部SRC・S造, 3月10,11日の両日,当社中部支店・鹿島中部事業協同組合・中部鹿世会(主要協力会社の若手経営者を中心に構成)および中部鹿栄会が合同で,愛知県弥富市の「鹿島中部支店技能体験館」にて「第3回鹿島建設職種別技能体験会」を開催した。 当体験会は,担い手確保に向けた取組みの一環として,高校生や若い世代などに専門職種の作業を実際に体験してもらうことで,建設業の魅力を伝えるもの。一昨年から中部支店と中部鹿世会が開催しており,新たに鹿島中部事業協同組合と中部鹿栄会が加わっ「おおまちてらす」がオープン!職種別技能体験会を開催~若い世代に建設業の魅力を伝える~地上7階,延床面積1万5,870m2で,設計監理を日建設計,施工を当社が担当した。 1階にはオープンキッチンを備えたフォーマル・カジュアル・デリカの3つのエリアに分かれたレストランが配置され,地元の食材を使用した料理が楽しめる。2階には陶芸や木工,裁縫などを体験できる東北最大級のものづくり工房のほか,陸上の50mレーンやピッチングマウンドなどで実践的な動作を分析できるトレーニングセンターを有する。また3階は,乳児院や保育所,放た。参加者は年々増加しており,高校生に加え愛知労働局の職員や自衛隊員など約220名にのぼった。 会場では「地球最大規模のものづくり―次の100年をつくるのは君たちだ―」をスローガンに,協力会社13社が企画・運営に関するアイデアを持ち寄り,型枠・とび・鉄筋・左官・土木・仮設電気・タイル・内装の8職種を体験できるブースを出展した。オリエンテーションでの秋田中部支店長の挨拶では,「この体験会で様々な専門工事業者があることを知り作業を体験することで,みなさんの将来につなが課後児童クラブなど子育て世帯に寄り添う施設,4階には検診センター,5∼6階には46戸のシニア向け賃貸住宅「おおまちてらすレジデンス」,7階には1泊検診用宿泊室などを設え,子どもから高齢者まる貴重な一歩となれば嬉しい」と呼びかけた。 作業を体験した参加者からは,「色々な工種を体験し普段から見ているものがどのようにできているのかが分かった」,「建設業は大変で疲れるイメージが強かったが,で幅広い世代が利用できる多彩な機能を備えている。 地域の方々の夢と希望に満ちた豊かな人生と,明るく元気な街づくりを応援する施設として,地域の活性化に貢献していく。技術の進化でイメージが変わった」,「色々な体験を通して,働いているイメージが湧いた」などの声があがった。 当社は様々な取組みを通して,建設業の担い手確保につながる活動を継続していく。陸上の50mレーン建設重機を操縦して風船割りに挑戦!手作業と工具を使い,鉄筋組立作業を体験足場の組立・解体作業を体験内装体験では丁寧にクロスを貼る各職種の体験ブースが並ぶ会場東側外観5階に配されたシニア向け賃貸住宅の共同キッチン
24KAJIMA202506Focus 2月26日,当社人事部が主催する鹿島守之助会長50回忌記念講演会がKX-LAB(東京都豊島区)で開催され,(一財)日本総合研究所・会長の寺島実郎氏が「鹿島守之助の経営者としての功績と後世への影響」と題し講演を行った。 冒頭に,寺島氏は自身の読書三昧の高校時代について振り返った。“パン・ヨーロッパ”の思想に関する本を,守之助会長に「高額の本は手が出ないので,お古でもよいから送ってほしい」と手紙を書いたところ,何冊もの本が詰められた箱が送られてきたと,守之助会長鹿島守之助会長50回忌記念講演会を開催の配慮を回顧した。その後,世界経済の見通しを中心に講義が行われ,当日はオンラインも含め約300名が参加し,熱心に耳を傾けた。 終了後はパン・アジア主義やウクライナ情勢,経営のグローバル化,建設業界の課題まで幅広い話題について質疑応答が行われた。参加者からは「世界の中での日本の立ち位置について守之助会長の視座を踏まえて進んで青葉区役所宮城県庁勾当台公園北四番丁広瀬通あおば通仙台青葉通一番町大町西公園国際センター宮城野通五橋仙台市役所地下鉄南北線地下鉄東西線東北新幹線旧東北支店4548286アーバンネット仙台中央ビル15F(受付)/16F電力ビル本館5F愛宕上杉通り広瀬通り青葉通り仙台駅仙石線鹿島守之助会長にゆかりの深い寺島実郎氏が講演を行ったいく必要性を感じた」「物事の本質を見極める視点や洞察力を養う努力,幅広い情報に触れることの重要性を感じた」など,様々な意見が寄せられ,盛況のうちに幕を閉じた。information大阪・関西万博プログラム「KAJIMAなぞときワークショップサステナドームの怪人」開催当社東北支店が移転 この夏,鹿島は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で小学校高学年の子どもたちを対象に,「KAJIMAなぞときワークショップサステナドームの怪人」を実施します。 地球温暖化やCO2活用の重要性について学びながら,鹿島のサステナブルな技術の知識を手掛かりに謎を解く,大阪・関西万博特別プログラムです。 皆様のご参加を心よりお待ちしております。 当社東北支店は5月7日,仙台市青葉区に構えていた自社ビルから,同区の「アーバンネット仙台中央ビル」と「電力ビル本館」へ2ヵ所に分かれて移転しました。 「アーバンネット仙台中央ビル」は,JR仙台駅から徒歩約9分,当社が実施設計・施工を担当したオフィスビルで,15,16階に入居。「電力ビル本館」は,同駅から徒歩約10分の複合ビルで,5階に入居し業務を行っています。〈あらすじ〉 天才科学者とまじめな助手が,地球温暖化やサステナブルな技術を紹介していたところ,突然,謎の仮面の男から挑戦状が届き,会場は緊迫した雰囲気に! 果たしてワークショップ参加者は協力して謎を解き明かすことができるのか?実施日:7/18(金)~7/27(日)全18回参加方法:要予約(予約開始6月中旬予定)東北支店Tel(代表):022-261-7111〒980-0021仙台市青葉区中央4-4-19アーバンネット仙台中央ビル15階(受付),16階在籍部署:支店長室,管理部,安全環境部,土木部,機械技術室〒980-0081仙台市青葉区一番町3-7-1電力ビル本館5階在籍部署:営業部,開発部,建築部,建築設計部,建築品質監理部鹿島グループ従業員,ご家族,OB・OGの皆さんKX-LABで,鹿島守之助会長50回忌記念展示をしております。是非お越しください!展示時間・平日(水曜日を除く):9時~17時半・水曜日:9時~19時・第2,第4土曜日:10時~15時※予約不要,時間帯は変更となる場合があります。展示は7月末まで(予定)
25KAJIMA202506 BOOKS informationKAJIMA彫刻コンクール募集始まるモダニズム建築受容の歴史日本建築学会賞(著作)を受賞お問合せ鹿島出版会tel:03-6264-2301第19回KAJIMA彫刻コンクール応募締切り:7月11日(金) 今年も当社刊の書籍が2冊,2025年日本建築学会賞(著作)に選ばれました。 世界大恐慌下1930年代のアメリカで,その緊急事態を理想社会発生の契機へと転じようとした,バックミンスター・フラー率いる建築家集団の言論活動を考察した『SSA』。近代建築が忌避した伝統様式や装飾を再評価して, 当社主催の第19回KAJIMA彫刻コンクール(後援:(公財)鹿島美術財団,(公財)鹿島学術振興財団)の開催要項が発表され,作品の募集が行われています。このコンクールは,当社の創業150年記念事業の一環として1989年に創設。2年に1回のビエンナーレ方式で「彫刻・建築・空間」をテーマとし開催されます。 本コンクールでは,彫刻芸術と独自の設計活動を展開し,国立能楽堂や法政大学を手掛けた大江宏のモノグラフである『恣意と必然の建築』。 近年,近代建築史の再解釈がさかんに行われているなか,ヨーロッパ発のモダニズムが米国と日本で受容されていく過程に着目した研究を丁寧にまとめた2冊の本が,改めて高く評価されました。建築空間が出合う新しい空間の創造を目指しています。彫刻作品の設置場所である当社KIビル(東京都港区)のアトリウムが活性化し,より魅力的なスペースとなる作品が集まることを願っています。「久重ホタルの里」の小川にホタルの幼虫を放流した第18回彫刻コンクール審査時の様子総代として田中里沙学長(右)から事業構想修士(専門職)の学位を受け取る(同大提供)保全と融合を通じ,日本の美しい原風景と文化を次世代に継承する新規事業を修士論文で構想『SSA緊急事態下の建築ユートピア』印牧岳彦/著A5判・384頁,3,850円(税込)『恣意と必然の建築大江宏の作品と思想』石井翔大/著A5判・282頁,2,750円(税込)(ともに本誌2023年4月号でも紹介)詳細はKAJIMA彫刻コンクールのホームページをご覧くださいPerson 「美しい日本の伝統文化を,次世代に継承したい」。遡ること3年前,参加したマネジメントセミナーで横浜支店建築設計部の良永敦子担当部長は自らの夢をこう語った。 あの日から3年…。今年3月,良永さんは自身の夢を叶えるために通っていた事業構想大学院大学を,総代で卒業。多忙な業務をこなしながら事業構想の構築・実践を研究し,自身の想いを具現化させる術を学んだ。「週3日の夜間と土曜日の終日で大学院の講義やゼミに出席しました。担当現場のある静岡県から東京・表参道「1000年をつなぐ鹿島」へ。夢への挑戦はつづくへ直行し業務と学業を両立させた2年間。これは決して簡単なチャレンジではなかったです」と苦笑いを浮かべる。 それでも諦めずに続けられたのは,自分の世界が確実に広がっていく手応えがあったからだという。「これまで触れたことのない知見に出合う喜び。そして,多種多様な企業から集まった優秀な仲間と苦楽を共にして築いた絆。これらが私を完走させてくれた原動力でした」。 良永さんが構想したのは「保全と融合を通じ,伝統文化を1000年先の未来へつなぐ」というスキーム。伝統文化への深い理解と尊重,そして未来につなぐ新たな価値を創出するという使命を持つ当社が取り組む意義は大きいと提言する。「棚田などの日本に残る美しい原風景,貴重な伝統文化が失われていくのを,このまま見過ごすわけにはいかない」という強い想いが本構想を創り上げたと振り返った。さらに,「構想の実現に向けて,社内関係部署と協議を行い,具体的な事業化プロセスの立案を進めていきたい」と,今後の展望についても既に頭の中にイメージを描いている。 最後に,自身と同じように夢を抱く社員へエールを送った。「自分の心が震えるものに出合ったなら,それを疑わずまずは信じてほしい。そして,もし胸の奥が高鳴るようなアイデアがあるなら,迷わず一歩踏み出してみてほしい。新たな挑戦というのはとても素晴らしいことです」。 卒業とともに動き出した夢へのカウントダウン。良永さんの挑戦を応援していきたい。横浜支店建築設計部良永敦子担当部長